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第十六話
第十六話 4
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初陣は、それから一週間後。
研究所にサンプルとして贈呈された、欠陥気味のキーウエポンを握り戦場に立ったわ。
前にもお話ししたけど…出力は弱めなものの一本でも、雑兵相手ならお釣りはきたわ。
他にも人はいたしね。
セカンド…いや、ベレアス率いる小隊。
森羅万象使いの兵士達。
私と一緒に別の世界から来た男の子〝ロイ〟。
そして、一際目立ったのはインフィニティの申し子と称されたベル。
手元にあるインフィニティを使い捨てるようにして獣と戦い一人で小隊並みの働きを見せていたわ。
使い慣れていないインフィニティも使い捨れるなんて熟練の兵士でも厳しいのだけど、彼のもつ見極める瞳がそれを可能にしてたわ。
ふふ、誰も分からないでしょうね。
ボロボロになった幼い男の子が、武器を片手に死んだような目で淡々と生き物を屠る様を。
皆が、私に帰れるといいねと話しかける中…彼だけが何も言わなかった。
彼の目にはきっと、この後の結末が見えていたんでしょうね。
事が大きく発展したのは、ベルが大怪我を負って力を失ってしまってからかしら?
「やはり君は、実に素晴らしいですよベル!
今回は特に良いものでしたヨ。
あと数年…成長が進み成熟した肉体と精神だったのなら今、地に伏していたのは私の方でしたでしょウ。」
街の防衛戦の一つに駆り出されたベルと私。
簡単な任務だと思いきや、規格外の獣がいたの。
名前は、キラー。
血まみれになって片膝をついて満身創痍なはずなのに、嬉しさで体が震えていた。
キラーの視界には、手持ちのインフィニティが全て砕かれうつ伏せに倒れたベルがいたわ。
「…殺せ。」
ベルは、諦めたように消えそうな声でそう言った。
「私は、女子供は殺さなイ。
私の信念を覆さないでくれてありがとうございますベル。
君が強者で本当によかっタ。
完治したら是非とも、私と刃を交えてくださイ。
それでは、お大事ニ。」
キラーは、姿勢を正した後にペコリとベルに会釈すると背を向けてその場を後にした。
追撃をしようとしたけど、満身創痍のベルに裾を掴まれて私は止められたが…止められなかった他の人たちはあっさりと返り討ちにあってたわ。
キラーは、大分不満そうな顔で周囲を見回したあとに一気に駆け抜けて戦線を離脱。
後にベルが言ってたけど、戦闘狂の彼は戦闘後の余韻にもう少し浸りたかったらしい。
ベルは、少し特殊な体質でおもったよりあっさりと怪我は完治したけど…今回の怪我が大きすぎだ為に治癒の代償として見極める目の能力を失った。
その後、転々と施設を施設を巡りアナタ達を会った…ってベルの話じゃなくて私の話だったわね。
研究所にサンプルとして贈呈された、欠陥気味のキーウエポンを握り戦場に立ったわ。
前にもお話ししたけど…出力は弱めなものの一本でも、雑兵相手ならお釣りはきたわ。
他にも人はいたしね。
セカンド…いや、ベレアス率いる小隊。
森羅万象使いの兵士達。
私と一緒に別の世界から来た男の子〝ロイ〟。
そして、一際目立ったのはインフィニティの申し子と称されたベル。
手元にあるインフィニティを使い捨てるようにして獣と戦い一人で小隊並みの働きを見せていたわ。
使い慣れていないインフィニティも使い捨れるなんて熟練の兵士でも厳しいのだけど、彼のもつ見極める瞳がそれを可能にしてたわ。
ふふ、誰も分からないでしょうね。
ボロボロになった幼い男の子が、武器を片手に死んだような目で淡々と生き物を屠る様を。
皆が、私に帰れるといいねと話しかける中…彼だけが何も言わなかった。
彼の目にはきっと、この後の結末が見えていたんでしょうね。
事が大きく発展したのは、ベルが大怪我を負って力を失ってしまってからかしら?
「やはり君は、実に素晴らしいですよベル!
今回は特に良いものでしたヨ。
あと数年…成長が進み成熟した肉体と精神だったのなら今、地に伏していたのは私の方でしたでしょウ。」
街の防衛戦の一つに駆り出されたベルと私。
簡単な任務だと思いきや、規格外の獣がいたの。
名前は、キラー。
血まみれになって片膝をついて満身創痍なはずなのに、嬉しさで体が震えていた。
キラーの視界には、手持ちのインフィニティが全て砕かれうつ伏せに倒れたベルがいたわ。
「…殺せ。」
ベルは、諦めたように消えそうな声でそう言った。
「私は、女子供は殺さなイ。
私の信念を覆さないでくれてありがとうございますベル。
君が強者で本当によかっタ。
完治したら是非とも、私と刃を交えてくださイ。
それでは、お大事ニ。」
キラーは、姿勢を正した後にペコリとベルに会釈すると背を向けてその場を後にした。
追撃をしようとしたけど、満身創痍のベルに裾を掴まれて私は止められたが…止められなかった他の人たちはあっさりと返り討ちにあってたわ。
キラーは、大分不満そうな顔で周囲を見回したあとに一気に駆け抜けて戦線を離脱。
後にベルが言ってたけど、戦闘狂の彼は戦闘後の余韻にもう少し浸りたかったらしい。
ベルは、少し特殊な体質でおもったよりあっさりと怪我は完治したけど…今回の怪我が大きすぎだ為に治癒の代償として見極める目の能力を失った。
その後、転々と施設を施設を巡りアナタ達を会った…ってベルの話じゃなくて私の話だったわね。
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