Nora First Edition

第十二話

第12話 8

ー研究所 SAIDー



アイクは、ノラ最強で昔にベルにいった事を思い出していた。




『ホープとキーウェポンのファーストサンプルは実は別々の人間だ。

知っているとは思うが…キーウェポンは、俺の嫁だ。
俺達が使っているアレとは形状や性質も違うがな。


だが、ホープは俺の嫁じゃない。


これをお前にも話すのは、あいつの家族を殺されて身内と呼べる存在がいないなか、一番古い友人だから教えておく。



ホープのファーストサンプルは、未覚醒だが…覚醒すると間違いなくノラ最強になる。』

『すいませーん。
前置き長すぎで、飽きてきたんで簡潔にお願いしやす。』



アイクは拳骨をベルの頭にご馳走した後にため息をつくとゆっくりと口を開く。
とても言い難いのだろう。



『ホープを使えるようなるのは、ある人間の血液と獣人の持つ血液が絶妙なバランスで化学変化を起こしているからなんだ。


その人間は…。』





アイクは、あの時とは違って開きなおっているのかフッと鼻で笑って誰にも聞こえないような声で口を開く。



「…確かにノラ最強を置いてきたとは言っていたが…俺は“カナ”なんて一言も言っていないぞ。」



帰ったら、全ての説明をすべく頭の中の整理をしたアイクは口を閉じて皆の元に向かって歩き出した。