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第9話
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宿に戻り、荷物を置きにテコテコと客室に戻る2人。
途中、夕食会場を通過するのだが…気になるものを見つけた。
赤いハチミツを使った飲み物があるそうだ。
試しに頼んでみよう。
ホクホクしながら、とりあえず客室に戻る。
とりあえず何か飲もう。
冷蔵庫の中にあるサービスの水をミナトは飲む。
オオダも両手でコップを掴んで水をゴクゴクと飲み、水を飲み干した後に切なそうな顔で冷蔵庫にあるお酒達をチラリと眺める。
「…一杯だけ。」
「いいよ、夕飯まで時間もあるし…先に乾杯しよっか。」
ヤッターッと、おもむろに冷蔵庫からビールを2つ取り出してミナトに一つ渡してカシュッとあける。
「かんぱーい!」
「あれ、KPじゃなかったっけ?
もう古いかなぁ?」
若者の流行りなど知らんと言わんばかりに、ビールの缶をぶつけるオオダ。
美味しそうに飲む彼女の周りには、なんだかお花が見えるようだ。
「…そう、若者のお酒は…飲めんのよ。
ウチだって飲みたかったさ、生リンゴのカクテル…。」
「ぁあ、前に職場の人と行ったバーの話?」
一気に老け込んだような表情でフッ…と笑うオオダ。
彼女の話によると…札幌市のススキノ付近に生の果物を使ったオシャレなバーがあるらしく、そこに職場の人に誘われて行ったそうだ。
黒い内装で、おしゃれで小さな席と店のあちこちに綺麗で大きな花が飾られていた薄暗くてアダルティーな店らしく…そんな店に初めて行くオオダはウッキウキで足を運んだ。
しかし、アレルギーのせいで殆どのものが頼めなかったらしい。
薔薇を使ったオシャレなカクテル、果物を使った可愛いカクテル、クラシックなカクテルをその店オリジナル。
それがメニューの一番最初に綺麗にあり、ペラペラと数ページ眺めたらオオダは悲し方な表情でメニュー表を閉じてこう言った。
「ビール…。」
っと。
もしかしたら、メニューをちゃんと見ればあったのかもしれないが…メニューの一番下にアレルギーの物の使用一覧があったらしく結構な記載があった為に諦めたみたい。
「なんだよフラッシュフルーツって…火を通せよぉぉぉお。」
グデーと客室のテーブルによりかかって、そうぼやいたオオダ。
出来上がってるのか、旅行でテンションが上がっているのか定かではないが声の音量はでかい。
そろそろ時間だ。
「ほーれ、ご飯だから行くよー。」
「ぁーい。」
ミナトに両脇を掴まれて引っ張られるオオダ。
まるで抱っこを嫌がる猫のような姿だった。
オオダがミナトより重たいのか、それともミナトの力が弱いのか。
オオダを持ち上げるミナトの腕はプルプルしている。
埒があかない。
「赤いハチミツのドリンク、気になるんでしょ?」
「そうだった、いかねば!」
先程とは打って変わってスクッと立ち上がった彼女はスタスタと客室の玄関まで向かっていく。
この女…。
ヤレヤレとミナトは、鍵を持つとオオダに続き客室の玄関に向かい外にでた。
途中、夕食会場を通過するのだが…気になるものを見つけた。
赤いハチミツを使った飲み物があるそうだ。
試しに頼んでみよう。
ホクホクしながら、とりあえず客室に戻る。
とりあえず何か飲もう。
冷蔵庫の中にあるサービスの水をミナトは飲む。
オオダも両手でコップを掴んで水をゴクゴクと飲み、水を飲み干した後に切なそうな顔で冷蔵庫にあるお酒達をチラリと眺める。
「…一杯だけ。」
「いいよ、夕飯まで時間もあるし…先に乾杯しよっか。」
ヤッターッと、おもむろに冷蔵庫からビールを2つ取り出してミナトに一つ渡してカシュッとあける。
「かんぱーい!」
「あれ、KPじゃなかったっけ?
もう古いかなぁ?」
若者の流行りなど知らんと言わんばかりに、ビールの缶をぶつけるオオダ。
美味しそうに飲む彼女の周りには、なんだかお花が見えるようだ。
「…そう、若者のお酒は…飲めんのよ。
ウチだって飲みたかったさ、生リンゴのカクテル…。」
「ぁあ、前に職場の人と行ったバーの話?」
一気に老け込んだような表情でフッ…と笑うオオダ。
彼女の話によると…札幌市のススキノ付近に生の果物を使ったオシャレなバーがあるらしく、そこに職場の人に誘われて行ったそうだ。
黒い内装で、おしゃれで小さな席と店のあちこちに綺麗で大きな花が飾られていた薄暗くてアダルティーな店らしく…そんな店に初めて行くオオダはウッキウキで足を運んだ。
しかし、アレルギーのせいで殆どのものが頼めなかったらしい。
薔薇を使ったオシャレなカクテル、果物を使った可愛いカクテル、クラシックなカクテルをその店オリジナル。
それがメニューの一番最初に綺麗にあり、ペラペラと数ページ眺めたらオオダは悲し方な表情でメニュー表を閉じてこう言った。
「ビール…。」
っと。
もしかしたら、メニューをちゃんと見ればあったのかもしれないが…メニューの一番下にアレルギーの物の使用一覧があったらしく結構な記載があった為に諦めたみたい。
「なんだよフラッシュフルーツって…火を通せよぉぉぉお。」
グデーと客室のテーブルによりかかって、そうぼやいたオオダ。
出来上がってるのか、旅行でテンションが上がっているのか定かではないが声の音量はでかい。
そろそろ時間だ。
「ほーれ、ご飯だから行くよー。」
「ぁーい。」
ミナトに両脇を掴まれて引っ張られるオオダ。
まるで抱っこを嫌がる猫のような姿だった。
オオダがミナトより重たいのか、それともミナトの力が弱いのか。
オオダを持ち上げるミナトの腕はプルプルしている。
埒があかない。
「赤いハチミツのドリンク、気になるんでしょ?」
「そうだった、いかねば!」
先程とは打って変わってスクッと立ち上がった彼女はスタスタと客室の玄関まで向かっていく。
この女…。
ヤレヤレとミナトは、鍵を持つとオオダに続き客室の玄関に向かい外にでた。
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