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第3話
第3話 11
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「あぁ、焦りはダメ。
視野を狭めるからね。」
スーは、そういうと掌底を藤麻の右手首に打ち込むとシャープナーを落とさせ足でけり飛ばした。
スーの反撃がそこで止まるわけもなく、そのまま掌底を連続で藤麻に向ける。
一発目の掌底でシャープナーに纏わせていた火は消えてはしまったが、何とかスーの掌底を防ぎきった藤麻は後ろに飛んで距離をあけた。
「ほう、武器を失ってもオイラから意識をそらさなくなったね。
えらいえらい。」
「まだ終わってない。
お前もそんな余裕でいいのか?」
パチパチと手を叩くスー。
そんなスーに藤麻は、鼻で軽く笑いながらそう言った。
「これは失礼。」
スーは、思わずそう口にした。
片方でも武器が無くなったから、無意識に終わりだと思っていたが藤麻の闘志は消えていない。
確認してから言えばよかったな。
そんなプチ反省をしている間に藤麻は、シャープナーが一本だけの状態で自分の側まで近づいていた。
四大の訓練だったのだ武器を飛ばしたのは良くなかっただろうか。
藤麻の攻撃を避けながらそう考えていたスー。
しかし、それはスーの油断だった。
籐麻の右手首にいつの間にかブレスレットがつけられいた。
先程までは無かったのに。
籐麻は、ブレスレットとシャープナーを擦り合わせて火を起こすとそのまま振り上げた。
最後まで四大をつかったのは、籐麻なりの意地だったのだろう。
そのシャープナーでスーの目隠しを上に飛ばした。
火のコントロールも上手くいったようでスーは怪我はなかった。
「…やるじゃない。」
「油断してくれてたからできたんだ。
手合わせ、感謝する。」
ペタリとスーは座り込んだ。
籐麻も飛ばしたスーの目隠しを拾いスーに手渡す。
そんな穏やかな空気の中、藤麻の頭に強い衝撃が加わる。
完全に気が緩んでいた為に声もならない声で頭を押さえて藤麻はうずくまった。
「いくらなんでも、女の子の顔に火を近づけたらいけないでしょ!!
火傷して跡が残ったらどうするの!!」
「まぁまぁ、怪我がなかったんだし多めに…。」
藤麻に拳骨を落としたのはピオだった。
訓練の難易度を上げて火を使うようにいったは自分だ。
スーは、茶化す気は無く本気のフォローをしようとしたが本気で怒っているピオに睨まれて思わず静かになった。
藤麻に拳骨をして少し頭が冷えたのか、軽くため息をついたピオはスーに近づいてスーの頬を両手で包み込むように触る。
「パッと見て怪我は無さそうだけど…ちゃんと看てみましょ。
ほら、大人しくしてて。」
顔を触られるのは、多少抵抗があったが…ピオの真剣な剣幕に負けて大人しくした。
視野を狭めるからね。」
スーは、そういうと掌底を藤麻の右手首に打ち込むとシャープナーを落とさせ足でけり飛ばした。
スーの反撃がそこで止まるわけもなく、そのまま掌底を連続で藤麻に向ける。
一発目の掌底でシャープナーに纏わせていた火は消えてはしまったが、何とかスーの掌底を防ぎきった藤麻は後ろに飛んで距離をあけた。
「ほう、武器を失ってもオイラから意識をそらさなくなったね。
えらいえらい。」
「まだ終わってない。
お前もそんな余裕でいいのか?」
パチパチと手を叩くスー。
そんなスーに藤麻は、鼻で軽く笑いながらそう言った。
「これは失礼。」
スーは、思わずそう口にした。
片方でも武器が無くなったから、無意識に終わりだと思っていたが藤麻の闘志は消えていない。
確認してから言えばよかったな。
そんなプチ反省をしている間に藤麻は、シャープナーが一本だけの状態で自分の側まで近づいていた。
四大の訓練だったのだ武器を飛ばしたのは良くなかっただろうか。
藤麻の攻撃を避けながらそう考えていたスー。
しかし、それはスーの油断だった。
籐麻の右手首にいつの間にかブレスレットがつけられいた。
先程までは無かったのに。
籐麻は、ブレスレットとシャープナーを擦り合わせて火を起こすとそのまま振り上げた。
最後まで四大をつかったのは、籐麻なりの意地だったのだろう。
そのシャープナーでスーの目隠しを上に飛ばした。
火のコントロールも上手くいったようでスーは怪我はなかった。
「…やるじゃない。」
「油断してくれてたからできたんだ。
手合わせ、感謝する。」
ペタリとスーは座り込んだ。
籐麻も飛ばしたスーの目隠しを拾いスーに手渡す。
そんな穏やかな空気の中、藤麻の頭に強い衝撃が加わる。
完全に気が緩んでいた為に声もならない声で頭を押さえて藤麻はうずくまった。
「いくらなんでも、女の子の顔に火を近づけたらいけないでしょ!!
火傷して跡が残ったらどうするの!!」
「まぁまぁ、怪我がなかったんだし多めに…。」
藤麻に拳骨を落としたのはピオだった。
訓練の難易度を上げて火を使うようにいったは自分だ。
スーは、茶化す気は無く本気のフォローをしようとしたが本気で怒っているピオに睨まれて思わず静かになった。
藤麻に拳骨をして少し頭が冷えたのか、軽くため息をついたピオはスーに近づいてスーの頬を両手で包み込むように触る。
「パッと見て怪我は無さそうだけど…ちゃんと看てみましょ。
ほら、大人しくしてて。」
顔を触られるのは、多少抵抗があったが…ピオの真剣な剣幕に負けて大人しくした。
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