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第十五話
第15話 5
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「自分は…人間の為やあの科学者達の為に戦っている訳ではないでス。
手の平を常にコロコロと変えて自分に接した科学者達は…正直、殺したくなりましタ。
自分は世間をしりません、一般の人々なんてしりませン。」
カナは、グラムの目を見てそう口を開いた。
嘘ではない…いや嘘はつかないだろう。
グラムはそのカナから聞いた本心に、思わず頬が緩んだ。
「…誰よりも自分を見ていて守ってくれたアリエス先生。
いつも父のように引っ張ってくれていたアイク殿。
母のように、面倒をみてくれたサヤ殿。
優しく不器用なハゲ殿。
姉のように甘やかしてくれたジュリ殿。
ぶっきらぼうだけど、なんだかんだで助けてくれるめんどくさいエグザス。
落ち込んだ時は、必ずそばにいたベル殿。
口は悪いけどいつも影から支えてくれたグレーズ殿。
本をいっぱい教えてくれたシオ殿。
たくさん遊んでくれたコーダ殿。
いつも賑やかで…空気を読むのが上手じゃないフウ殿。
しっかり者で素直じゃないラグエル殿。
慌てん坊で、大人っぽいロゼ殿。
甘えん坊で…どこか無邪気なティア殿。
いつも誰かの為に動くアステラ殿。
…周りから非難されても、陰ながら誰かを助ける事をやめなかったナツ殿。
そんな愛しい家族を護るのに理由がほしいですカ?」
グラムは、決別とも言える返答に満足したように静かに頷いた。
カナは、そんなグラムの様子に首を傾げる。
「百点満点の答えダ。
あの方に似て家族思いで心優しい…だから、私はお前を家族に迎えたイ。
お前には獣人の因子があル。
記憶の改善など容易イ。
殺しはしない…だが…負けた時は覚悟して貰おうカ。」
「丁寧に教えてくれるとは、案外…親切なんですネ!!」
“エックス”
カナは、3回ほど転移を連続で行いグラムに近づく。
グラムは、槍を全て分散させて周囲に展開。
カナは、驚いた表情で進むのを止めて停止する。
「私は武器を必要としなイ。
所詮、武器と言っても私にとって盾や鎧と同ジ。
私の武器は…私に宿る力だけダ。」
“アインツ クヴェル”
グラムは、ドクンと心音を響かせるとカナに向かって走り出す。
そして、横に一回転してカナに回し蹴りをした。
カナは、すぐにそれを受け止めたがグラムはすぐに左手でアッパーをするように武器を弾く。
そして、武器に気をとられたカナを今までの勢いを殺さないように蹴り飛ばした。
「…お前も武器に甘えすぎダ。
…兄弟は…やはり…似るものなのカ…。」
「エグザスの事ですかッ!!」
“アクアショット”
カナは、飛ばされながら両手に水を溜めて同時に前方に前に振り抜く。
二つの水は一つに集まり、グラムに向かっていくが…宙に浮遊する無数の槍によって阻止される。
「まぁ…いイ。
補習は…また後日で勘弁してやろウ。」
グラムは、右手をカナに向ける。
カナはとっさにキーウエポンの方に走っていく。
「オールコネクト。
パターン、コフィン。」
グラムの号令によりブリューナクは全て連結してカナを棺桶のように包む。
カナの動きを完全に封じ込めてシーンとなった部屋にグラムのゆっくりとした足音が響く。
手の平を常にコロコロと変えて自分に接した科学者達は…正直、殺したくなりましタ。
自分は世間をしりません、一般の人々なんてしりませン。」
カナは、グラムの目を見てそう口を開いた。
嘘ではない…いや嘘はつかないだろう。
グラムはそのカナから聞いた本心に、思わず頬が緩んだ。
「…誰よりも自分を見ていて守ってくれたアリエス先生。
いつも父のように引っ張ってくれていたアイク殿。
母のように、面倒をみてくれたサヤ殿。
優しく不器用なハゲ殿。
姉のように甘やかしてくれたジュリ殿。
ぶっきらぼうだけど、なんだかんだで助けてくれるめんどくさいエグザス。
落ち込んだ時は、必ずそばにいたベル殿。
口は悪いけどいつも影から支えてくれたグレーズ殿。
本をいっぱい教えてくれたシオ殿。
たくさん遊んでくれたコーダ殿。
いつも賑やかで…空気を読むのが上手じゃないフウ殿。
しっかり者で素直じゃないラグエル殿。
慌てん坊で、大人っぽいロゼ殿。
甘えん坊で…どこか無邪気なティア殿。
いつも誰かの為に動くアステラ殿。
…周りから非難されても、陰ながら誰かを助ける事をやめなかったナツ殿。
そんな愛しい家族を護るのに理由がほしいですカ?」
グラムは、決別とも言える返答に満足したように静かに頷いた。
カナは、そんなグラムの様子に首を傾げる。
「百点満点の答えダ。
あの方に似て家族思いで心優しい…だから、私はお前を家族に迎えたイ。
お前には獣人の因子があル。
記憶の改善など容易イ。
殺しはしない…だが…負けた時は覚悟して貰おうカ。」
「丁寧に教えてくれるとは、案外…親切なんですネ!!」
“エックス”
カナは、3回ほど転移を連続で行いグラムに近づく。
グラムは、槍を全て分散させて周囲に展開。
カナは、驚いた表情で進むのを止めて停止する。
「私は武器を必要としなイ。
所詮、武器と言っても私にとって盾や鎧と同ジ。
私の武器は…私に宿る力だけダ。」
“アインツ クヴェル”
グラムは、ドクンと心音を響かせるとカナに向かって走り出す。
そして、横に一回転してカナに回し蹴りをした。
カナは、すぐにそれを受け止めたがグラムはすぐに左手でアッパーをするように武器を弾く。
そして、武器に気をとられたカナを今までの勢いを殺さないように蹴り飛ばした。
「…お前も武器に甘えすぎダ。
…兄弟は…やはり…似るものなのカ…。」
「エグザスの事ですかッ!!」
“アクアショット”
カナは、飛ばされながら両手に水を溜めて同時に前方に前に振り抜く。
二つの水は一つに集まり、グラムに向かっていくが…宙に浮遊する無数の槍によって阻止される。
「まぁ…いイ。
補習は…また後日で勘弁してやろウ。」
グラムは、右手をカナに向ける。
カナはとっさにキーウエポンの方に走っていく。
「オールコネクト。
パターン、コフィン。」
グラムの号令によりブリューナクは全て連結してカナを棺桶のように包む。
カナの動きを完全に封じ込めてシーンとなった部屋にグラムのゆっくりとした足音が響く。
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