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第十三話
第13話 32
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空間が元に戻ると、バラバラになったゲートが地面に落ちていく。
「我ながら残酷なものをつくったよ…。」
ナツはゲートの残骸を愛おしそうに眺めて少しだけ拾う。
まるで子を失った親のような表情で。
「…そんな表情や感情を出せるんだ。
まだ、やり直せるだろうに。
諦めるには、まだ早いんじゃないの?」
ベルはキーウエポンを支えにしてゆっくりと立ち上がる。
ホープによる肉体強化がない生身の為に苦しそうに冷や汗をかいていたが、ヘラヘラとした笑みは崩さなかった。
「そんなの…勝手な憶測だよ。
だって、僕は…人を殺している。
獣を操って現在進行形でね。」
ナツがチラッと外を見る。
ニースの別荘は、高所の所にあり街を一望できる。
防壁周辺では、戦火が上がり悲鳴も聞こえた。
「悲鳴が途絶えてないなら、救える人間だって残っている。
戦火は大きく広がっていない、人間も争っている証だ。
騎士団やノラ、森羅万象もいる。
簡単にはやられないさ。
絶対に持ち直す。」
ベルはそう言うと、足に力を入れて走り出す。
反射で加速して、引力で補助と補正。
だが、ナツは容赦なくベルの頭を握る。
「…貴様…の、好きには…させん。」
アステラは、ボロボロになりながらも双銃の刃を支えにして立ち上がってナツを睨んでいた。
そんなアステラをナツは、バカにしたような笑みを浮かべる。
「なんだまだ生きてたんだ。
そのまま、倒れていたら助かってたのに。」
「関係ない。
私は…私の責務を果たすだけだ。
貴様は、放棄したが…私たちがやっていた人類の希望を背負うとは、こういう事だ。
犠牲から目を背けない。
息の根を止めた者は、最後まで見とる。
大切なものは…周囲の環境を含めてすべて護る。
それを私は…大切な人達に誓った。」
アステラは、再び走り出した。
だが…。
引力による重力の増加で屈服させられてしまった。
「それは、素晴らしい美談だ。
だけど…僕には関係のない事だ。」
ナツはそう言ってパチパチと拍手した後に、左手に白い雷を集めて手を掲げた。
掲げられた手は、光を放ち周囲をホワイトアウトさせる。
ホワイトアウトしてどれ位が経ったったから知らないが…倒れるベルをシオは揺らすようにして声をかけている。
「ベル!」
「…ベ……ル?
ここは?」
ベルは、ゆっくりと起き上がると目をショバショバさせながら辺りを見回す。
頭の怪我も相まって意識が混濁しているのだらう。
アイクは、ぽりぽりと頭を掻くとベルの頭を撫でる。
「恐らく、ナツのインフィニティ…大罪だったか?
それの後遺症みたいなものだろう。
ベル、俺がわかるか?
落ちついて深呼吸してみろ。」
「ナ…ツ…?
…っ!?
アレから、どうなったの!?」
ベルは、アイクの胸ぐらを掴みながら立ち上がる。
アイクは、苦い表情を浮かべて口を開いた。
「獣人達を使い反乱を起こした罪により…これから死刑に合う。
場所は…ここから、そう離れていない崖のある場所だ。」
「…っくそっ!」
ベルは、そう言うと誰の制止も聞かずに走り出した。
「我ながら残酷なものをつくったよ…。」
ナツはゲートの残骸を愛おしそうに眺めて少しだけ拾う。
まるで子を失った親のような表情で。
「…そんな表情や感情を出せるんだ。
まだ、やり直せるだろうに。
諦めるには、まだ早いんじゃないの?」
ベルはキーウエポンを支えにしてゆっくりと立ち上がる。
ホープによる肉体強化がない生身の為に苦しそうに冷や汗をかいていたが、ヘラヘラとした笑みは崩さなかった。
「そんなの…勝手な憶測だよ。
だって、僕は…人を殺している。
獣を操って現在進行形でね。」
ナツがチラッと外を見る。
ニースの別荘は、高所の所にあり街を一望できる。
防壁周辺では、戦火が上がり悲鳴も聞こえた。
「悲鳴が途絶えてないなら、救える人間だって残っている。
戦火は大きく広がっていない、人間も争っている証だ。
騎士団やノラ、森羅万象もいる。
簡単にはやられないさ。
絶対に持ち直す。」
ベルはそう言うと、足に力を入れて走り出す。
反射で加速して、引力で補助と補正。
だが、ナツは容赦なくベルの頭を握る。
「…貴様…の、好きには…させん。」
アステラは、ボロボロになりながらも双銃の刃を支えにして立ち上がってナツを睨んでいた。
そんなアステラをナツは、バカにしたような笑みを浮かべる。
「なんだまだ生きてたんだ。
そのまま、倒れていたら助かってたのに。」
「関係ない。
私は…私の責務を果たすだけだ。
貴様は、放棄したが…私たちがやっていた人類の希望を背負うとは、こういう事だ。
犠牲から目を背けない。
息の根を止めた者は、最後まで見とる。
大切なものは…周囲の環境を含めてすべて護る。
それを私は…大切な人達に誓った。」
アステラは、再び走り出した。
だが…。
引力による重力の増加で屈服させられてしまった。
「それは、素晴らしい美談だ。
だけど…僕には関係のない事だ。」
ナツはそう言ってパチパチと拍手した後に、左手に白い雷を集めて手を掲げた。
掲げられた手は、光を放ち周囲をホワイトアウトさせる。
ホワイトアウトしてどれ位が経ったったから知らないが…倒れるベルをシオは揺らすようにして声をかけている。
「ベル!」
「…ベ……ル?
ここは?」
ベルは、ゆっくりと起き上がると目をショバショバさせながら辺りを見回す。
頭の怪我も相まって意識が混濁しているのだらう。
アイクは、ぽりぽりと頭を掻くとベルの頭を撫でる。
「恐らく、ナツのインフィニティ…大罪だったか?
それの後遺症みたいなものだろう。
ベル、俺がわかるか?
落ちついて深呼吸してみろ。」
「ナ…ツ…?
…っ!?
アレから、どうなったの!?」
ベルは、アイクの胸ぐらを掴みながら立ち上がる。
アイクは、苦い表情を浮かべて口を開いた。
「獣人達を使い反乱を起こした罪により…これから死刑に合う。
場所は…ここから、そう離れていない崖のある場所だ。」
「…っくそっ!」
ベルは、そう言うと誰の制止も聞かずに走り出した。
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