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第十五話
第15話 8
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グラムは、全身から血を吹き出して膝をついた。
「なるほど…お前が、森羅万象の“天然物”たったカ。
力が暴走し、街を破壊する様はまるで悪魔。
名前が被っていることから、“ディアブロス”などと呼ばれていたナ。」
ティアは、カッと頭に血をのぼらせたような表情になるとサッカーボールのように膝をつくグラムを蹴り飛ばした。
追撃をかけようとしたが、カナに肩を掴まれて止まる。
「カナちゃん、こんな時にふざけない…。」
「落ち着いてください、ティア殿。
ティア殿のアクアリジェクトをモロに食らって膝をついた程度でス。
変に追い打ちをかけると危険でス。」
カナはそう言った。
するとカナの予測通りゆっくりとグラムは立ち上がる。
「アクアリジェクトは、本来は守りの型。
あらゆる水分を含む物質の厄介な防御だと思っていたが…そんな発想があるとハ。
やれやれ、まったく貴様ら人間には驚かされるヨ。
だが、天然物とはいえ一つだケ。
全てを操る私には、足元にも及ばン。」
グラムは、左手をあげると室内なのに雲が出現する。
「幻影などではなイ。
水と火と風と雷。
それらを元に生み出して作った人工の天候ダ。
全ての事情には意味があル。
その問いの答えを存分に味わってくれ。」
グラムが手をふると、雲は渦を巻いて二人な向かっていく。
渦の輪は、まるで怪物の口のように大きく開いており二人を飲み込もうとする。
“アクアフィールド”
ティアは、グラムの竜巻を防ぐように大きな水の壁を出現させたがあっけなく四散してしまった。
すると、渦の穴にむかって氷の塊がとんでいく。
拳くらいの大きさをしたダイヤ型の氷塊。
それは、渦の口の中に入っていくと渦の中心部で音を立てて爆発した。
グラムが爆発の余波を受けていると、またもグラムの頭上から一つの影がふってくる。
それは、いままで消息が不明だったアステラだった。
アステラは、グラムに向かって回転をくわえた蹴りを繰り出した。
グラムは、その蹴りを横顔に食らうと横に吹き飛んでいく。
「アステラ!?」
「話は後だ。
目の前の敵に集中しろ。」
アステラは、ティアにそういうと落ちていた剣を右手で握ってグラムに向き合う。
「次から次へト…。
厄介な奴らだよ、貴様らハ。
森羅万象…風。」
グラムは、そう言うと右手に風を集める。
名前を呼んだということは、出力を先ほどよりも上げ為だろう。
「砕け散れ、人間共。」
“エアストライク”
アステラは、風の塊の側まで移動すると剣を振って爆弾のような勢いのある風の塊の軌道を晒したのだ。
そして、アステラはカナのそばまで跳んで移動すると軽く耳打ちをする。
「…下に逃げろ。
俺が崩した所をアクアシフトで進め。
チャンスは一度しかない…いいな?」
“エアドライヴ”
アステラは、そう言うと風を体に纏わせて肉体を強化した後に部屋の中心に移動する。
「力を貸してくれ、土よ!」
「させるカ!」
アステラが剣を地面に刺すと風の刃のようなものが地面を蜘蛛の巣のように全体につたっていく。
地面を破壊しようとしているのだが、グラムが破壊されないように守っているようで崩れるまではいかない。
「なるほど…お前が、森羅万象の“天然物”たったカ。
力が暴走し、街を破壊する様はまるで悪魔。
名前が被っていることから、“ディアブロス”などと呼ばれていたナ。」
ティアは、カッと頭に血をのぼらせたような表情になるとサッカーボールのように膝をつくグラムを蹴り飛ばした。
追撃をかけようとしたが、カナに肩を掴まれて止まる。
「カナちゃん、こんな時にふざけない…。」
「落ち着いてください、ティア殿。
ティア殿のアクアリジェクトをモロに食らって膝をついた程度でス。
変に追い打ちをかけると危険でス。」
カナはそう言った。
するとカナの予測通りゆっくりとグラムは立ち上がる。
「アクアリジェクトは、本来は守りの型。
あらゆる水分を含む物質の厄介な防御だと思っていたが…そんな発想があるとハ。
やれやれ、まったく貴様ら人間には驚かされるヨ。
だが、天然物とはいえ一つだケ。
全てを操る私には、足元にも及ばン。」
グラムは、左手をあげると室内なのに雲が出現する。
「幻影などではなイ。
水と火と風と雷。
それらを元に生み出して作った人工の天候ダ。
全ての事情には意味があル。
その問いの答えを存分に味わってくれ。」
グラムが手をふると、雲は渦を巻いて二人な向かっていく。
渦の輪は、まるで怪物の口のように大きく開いており二人を飲み込もうとする。
“アクアフィールド”
ティアは、グラムの竜巻を防ぐように大きな水の壁を出現させたがあっけなく四散してしまった。
すると、渦の穴にむかって氷の塊がとんでいく。
拳くらいの大きさをしたダイヤ型の氷塊。
それは、渦の口の中に入っていくと渦の中心部で音を立てて爆発した。
グラムが爆発の余波を受けていると、またもグラムの頭上から一つの影がふってくる。
それは、いままで消息が不明だったアステラだった。
アステラは、グラムに向かって回転をくわえた蹴りを繰り出した。
グラムは、その蹴りを横顔に食らうと横に吹き飛んでいく。
「アステラ!?」
「話は後だ。
目の前の敵に集中しろ。」
アステラは、ティアにそういうと落ちていた剣を右手で握ってグラムに向き合う。
「次から次へト…。
厄介な奴らだよ、貴様らハ。
森羅万象…風。」
グラムは、そう言うと右手に風を集める。
名前を呼んだということは、出力を先ほどよりも上げ為だろう。
「砕け散れ、人間共。」
“エアストライク”
アステラは、風の塊の側まで移動すると剣を振って爆弾のような勢いのある風の塊の軌道を晒したのだ。
そして、アステラはカナのそばまで跳んで移動すると軽く耳打ちをする。
「…下に逃げろ。
俺が崩した所をアクアシフトで進め。
チャンスは一度しかない…いいな?」
“エアドライヴ”
アステラは、そう言うと風を体に纏わせて肉体を強化した後に部屋の中心に移動する。
「力を貸してくれ、土よ!」
「させるカ!」
アステラが剣を地面に刺すと風の刃のようなものが地面を蜘蛛の巣のように全体につたっていく。
地面を破壊しようとしているのだが、グラムが破壊されないように守っているようで崩れるまではいかない。
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