Nora First Edition

第六話

第6話 8

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


「いやはや、あの武器ってあれだけ揃うとあれだけ火力が上がるのカ。」

「俺がとっさに引っ張って無かったら死んでたよなオッサン。」



枯れたような声をした獣鎧がヤレヤレと言っている横で、ベルの攻撃を無効化した獣鎧がいた。

右手には、ガラクタとも言えるゴツゴツとした槍は握られていない。



「まったく、リハビリとかなしでやらせるとか上も無茶を言うもんダ。」


枯れた声をした獣鎧は、ゆっくりと立ち上がり足元にあるランチャーを握る。
補強されたのか知らないが、乱雑に鉄板が貼られていた。


それが、かなりの距離からの狙撃を可能にしたのだから驚きだ。




「それは俺も同じだヨ。

しかも、あいつに至っては直ぐに前線に立たされたけどナ。」


「あいつっテ？
そーいや、お前...あの槍はどうしタ？」


枯れた声をした獣鎧は、若い獣鎧の右手を突くように指差す。
若い獣鎧は、鼻で笑うと右手をプラプラとさせた。



「本来の持ち主に返しただけだヨ。

とりあえず、キーウェポンの研究施設は敵により破壊された...そういう風に報告するカ。」



若い獣鎧がそう言った後に2匹はその場からゆっくりと離れて行った。