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第十四話
第14話 7
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「おいおい、筋肉式スイッチOFFとか効果があるのか?」
ベルの意に反するように、破壊された機材はバチバチと音を鳴らして光と効果を失っていった。
「…この手に限る。」
「嘘でしょ?」
表情は、見えないものの満足そうにそう呟くラグエルにベルは呆れ顔で言った。
機材が破壊されたのを確認すると、サヤはキーウエポンを起動させる。
“体”
サヤの体に赤い雷が流れていく。
どうやらホープは、使えるようになったみたいだ。
「問題なさそうですね。
俺は、先生を探しますが…サヤさんはどうされます?」
「能力封じが解除されたのならアリスは大丈夫だと思うから…サヤさん達は街の方は行ってみようかな。」
サヤの話を聞いたラグエルは、ご武運をと言った後に走って部屋を出て行く。
残った三人は、サヤの提案通りに街の方に向かった。
街に出てみると、酷い状況だった。
獣人に捕縛されて、固められた人達と…血まみれになって息絶えている人やバラバラに斬り刻まれた人がいる。
「…っ!!」
シオは、直ぐに向かおうとしたがサヤに止められる。
結局、今助けても保護できる場所がないから先に獣の指揮官を潰すのが一番だと。
「…ニース様の屋敷に向かいましょう。
ダーリンには、サヤさんから信号を入れておいたから…増援は期待できる。
ダーリンは、仕事でジュリと二番街に向かっているから…間違いなく無事。
コーダとグレーズは、知らないけど…あの2人なら大丈夫でしょ?」
サヤの指示に従い三人は、ニースの屋敷に向かった。
ニースの屋敷は既に獣に襲撃されており奥の方で煙がモクモクと立っていた。
警備の人間と獣の亡骸が屋敷の入り口にひろがっている。
「もしかして…。」
嫌な予感が三人の頭をよぎり、急いで走って屋敷のエントランスに向かう。
しかし予感に反して屋敷に進むにつれ獣の死体が増えていく。
エントランスに到着すると、ニースが獣人と戦っていた。
「っちィ!
厄介な奴メ!!」
「国王が脆弱な時代は、いつも豊かな時代だけだ。
いつの時代も国王が弱いなどと思っているから…痛い目をみる。
私からの手向け代わりの言葉だ、あの世で是非役に立てて欲しい。」
ニースは、軽量型の鎧を全身に着ていて武器は持ち手が杖のように長い斧、杖斧〔ロットアックス〕を握っている。
白のように輝く銀色の杖斧は、返り血がつくのを許さないように付着するすべての血液を弾いていた。
「ほら、君で最後だ。」
“スウェイ・ハイ”
ニースは、杖斧をグルンと回して斧の部分に高圧の水を集めてそれを獣に向かって叩きつけた。
獣は、攻撃をなんとか受け止めたが水の追撃で圧殺されてしまう。
額に軽く流れた汗を拭うと、サヤ達の方を向く。
「…なんだ、遅かったではないか。
サヤ君、シオ君、ベル君。」
堂々とした風格のある声で、ニースはサヤ達の名前を呼んだ。
鮮やかな茶色の短髪、鋭い目つきをしているのだが瞳は透き通った青色、程よくついた筋肉の男だ。
この前即位したばかりで歳は30代位。
高貴な雰囲気は、勿論あるのだが…体つきとハキハキとした話し方をみると大人しく本とかを読むタイプではなさそうだ。
ベルの意に反するように、破壊された機材はバチバチと音を鳴らして光と効果を失っていった。
「…この手に限る。」
「嘘でしょ?」
表情は、見えないものの満足そうにそう呟くラグエルにベルは呆れ顔で言った。
機材が破壊されたのを確認すると、サヤはキーウエポンを起動させる。
“体”
サヤの体に赤い雷が流れていく。
どうやらホープは、使えるようになったみたいだ。
「問題なさそうですね。
俺は、先生を探しますが…サヤさんはどうされます?」
「能力封じが解除されたのならアリスは大丈夫だと思うから…サヤさん達は街の方は行ってみようかな。」
サヤの話を聞いたラグエルは、ご武運をと言った後に走って部屋を出て行く。
残った三人は、サヤの提案通りに街の方に向かった。
街に出てみると、酷い状況だった。
獣人に捕縛されて、固められた人達と…血まみれになって息絶えている人やバラバラに斬り刻まれた人がいる。
「…っ!!」
シオは、直ぐに向かおうとしたがサヤに止められる。
結局、今助けても保護できる場所がないから先に獣の指揮官を潰すのが一番だと。
「…ニース様の屋敷に向かいましょう。
ダーリンには、サヤさんから信号を入れておいたから…増援は期待できる。
ダーリンは、仕事でジュリと二番街に向かっているから…間違いなく無事。
コーダとグレーズは、知らないけど…あの2人なら大丈夫でしょ?」
サヤの指示に従い三人は、ニースの屋敷に向かった。
ニースの屋敷は既に獣に襲撃されており奥の方で煙がモクモクと立っていた。
警備の人間と獣の亡骸が屋敷の入り口にひろがっている。
「もしかして…。」
嫌な予感が三人の頭をよぎり、急いで走って屋敷のエントランスに向かう。
しかし予感に反して屋敷に進むにつれ獣の死体が増えていく。
エントランスに到着すると、ニースが獣人と戦っていた。
「っちィ!
厄介な奴メ!!」
「国王が脆弱な時代は、いつも豊かな時代だけだ。
いつの時代も国王が弱いなどと思っているから…痛い目をみる。
私からの手向け代わりの言葉だ、あの世で是非役に立てて欲しい。」
ニースは、軽量型の鎧を全身に着ていて武器は持ち手が杖のように長い斧、杖斧〔ロットアックス〕を握っている。
白のように輝く銀色の杖斧は、返り血がつくのを許さないように付着するすべての血液を弾いていた。
「ほら、君で最後だ。」
“スウェイ・ハイ”
ニースは、杖斧をグルンと回して斧の部分に高圧の水を集めてそれを獣に向かって叩きつけた。
獣は、攻撃をなんとか受け止めたが水の追撃で圧殺されてしまう。
額に軽く流れた汗を拭うと、サヤ達の方を向く。
「…なんだ、遅かったではないか。
サヤ君、シオ君、ベル君。」
堂々とした風格のある声で、ニースはサヤ達の名前を呼んだ。
鮮やかな茶色の短髪、鋭い目つきをしているのだが瞳は透き通った青色、程よくついた筋肉の男だ。
この前即位したばかりで歳は30代位。
高貴な雰囲気は、勿論あるのだが…体つきとハキハキとした話し方をみると大人しく本とかを読むタイプではなさそうだ。
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