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第十五話
第15話 3
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「あんな無茶苦茶な奴がいていいのかよ。
あのヨボヨボの獣でさえ、規格外だとおもってたのに。」
「あいつを止められるのは、マジモードのジーさんでもキツイかもな。」
焦るノラのメンバーを他所に、エースは振り回していたキーウエポンを無造作に捨てる。
そして、腕を組んで口を開いた。
「…お前さんらサ…。
俺を見て、人間側が勝てると思ってんノ?
断言してやル。
今のままじゃ、負けるぞ人間。
たとえ…ニースの呪いが解けて前線から復帰できても、ドーベルマンと化したソッチの仲間が返り咲いたとしてもナ。」
ニースの呪い?
そんな事を全員が考えていると聞き慣れた声が聞こえた。
「…おいおい、随分とヨユーじゃねーの。
変声のコスプレワンワン。」
声が聞こえたと思ったら、エースの前に空間の歪みが生まれた。
“技の1段 ローエン”
炎の槍による突進がエースを襲ったが、エースはとっさに槍を握って止める。
攻撃の正体は、コートを羽織ってない私服のベルだった。
「おいおい、ドーベルマンの呪いって解けるもんなのカ?」
「おう、簡単だったさ。
獣人化の因子を俺たちに埋め込んでたのは、獣人の人格を埋め込むのに耐えれる体を作るだけだっただけの話みたいだったのよ。
だったら、精神だけの話なら…同じことをやり直せばいいんじゃないってやってみたらさ…案外成功するのな。
調子がいい時にサラサラ試せてよかったよかった。」
“技の0段”
後ろから、援護するようにB.Kは狙撃するがエースはスッ…っとベルを盾にするように移動した。
「貫けー!」
「おいおいマジかよB.K。」
ベルごと撃ち抜く気満々のB.Kの声に呆れながらもベルは暴食の力でB.Kの攻撃を防ぐとキーウエポンの炎の出力を上げた。
「んだよ、傲慢までパクってきたのかヨ。
あっちぃーなァー。」
エースは、ヤレヤレと言った様子でベルのキーウエポンを離して距離をとる。
「お前が、夜な夜なコソコソとしていたのは知ってたが…まさか復活したとはねェ。
その様子だと、他のドーベルマン達はノータッチカ?」
エースは、そういいながらからかかってきたエグザスの攻撃を避けると両手でエグザスを掴みまるで柔道のような感じで投げ飛ばした。
エースは、チラリと向かってこないカナを見るとアトロが必死になってカナを抑えている。
「バッカ、怪我人は大人しくしておけ足手纏いになるぞ。」
「いいえ、怪我は完治してるので怪我人ではありません!」
二人はそう言い争いながら、わちゃわちゃしていた。
「まぁ…カナが無茶しすぎるとじーさんが五月蝿いしな。
じーさんも帰った事だし俺も帰るとするか。」
“エックス”
それだけを告げると、エースも空間の歪みをつくりその場から消えていった。
「っはぁー!!
びびったぁ。」
アトロは、完全にエースの姿が消えると力強くそう言いながら膝から崩れ落ちる。
それをみたカナは、アトロに肩を貸す。
「情けないですね、アトロ殿。」
「…アトロでいいよ、一々殿なんて呼ばなくていいわ。
お前さん達は、アレの恐ろしさを知らんから言えんだよ。
獣人も一枚岩ではないんだ。
昔…暴動を起こした人口半分の獣人達を一人で止めた奴だ。
お前さんらは、自分のもつ全ての武器を使って同じことが、できるのか?
俺はそれで己の限界を知ったよ。」
ノラは、全員静かになった。
それが事実なら、今の攻防なんてエースにとっては子供との戯れ合いとあまり変わらない。
「んな、考えたってしょうがないだろうに。
やれると事をやるだけよ。」
どんよりとした空気を気の抜けた声でベルはぶち壊した。
そしてその後にベルは、思いっきり殴り倒される。
「ふごぉ。」
情けない悲鳴を上げた後に、上を見るとB.Kがいた。
顔を真っ赤にしてプルプルと震えている。
「んだよ、そんな顔して。
そうだ。俺のコートとメガネ様返してくれない?」
「面倒ばかりかけやて、お前って奴は。」
声を絞り出すようにしているB.Kの肩を後ろからポンとアンナは手を置いた。
「積もる話もありますが、後でゆっくりしたしましょう。
研究所の散策よりも先にベル様の身体検査と…」
「エースとやらの言ってた、ニース様の呪いってやつか。
あれから消息は分からなかったが…生きていたか。」
アンナの言葉に続くようにアイクは顎に手を当ててそう言った。
「ぁあ、忘れてた。
あの人はアイク殿と分かれた後にお会いしましたよ。」
カナは、ポンと両手を叩いた後に続けて説明を始めた。
あのヨボヨボの獣でさえ、規格外だとおもってたのに。」
「あいつを止められるのは、マジモードのジーさんでもキツイかもな。」
焦るノラのメンバーを他所に、エースは振り回していたキーウエポンを無造作に捨てる。
そして、腕を組んで口を開いた。
「…お前さんらサ…。
俺を見て、人間側が勝てると思ってんノ?
断言してやル。
今のままじゃ、負けるぞ人間。
たとえ…ニースの呪いが解けて前線から復帰できても、ドーベルマンと化したソッチの仲間が返り咲いたとしてもナ。」
ニースの呪い?
そんな事を全員が考えていると聞き慣れた声が聞こえた。
「…おいおい、随分とヨユーじゃねーの。
変声のコスプレワンワン。」
声が聞こえたと思ったら、エースの前に空間の歪みが生まれた。
“技の1段 ローエン”
炎の槍による突進がエースを襲ったが、エースはとっさに槍を握って止める。
攻撃の正体は、コートを羽織ってない私服のベルだった。
「おいおい、ドーベルマンの呪いって解けるもんなのカ?」
「おう、簡単だったさ。
獣人化の因子を俺たちに埋め込んでたのは、獣人の人格を埋め込むのに耐えれる体を作るだけだっただけの話みたいだったのよ。
だったら、精神だけの話なら…同じことをやり直せばいいんじゃないってやってみたらさ…案外成功するのな。
調子がいい時にサラサラ試せてよかったよかった。」
“技の0段”
後ろから、援護するようにB.Kは狙撃するがエースはスッ…っとベルを盾にするように移動した。
「貫けー!」
「おいおいマジかよB.K。」
ベルごと撃ち抜く気満々のB.Kの声に呆れながらもベルは暴食の力でB.Kの攻撃を防ぐとキーウエポンの炎の出力を上げた。
「んだよ、傲慢までパクってきたのかヨ。
あっちぃーなァー。」
エースは、ヤレヤレと言った様子でベルのキーウエポンを離して距離をとる。
「お前が、夜な夜なコソコソとしていたのは知ってたが…まさか復活したとはねェ。
その様子だと、他のドーベルマン達はノータッチカ?」
エースは、そういいながらからかかってきたエグザスの攻撃を避けると両手でエグザスを掴みまるで柔道のような感じで投げ飛ばした。
エースは、チラリと向かってこないカナを見るとアトロが必死になってカナを抑えている。
「バッカ、怪我人は大人しくしておけ足手纏いになるぞ。」
「いいえ、怪我は完治してるので怪我人ではありません!」
二人はそう言い争いながら、わちゃわちゃしていた。
「まぁ…カナが無茶しすぎるとじーさんが五月蝿いしな。
じーさんも帰った事だし俺も帰るとするか。」
“エックス”
それだけを告げると、エースも空間の歪みをつくりその場から消えていった。
「っはぁー!!
びびったぁ。」
アトロは、完全にエースの姿が消えると力強くそう言いながら膝から崩れ落ちる。
それをみたカナは、アトロに肩を貸す。
「情けないですね、アトロ殿。」
「…アトロでいいよ、一々殿なんて呼ばなくていいわ。
お前さん達は、アレの恐ろしさを知らんから言えんだよ。
獣人も一枚岩ではないんだ。
昔…暴動を起こした人口半分の獣人達を一人で止めた奴だ。
お前さんらは、自分のもつ全ての武器を使って同じことが、できるのか?
俺はそれで己の限界を知ったよ。」
ノラは、全員静かになった。
それが事実なら、今の攻防なんてエースにとっては子供との戯れ合いとあまり変わらない。
「んな、考えたってしょうがないだろうに。
やれると事をやるだけよ。」
どんよりとした空気を気の抜けた声でベルはぶち壊した。
そしてその後にベルは、思いっきり殴り倒される。
「ふごぉ。」
情けない悲鳴を上げた後に、上を見るとB.Kがいた。
顔を真っ赤にしてプルプルと震えている。
「んだよ、そんな顔して。
そうだ。俺のコートとメガネ様返してくれない?」
「面倒ばかりかけやて、お前って奴は。」
声を絞り出すようにしているB.Kの肩を後ろからポンとアンナは手を置いた。
「積もる話もありますが、後でゆっくりしたしましょう。
研究所の散策よりも先にベル様の身体検査と…」
「エースとやらの言ってた、ニース様の呪いってやつか。
あれから消息は分からなかったが…生きていたか。」
アンナの言葉に続くようにアイクは顎に手を当ててそう言った。
「ぁあ、忘れてた。
あの人はアイク殿と分かれた後にお会いしましたよ。」
カナは、ポンと両手を叩いた後に続けて説明を始めた。
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