185 / 253
第十三話
第13話 32
しおりを挟む
空間が元に戻ると、バラバラになったゲートが地面に落ちていく。
「我ながら残酷なものをつくったよ…。」
ナツはゲートの残骸を愛おしそうに眺めて少しだけ拾う。
まるで子を失った親のような表情で。
「…そんな表情や感情を出せるんだ。
まだ、やり直せるだろうに。
諦めるには、まだ早いんじゃないの?」
ベルはキーウエポンを支えにしてゆっくりと立ち上がる。
ホープによる肉体強化がない生身の為に苦しそうに冷や汗をかいていたが、ヘラヘラとした笑みは崩さなかった。
「そんなの…勝手な憶測だよ。
だって、僕は…人を殺している。
獣を操って現在進行形でね。」
ナツがチラッと外を見る。
ニースの別荘は、高所の所にあり街を一望できる。
防壁周辺では、戦火が上がり悲鳴も聞こえた。
「悲鳴が途絶えてないなら、救える人間だって残っている。
戦火は大きく広がっていない、人間も争っている証だ。
騎士団やノラ、森羅万象もいる。
簡単にはやられないさ。
絶対に持ち直す。」
ベルはそう言うと、足に力を入れて走り出す。
反射で加速して、引力で補助と補正。
だが、ナツは容赦なくベルの頭を握る。
「…貴様…の、好きには…させん。」
アステラは、ボロボロになりながらも双銃の刃を支えにして立ち上がってナツを睨んでいた。
そんなアステラをナツは、バカにしたような笑みを浮かべる。
「なんだまだ生きてたんだ。
そのまま、倒れていたら助かってたのに。」
「関係ない。
私は…私の責務を果たすだけだ。
貴様は、放棄したが…私たちがやっていた人類の希望を背負うとは、こういう事だ。
犠牲から目を背けない。
息の根を止めた者は、最後まで見とる。
大切なものは…周囲の環境を含めてすべて護る。
それを私は…大切な人達に誓った。」
アステラは、再び走り出した。
だが…。
引力による重力の増加で屈服させられてしまった。
「それは、素晴らしい美談だ。
だけど…僕には関係のない事だ。」
ナツはそう言ってパチパチと拍手した後に、左手に白い雷を集めて手を掲げた。
掲げられた手は、光を放ち周囲をホワイトアウトさせる。
ホワイトアウトしてどれ位が経ったったから知らないが…倒れるベルをシオは揺らすようにして声をかけている。
「ベル!」
「…ベ……ル?
ここは?」
ベルは、ゆっくりと起き上がると目をショバショバさせながら辺りを見回す。
頭の怪我も相まって意識が混濁しているのだらう。
アイクは、ぽりぽりと頭を掻くとベルの頭を撫でる。
「恐らく、ナツのインフィニティ…大罪だったか?
それの後遺症みたいなものだろう。
ベル、俺がわかるか?
落ちついて深呼吸してみろ。」
「ナ…ツ…?
…っ!?
アレから、どうなったの!?」
ベルは、アイクの胸ぐらを掴みながら立ち上がる。
アイクは、苦い表情を浮かべて口を開いた。
「獣人達を使い反乱を起こした罪により…これから死刑に合う。
場所は…ここから、そう離れていない崖のある場所だ。」
「…っくそっ!」
ベルは、そう言うと誰の制止も聞かずに走り出した。
「我ながら残酷なものをつくったよ…。」
ナツはゲートの残骸を愛おしそうに眺めて少しだけ拾う。
まるで子を失った親のような表情で。
「…そんな表情や感情を出せるんだ。
まだ、やり直せるだろうに。
諦めるには、まだ早いんじゃないの?」
ベルはキーウエポンを支えにしてゆっくりと立ち上がる。
ホープによる肉体強化がない生身の為に苦しそうに冷や汗をかいていたが、ヘラヘラとした笑みは崩さなかった。
「そんなの…勝手な憶測だよ。
だって、僕は…人を殺している。
獣を操って現在進行形でね。」
ナツがチラッと外を見る。
ニースの別荘は、高所の所にあり街を一望できる。
防壁周辺では、戦火が上がり悲鳴も聞こえた。
「悲鳴が途絶えてないなら、救える人間だって残っている。
戦火は大きく広がっていない、人間も争っている証だ。
騎士団やノラ、森羅万象もいる。
簡単にはやられないさ。
絶対に持ち直す。」
ベルはそう言うと、足に力を入れて走り出す。
反射で加速して、引力で補助と補正。
だが、ナツは容赦なくベルの頭を握る。
「…貴様…の、好きには…させん。」
アステラは、ボロボロになりながらも双銃の刃を支えにして立ち上がってナツを睨んでいた。
そんなアステラをナツは、バカにしたような笑みを浮かべる。
「なんだまだ生きてたんだ。
そのまま、倒れていたら助かってたのに。」
「関係ない。
私は…私の責務を果たすだけだ。
貴様は、放棄したが…私たちがやっていた人類の希望を背負うとは、こういう事だ。
犠牲から目を背けない。
息の根を止めた者は、最後まで見とる。
大切なものは…周囲の環境を含めてすべて護る。
それを私は…大切な人達に誓った。」
アステラは、再び走り出した。
だが…。
引力による重力の増加で屈服させられてしまった。
「それは、素晴らしい美談だ。
だけど…僕には関係のない事だ。」
ナツはそう言ってパチパチと拍手した後に、左手に白い雷を集めて手を掲げた。
掲げられた手は、光を放ち周囲をホワイトアウトさせる。
ホワイトアウトしてどれ位が経ったったから知らないが…倒れるベルをシオは揺らすようにして声をかけている。
「ベル!」
「…ベ……ル?
ここは?」
ベルは、ゆっくりと起き上がると目をショバショバさせながら辺りを見回す。
頭の怪我も相まって意識が混濁しているのだらう。
アイクは、ぽりぽりと頭を掻くとベルの頭を撫でる。
「恐らく、ナツのインフィニティ…大罪だったか?
それの後遺症みたいなものだろう。
ベル、俺がわかるか?
落ちついて深呼吸してみろ。」
「ナ…ツ…?
…っ!?
アレから、どうなったの!?」
ベルは、アイクの胸ぐらを掴みながら立ち上がる。
アイクは、苦い表情を浮かべて口を開いた。
「獣人達を使い反乱を起こした罪により…これから死刑に合う。
場所は…ここから、そう離れていない崖のある場所だ。」
「…っくそっ!」
ベルは、そう言うと誰の制止も聞かずに走り出した。
0
あなたにおすすめの小説
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる