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8章 新しい日常もつかの間?
97話 新しい日のはじまりは寝坊から?
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ずいぶん早くから、その日のことは意識し続けていた。
自室に置いた卓上カレンダーのその日の部分には二重丸を記して、なにが変わるわけでもないのに毎朝のように何度も見た。着ていく服には数週間前から悩み、一度決めてもまた考え直すのを繰り返す。
待ち焦がれているようで、恐れてもいて、でもやっぱり早く来てほしい思いもあって。
どうにも生活にも地に足がつかない。
結局最後まで落ち着けないままいたら、その日はついにやってきた。
オスカーさんとのデート日である。
これまで二人で出かけたことは、何度もある。だが、面と向かって『デート』として誘われたのは、初めてのことだ。
そんな記念すべき、照れ臭い一日。
「な、なんてこと!!」
そんな朝だと言うのに私は、大いにやらかしていた。
そう、寝坊である。
起き出して時計を見てみればもう九時、外では私を嘲笑うかのように、正午の鐘が鳴る。
高揚感や緊張で、昨夜なかなか眠れなかったのがよくなかった。
ベッドの上に転がっても、まったく寝られる気がしなかったのだ。
もともと、なにかしていないと気が済まない性格だ。
深夜にベッドから起き出した私は、気を紛らすため、パウンドケーキを焼いたり湯浴びをしたりと精力的に動いた。
ついでに少し片づけまでして、ベッドに少し腰かけ……私は倒れるように、そのまま眠ってしまったらしい。
単純に疲れがあったのだ。
前日も、『ごはんどころ・ベリーハウス』は朝から夜まで開けていた。昨日はオスカーさんが公務でおらず、店を一人で回していたこともある。きっと知らずのうちに疲労が溜まっていたのだ。
十二時、店舗前での待ち合わせ。
それなら起きられるだろうとたかを括っていたのも、原因の一つだ。普段の私はその時間仕事をしている。普通にいけば何の問題もないはずだったが、私自身がとても平常と言える状態ではなかったらしい。
着ていく服を前々から決めていたのは、せめてもの救いだった。私は急いでそれに着替えながら、一階の店舗スペースへと降りる。
水魔法で空中に球をつくり、そこへ顔を埋めることでさくっと洗い、それを風魔法で乾かしたら、すぐに店の裏口を開けにいった。
「……あら」
が、オスカーさんの姿はそこにはない。
表まで出てみても、見当たらないではないか。
私は目をぱちくりしつつ、中へと戻る。もしかして今日じゃなかったかとカレンダーを見るが、たしかに今日だ。頬をつねると痛いから、一応夢ではないことも確からしい。
あの律儀なオスカーさんにしては珍しい。
なにかあったのだろうか……。
そう心配になりつつも、ある意味ではラッキーだ。私は一度二階の部屋まで戻り、髪を整え化粧を施すなど、身なりを整えにかかる。
「モモ、うしろの髪跳ねてないかな?」
精霊獣・モモを召喚し、彼へ背中を向けるとこう尋ねた。
私が急いでいるのに対し、「うーん」という眠気まじりの唸り声が返ってくる。
どうやら彼も寝起きだったらしい。
振り向けば、とろんと落ちかけているまぶたを、前脚で擦っていた。
「大丈夫じゃないかなぁ、たぶん。で、もしかして朝ごはん?」
「もうお昼よ、モモ。昨日焼いたパウンドケーキでいいなら、キッチンにあるけど……」
「やった! アメの作るパウンドケーキ、好きなんだよ~。しっとり甘い、プレーンな味が好きなんだよねぇ。絶妙なバランスでさ~。」
眠くても、食い意地だけは失われないらしい。
ふよふよと漂いながら、部屋を出て階段を降りていく。
その言葉は、ずるかった。思わず唾を飲み込み、私も彼の後を追う。
悠長にお皿や紅茶を用意できるほど、時間はなかった。
キッチンに立ちながら、モモと一緒になって、パウンドケーキをフォークでつついていたら……
こんこん、と裏口の戸がやさしくノックされた。びくりと、肩がはねる。
「き、きたみたい……! ど、どうしよう、モモ!」
「うーん、とりあえず口元拭いたら?」
