214 / 253
第十四話
第14話 28
しおりを挟む
転移した場所は、シオのすぐ側だった。
「ジュリ姉ぇ!」
シオは、直ぐにジュリの側まで移動する。
そして、ニースはゆっくりと床にアリエスを寝かせた。
「丸投げにする形になるが、アリエス君の看護を頼む。
私は引き続き、前線に立つ。」
ニースは、そう言うとノッシノッシと外に向かって雄々しく向かっていく。
大概の物語の王は、頭は良いが病弱で最深部で王座に座って指揮を執る者が多いが…ニースはどちらかと言ったら、物語で言う国1番の兵士の方がしっくりきそうだ。
ジュリは、心中でそう思いながら苦笑いを浮かべる。
「そういえば、転移で襲撃とかはされないの?」
「あー。
それは、王様の他にベルがいるから大丈夫。
生意気にもベルも傲慢の適合者の一人らしくてさー忌々しくも6つの全ての能力も行使できるんだってー。
転移もお手の物だから、直ぐに補足できるんだってー。」
シオは、何処か納得がいかないような表情で頬を膨らませている。
幼馴染の長所が増えたのを素直に喜べないのか…。
この2人のやり取りを見ると、さっきまでのハラハラが嘘のように無くなっていた。
「シオ…。
前線で頑張ってる俺にかける言葉がこれか。」
流石に疲労が溜まっていたベルは、カナとエグザスが戦闘に参加すると入れ替わるように砦の内部で休憩をする為に戻ってきていた。
「慣れない事は、無理やりするもんでもないな。
疲れたー。」
両肩にキーウエポンをかけて、ゆっくりとジュリたちの所に向かった。
ジュリは、一瞬だけ眉を歪ませた後に軽く自分の両頬を叩く。
ベルに話しかけようとした瞬間に砦の天上を破壊しながら何かが降ってきた。
ベルは、キーウエポンを起動させて二人の盾になるように立つ。
落ちてきた者の正体は、埃まみれになった白いスーツと白いコートを見に纏った灰色の毛をした獣だった。
体を震わせて、痛みを堪えている様をみると誰かに襲撃されたのだろか。
「さっきホープを習得したペーペーが調子に乗らないの。
ほら、一緒に片付けるよ。」
ジュリは、盾になるように立つベルをズラすように軽く押しながら移動してキーウエポンを起動させる。
「あ、私もいくよジュリ姉ぇ。」
「ありがとうシーちゃん、
シーちゃんは、後ろでサポートをお願い。」
そんなやりとりをしてると獣はスクッと立ち上がっり、辺りを見回して辺りをキョロキョロとすると状況を判断したようで左手の平に右拳の下をポンと叩く。
「ここは…なるほど、敵の拠点の一つですカ。」
「随分と余裕じゃないの、ワンワン!」
“技の1段”
“技の1段 ローエン”
ベルは、炎の刃を飛ばした後にキーウエポンに炎を纏わせて槍にして獣に向かっていく。
獣は、左手の袖から軍用ナイフを出すとそれで炎の刃を切り裂いた後に向かってくるベルをそのナイフで受け止めた。
「おや、君は…ぁあ大きくなりましたネ。
あれ…そしたら…さっきのは人違いですカ。」
「何をブツブツと言ってんだよ。
俺の知り合いに毛むくじゃらはいねーっつーの。」
ベルは直ぐにバックステップを踏んで距離をあけて身構える。
獣はそんなのを気にした様子もなく左手を腰の後ろに右手を胸に当てて軽く会釈をした。
「まぁ、幼い頃の話だし怪我もされていて記憶が混濁していても無理はないでしょウ。
私の名は〝キラー〟、その昔貴方と戦った獣人の一人でございまス。
あの日、大怪我をおって力を失ったとお聞きしましたが…回復されて今この場にいる事を心から祝福いたしまス。」
「ジュリ姉ぇ!」
シオは、直ぐにジュリの側まで移動する。
そして、ニースはゆっくりと床にアリエスを寝かせた。
「丸投げにする形になるが、アリエス君の看護を頼む。
私は引き続き、前線に立つ。」
ニースは、そう言うとノッシノッシと外に向かって雄々しく向かっていく。
大概の物語の王は、頭は良いが病弱で最深部で王座に座って指揮を執る者が多いが…ニースはどちらかと言ったら、物語で言う国1番の兵士の方がしっくりきそうだ。
ジュリは、心中でそう思いながら苦笑いを浮かべる。
「そういえば、転移で襲撃とかはされないの?」
「あー。
それは、王様の他にベルがいるから大丈夫。
生意気にもベルも傲慢の適合者の一人らしくてさー忌々しくも6つの全ての能力も行使できるんだってー。
転移もお手の物だから、直ぐに補足できるんだってー。」
シオは、何処か納得がいかないような表情で頬を膨らませている。
幼馴染の長所が増えたのを素直に喜べないのか…。
この2人のやり取りを見ると、さっきまでのハラハラが嘘のように無くなっていた。
「シオ…。
前線で頑張ってる俺にかける言葉がこれか。」
流石に疲労が溜まっていたベルは、カナとエグザスが戦闘に参加すると入れ替わるように砦の内部で休憩をする為に戻ってきていた。
「慣れない事は、無理やりするもんでもないな。
疲れたー。」
両肩にキーウエポンをかけて、ゆっくりとジュリたちの所に向かった。
ジュリは、一瞬だけ眉を歪ませた後に軽く自分の両頬を叩く。
ベルに話しかけようとした瞬間に砦の天上を破壊しながら何かが降ってきた。
ベルは、キーウエポンを起動させて二人の盾になるように立つ。
落ちてきた者の正体は、埃まみれになった白いスーツと白いコートを見に纏った灰色の毛をした獣だった。
体を震わせて、痛みを堪えている様をみると誰かに襲撃されたのだろか。
「さっきホープを習得したペーペーが調子に乗らないの。
ほら、一緒に片付けるよ。」
ジュリは、盾になるように立つベルをズラすように軽く押しながら移動してキーウエポンを起動させる。
「あ、私もいくよジュリ姉ぇ。」
「ありがとうシーちゃん、
シーちゃんは、後ろでサポートをお願い。」
そんなやりとりをしてると獣はスクッと立ち上がっり、辺りを見回して辺りをキョロキョロとすると状況を判断したようで左手の平に右拳の下をポンと叩く。
「ここは…なるほど、敵の拠点の一つですカ。」
「随分と余裕じゃないの、ワンワン!」
“技の1段”
“技の1段 ローエン”
ベルは、炎の刃を飛ばした後にキーウエポンに炎を纏わせて槍にして獣に向かっていく。
獣は、左手の袖から軍用ナイフを出すとそれで炎の刃を切り裂いた後に向かってくるベルをそのナイフで受け止めた。
「おや、君は…ぁあ大きくなりましたネ。
あれ…そしたら…さっきのは人違いですカ。」
「何をブツブツと言ってんだよ。
俺の知り合いに毛むくじゃらはいねーっつーの。」
ベルは直ぐにバックステップを踏んで距離をあけて身構える。
獣はそんなのを気にした様子もなく左手を腰の後ろに右手を胸に当てて軽く会釈をした。
「まぁ、幼い頃の話だし怪我もされていて記憶が混濁していても無理はないでしょウ。
私の名は〝キラー〟、その昔貴方と戦った獣人の一人でございまス。
あの日、大怪我をおって力を失ったとお聞きしましたが…回復されて今この場にいる事を心から祝福いたしまス。」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
男女比1/100の世界で《悪男》は大海を知る
イコ
ファンタジー
男女貞操逆転世界を舞台にして。
《悪男》としてのレッテルを貼られたマクシム・ブラックウッド。
彼は己が運命を嘆きながら、処刑されてしまう。
だが、彼が次に目覚めた時。
そこは十三歳の自分だった。
処刑されたことで、自分の行いを悔い改めて、人生をやり直す。
これは、本物の《悪男》として生きる決意をして女性が多い世界で生きる男の話である。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
譚音アルン
ファンタジー
ブラック企業に勤めてたのがいつの間にか死んでたっぽい。気がつくと異世界の伯爵令嬢(第五子で三女)に転生していた。前世働き過ぎだったから今世はニートになろう、そう決めた私ことマリアージュ・キャンディの奮闘記。
※この小説はフィクションです。実在の国や人物、団体などとは関係ありません。
※2020-01-16より執筆開始。
どうぞ二人の愛を貫いてください。悪役令嬢の私は一抜けしますね。
kana
恋愛
私の目の前でブルブルと震えている、愛らく庇護欲をそそる令嬢の名前を呼んだ瞬間、頭の中でパチパチと火花が散ったかと思えば、突然前世の記憶が流れ込んできた。
前世で読んだ小説の登場人物に転生しちゃっていることに気付いたメイジェーン。
やばい!やばい!やばい!
確かに私の婚約者である王太子と親しすぎる男爵令嬢に物申したところで問題にはならないだろう。
だが!小説の中で悪役令嬢である私はここのままで行くと断罪されてしまう。
前世の記憶を思い出したことで冷静になると、私の努力も認めない、見向きもしない、笑顔も見せない、そして不貞を犯す⋯⋯そんな婚約者なら要らないよね!
うんうん!
要らない!要らない!
さっさと婚約解消して2人を応援するよ!
だから私に遠慮なく愛を貫いてくださいね。
※気を付けているのですが誤字脱字が多いです。長い目で見守ってください。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
聖女なので公爵子息と結婚しました。でも彼には好きな人がいるそうです。
MIRICO
恋愛
癒しの力を持つ聖女、エヴリーヌ。彼女は聖女の嫁ぎ制度により、公爵子息であるカリス・ヴォルテールに嫁ぐことになった。しかしカリスは、ブラシェーロ公爵子息に嫁ぐ聖女、アティを愛していたのだ。
カリスはエヴリーヌに二年後の離婚を願う。王の命令で結婚することになったが、愛する人がいるためエヴリーヌを幸せにできないからだ。
勝手に決められた結婚なのに、二年で離婚!?
アティを愛していても、他の公爵子息の妻となったアティと結婚するわけにもいかない。離婚した後は独身のまま、後継者も親戚の子に渡すことを辞さない。そんなカリスの切実な純情の前に、エヴリーヌは二年後の離婚を承諾した。
なんてやつ。そうは思ったけれど、カリスは心優しく、二年後の離婚が決まってもエヴリーヌを蔑ろにしない、誠実な男だった。
やめて、優しくしないで。私が好きになっちゃうから!!
ブックマーク・いいね・ご感想等、ありがとうございます。誤字もお知らせくださりありがとうございます。修正します。ご感想お返事ネタバレになりそうなので控えさせていただきます。
当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!
犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。
そして夢をみた。
日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。
その顔を見て目が覚めた。
なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。
数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる