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第十三話
第13話 20
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「さて、君…1人だよ?」
ナツは最後の1人を拘束すると、騎士団長を見る。
騎士団長は睨むようにしてナツを見ていた。
「っちぃ!」
「まぁ、僕も時間をかけたくないから…直ぐにでも終わらせようか。」
ナツは蜘蛛の糸のような細かい雷の網をドーム型に広げていく。
威力などはない。
ただ、能力の無効化をするだけ。
騎士団長も雷の幕をナツの白い雷に当てて対抗しようとしたがあっけなく無力化。
そして、反射の力で吹き飛ばされてしまった。
「お前が侵入者カ?」
ズンっと地面を割りながら着地する者がいた。
小柄なチーターのような風貌をした…獣人だ。
震えるような威圧を放ちながら、獣人はナツを睨む。
「こんな所に獣?
でも何か様子が違うな…姿も犬ではない。
あぁ、もしかして完成しちゃったのかな?
武器を作るのではなく、人体そのものを改造するのを。
確か、神話継承と…獣人化だっけ?」
「そうだナ、俺は獣人化ダ。
これもまだ、完全とはいないけど…それでも後はちょっとした微調整だケ。」
獣人は、そう言うと勢いよく走り出し右手の鋭利な爪を振り下ろした。
だが、ナツの持つ反射の壁で弾かれる。
弾かれて吹き飛んだ獣人は、くるりと空中で受け身をとって着地した。
「怠惰の力がある以上、何の策も無しに向かって言っても無駄だよ。」
「無策?
研究所の猿共は、“これ”をくれたゾ。」
獣人の首には、暴食のチェーンがあった。
獣人は、再び走りだす。
ナツは背筋がゾッとする感覚に襲われた。
咄嗟にバックステップを踏んで獣人の攻撃を避けた。
「どうしタ?
無策で突っ込んでいたんだガ?」
「無策?
冗談はよしてくれ。
君は、暴食を使って反射の壁を消滅させているだろ?
何事も理解だ。
反射を壁のようなものと理解すれば暴食でも対処は可能。
君…厄介だよ!」
ナツは、足元にある石を獣人に向かって蹴る。
反射と引力の力で威力は最大でまるで銃弾のように飛んでいった。
獣人は、脳天を目掛けてくる石を右手で遮って防いだ。
「なるほど、あくまで目標に向かって直進するだけカ。
転移みたいにその場まで移動する訳じゃないから対処が楽で助かル。」
血が流れ始めた右手でグシャリと石を握り砕くと再度、獣人は走り出した。
獣人は壁を蹴り、地面を蹴り。
立体的な動きでナツに近づく。
そして、ナツに右手の爪を振り下ろした。
「まぁ、確かに身体能力は驚異的だけど…それまでだね。」
ナツはそう言うと、右手に石を集めて引力の力を使い押し固めて一本の槍を作った。
それで岩を簡単に砕いていた獣人の攻撃を防ぐ。
『なっ!?』
「不思議な話ではないだろ?
僕の力は反射や引力だけではないのだから。
さっき、蹴った石に流していたんだよ。
…色欲の力を。
君の暴食は封じた。
後は…忌々しい獣人化を解けばいい。」
ナツはそう言うと、直ぐに獣人の後ろに転移して後ろから頭を掴む。
掴むと同時に白色の雷を流す。
「時間操作の強欲。
強欲はいくらあっても飽き足りぬ。
全てを欲しがった結果、時間までも欲してしまった。
それが、その名の由縁!」
ナツはそれだけを言うと、バチバチと獣人に雷を流して姿を変えていく。
雷が激しくなるにつれて、獣人が徐々に人の姿になっていった。
完全に元に戻ると、自分と同じ位の歳の男が倒れていた。
変身を無理矢理解除したせいか、意識はない。
ナツは最後の1人を拘束すると、騎士団長を見る。
騎士団長は睨むようにしてナツを見ていた。
「っちぃ!」
「まぁ、僕も時間をかけたくないから…直ぐにでも終わらせようか。」
ナツは蜘蛛の糸のような細かい雷の網をドーム型に広げていく。
威力などはない。
ただ、能力の無効化をするだけ。
騎士団長も雷の幕をナツの白い雷に当てて対抗しようとしたがあっけなく無力化。
そして、反射の力で吹き飛ばされてしまった。
「お前が侵入者カ?」
ズンっと地面を割りながら着地する者がいた。
小柄なチーターのような風貌をした…獣人だ。
震えるような威圧を放ちながら、獣人はナツを睨む。
「こんな所に獣?
でも何か様子が違うな…姿も犬ではない。
あぁ、もしかして完成しちゃったのかな?
武器を作るのではなく、人体そのものを改造するのを。
確か、神話継承と…獣人化だっけ?」
「そうだナ、俺は獣人化ダ。
これもまだ、完全とはいないけど…それでも後はちょっとした微調整だケ。」
獣人は、そう言うと勢いよく走り出し右手の鋭利な爪を振り下ろした。
だが、ナツの持つ反射の壁で弾かれる。
弾かれて吹き飛んだ獣人は、くるりと空中で受け身をとって着地した。
「怠惰の力がある以上、何の策も無しに向かって言っても無駄だよ。」
「無策?
研究所の猿共は、“これ”をくれたゾ。」
獣人の首には、暴食のチェーンがあった。
獣人は、再び走りだす。
ナツは背筋がゾッとする感覚に襲われた。
咄嗟にバックステップを踏んで獣人の攻撃を避けた。
「どうしタ?
無策で突っ込んでいたんだガ?」
「無策?
冗談はよしてくれ。
君は、暴食を使って反射の壁を消滅させているだろ?
何事も理解だ。
反射を壁のようなものと理解すれば暴食でも対処は可能。
君…厄介だよ!」
ナツは、足元にある石を獣人に向かって蹴る。
反射と引力の力で威力は最大でまるで銃弾のように飛んでいった。
獣人は、脳天を目掛けてくる石を右手で遮って防いだ。
「なるほど、あくまで目標に向かって直進するだけカ。
転移みたいにその場まで移動する訳じゃないから対処が楽で助かル。」
血が流れ始めた右手でグシャリと石を握り砕くと再度、獣人は走り出した。
獣人は壁を蹴り、地面を蹴り。
立体的な動きでナツに近づく。
そして、ナツに右手の爪を振り下ろした。
「まぁ、確かに身体能力は驚異的だけど…それまでだね。」
ナツはそう言うと、右手に石を集めて引力の力を使い押し固めて一本の槍を作った。
それで岩を簡単に砕いていた獣人の攻撃を防ぐ。
『なっ!?』
「不思議な話ではないだろ?
僕の力は反射や引力だけではないのだから。
さっき、蹴った石に流していたんだよ。
…色欲の力を。
君の暴食は封じた。
後は…忌々しい獣人化を解けばいい。」
ナツはそう言うと、直ぐに獣人の後ろに転移して後ろから頭を掴む。
掴むと同時に白色の雷を流す。
「時間操作の強欲。
強欲はいくらあっても飽き足りぬ。
全てを欲しがった結果、時間までも欲してしまった。
それが、その名の由縁!」
ナツはそれだけを言うと、バチバチと獣人に雷を流して姿を変えていく。
雷が激しくなるにつれて、獣人が徐々に人の姿になっていった。
完全に元に戻ると、自分と同じ位の歳の男が倒れていた。
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