そう言いながら彼は、ハンカチを持ち上げて私の顔の前まで持ってきてくれる。
私はそれを受け取り、しっかりと拭いてから、扉を開けた。
すると、そこには汗だくになるオスカーさんがいる。今が晩秋であることを思えば、不思議すぎる格好だ。その状態で、彼は深々と頭を下げる。
「すまない、寝坊した。今日のことを考えると、昨夜どうも眠れず、仕事をしていたらそのままデスクで寝てしまった。うかつだった……」
きけば、私と似たような事情だった。
執事のホセさんに「とっくに行ったものかと思ってたのに、こんなところでなにしてるんですか」と起こされ、慌てて出てきたのだとか。屋敷から街までは馬車を使ってきたが、馬の機嫌が悪くなかなか進まないというトラブルもあり、最後は走ってきたのだそう。
思わぬ一致に私はつい吹き出し、一度は堪えようとおもったが結局抑えきれずに笑う。
「実は私もなんです。昨日は眠れなくて……だからむしろ遅れてもらって、助かりました。今準備が終わったところです。だから謝らないでください」
オスカーさんも笑ってくれればいい。
私はそう思って打ち明けたのだが、オスカーさんは目を丸くしたあと、深く息をつく。
「そうか、それはよかった。もしアメリアに幻滅されていたらどうしようかと不安だったのだ。せっかくのデートだと言うのに」
本当にほっとした様子で、ほんのり頬を緩めていた。
「そこまで狭い心じゃないですよったら」
私はこう口を尖らせる。
が、心中ではむしろ嬉しいくらいだった。
不安になるくらい、私のことを考えてくれていたわけなのだから。
まだデートは始まっていないというのに、私の胸はもう早鐘を打つ。じわりと身体が熱を帯びていく感覚があった――のだけれど。
「……だが、デートに誘ったがわというのは、一時間以上前には待ち合わせ場所にいるのが普通だと聞いていたが」
この一言で、一気に平常状態へと戻った。
そんな、わけのわからない普通は聞いたことがない。
「えっ、それはちょっと早すぎだと思いますけど。せいぜい、10分くらいでしょうか」
「そうなのか……? ということはホセが言っていたのだが、あれは嘘だったのか」
「それ、いつもの面白がられてますよ、たぶん」
まぁ、ずーっと緊張しっぱなしでは今日一日身体がもたない。
ある意味、ホセさんには感謝だ。
自室に置いた卓上カレンダーのその日の部分には二重丸を記して、なにが変わるわけでもないのに毎朝のように何度も見た。着ていく服には数週間前から悩み、一度決めてもまた考え直すのを繰り返す。
待ち焦がれているようで、恐れてもいて、でもやっぱり早く来てほしい思いもあって。
どうにも生活にも地に足がつかない。
結局最後まで落ち着けないままいたら、その日はついにやってきた。
オスカーさんとのデート日である。
これまで二人で出かけたことは、何度もある。だが、面と向かって『デート』として誘われたのは、初めてのことだ。
そんな記念すべき、照れ臭い一日。
「な、なんてこと!!」
そんな朝だと言うのに私は、大いにやらかしていた。
そう、寝坊である。
起き出して時計を見てみればもう九時、外では私を嘲笑うかのように、正午の鐘が鳴る。
高揚感や緊張で、昨夜なかなか眠れなかったのがよくなかった。
ベッドの上に転がっても、まったく寝られる気がしなかったのだ。
もともと、なにかしていないと気が済まない性格だ。
深夜にベッドから起き出した私は、気を紛らすため、パウンドケーキを焼いたり湯浴びをしたりと精力的に動いた。
ついでに少し片づけまでして、ベッドに少し腰かけ……私は倒れるように、そのまま眠ってしまったらしい。
単純に疲れがあったのだ。
前日も、『ごはんどころ・ベリーハウス』は朝から夜まで開けていた。昨日はオスカーさんが公務でおらず、店を一人で回していたこともある。きっと知らずのうちに疲労が溜まっていたのだ。
十二時、店舗前での待ち合わせ。
それなら起きられるだろうとたかを括っていたのも、原因の一つだ。普段の私はその時間仕事をしている。普通にいけば何の問題もないはずだったが、私自身がとても平常と言える状態ではなかったらしい。
着ていく服を前々から決めていたのは、せめてもの救いだった。私は急いでそれに着替えながら、一階の店舗スペースへと降りる。
水魔法で空中に球をつくり、そこへ顔を埋めることでさくっと洗い、それを風魔法で乾かしたら、すぐに店の裏口を開けにいった。
「……あら」
が、オスカーさんの姿はそこにはない。
表まで出てみても、見当たらないではないか。
私は目をぱちくりしつつ、中へと戻る。もしかして今日じゃなかったかとカレンダーを見るが、たしかに今日だ。頬をつねると痛いから、一応夢ではないことも確からしい。
あの律儀なオスカーさんにしては珍しい。
なにかあったのだろうか……。
そう心配になりつつも、ある意味ではラッキーだ。私は一度二階の部屋まで戻り、髪を整え化粧を施すなど、身なりを整えにかかる。
「モモ、うしろの髪跳ねてないかな?」
精霊獣・モモを召喚し、彼へ背中を向けるとこう尋ねた。
私が急いでいるのに対し、「うーん」という眠気まじりの唸り声が返ってくる。
どうやら彼も寝起きだったらしい。
振り向けば、とろんと落ちかけているまぶたを、前脚で擦っていた。
「大丈夫じゃないかなぁ、たぶん。で、もしかして朝ごはん?」
「もうお昼よ、モモ。昨日焼いたパウンドケーキでいいなら、キッチンにあるけど……」
「やった! アメの作るパウンドケーキ、好きなんだよ~。しっとり甘い、プレーンな味が好きなんだよねぇ。絶妙なバランスでさ~。」
眠くても、食い意地だけは失われないらしい。
ふよふよと漂いながら、部屋を出て階段を降りていく。
その言葉は、ずるかった。思わず唾を飲み込み、私も彼の後を追う。
悠長にお皿や紅茶を用意できるほど、時間はなかった。
キッチンに立ちながら、モモと一緒になって、パウンドケーキをフォークでつついていたら……
こんこん、と裏口の戸がやさしくノックされた。びくりと、肩がはねる。
「き、きたみたい……! ど、どうしよう、モモ!」
「うーん、とりあえず口元拭いたら?」
そう言いながら彼は、ハンカチを持ち上げて私の顔の前まで持ってきてくれる。
私はそれを受け取り、しっかりと拭いてから、扉を開けた。
すると、そこには汗だくになるオスカーさんがいる。今が晩秋であることを思えば、不思議すぎる格好だ。その状態で、彼は深々と頭を下げる。
「すまない、寝坊した。今日のことを考えると、昨夜どうも眠れず、仕事をしていたらそのままデスクで寝てしまった。うかつだった……」
きけば、私と似たような事情だった。
執事のホセさんに「とっくに行ったものかと思ってたのに、こんなところでなにしてるんですか」と起こされ、慌てて出てきたのだとか。屋敷から街までは馬車を使ってきたが、馬の機嫌が悪くなかなか進まないというトラブルもあり、最後は走ってきたのだそう。
思わぬ一致に私はつい吹き出し、一度は堪えようとおもったが結局抑えきれずに笑う。
「実は私もなんです。昨日は眠れなくて……だからむしろ遅れてもらって、助かりました。今準備が終わったところです。だから謝らないでください」
オスカーさんも笑ってくれればいい。
私はそう思って打ち明けたのだが、オスカーさんは目を丸くしたあと、深く息をつく。
「そうか、それはよかった。もしアメリアに幻滅されていたらどうしようかと不安だったのだ。せっかくのデートだと言うのに」
本当にほっとした様子で、ほんのり頬を緩めていた。
「そこまで狭い心じゃないですよったら」
私はこう口を尖らせる。
が、心中ではむしろ嬉しいくらいだった。
不安になるくらい、私のことを考えてくれていたわけなのだから。
まだデートは始まっていないというのに、私の胸はもう早鐘を打つ。じわりと身体が熱を帯びていく感覚があった――のだけれど。
「……だが、デートに誘ったがわというのは、一時間以上前には待ち合わせ場所にいるのが普通だと聞いていたが」
この一言で、一気に平常状態へと戻った。
そんな、わけのわからない普通は聞いたことがない。
「えっ、それはちょっと早すぎだと思いますけど。せいぜい、10分くらいでしょうか」
「そうなのか……? ということはホセが言っていたのだが、あれは嘘だったのか」
「それ、いつもの面白がられてますよ、たぶん」
まぁ、ずーっと緊張しっぱなしでは今日一日身体がもたない。
ある意味、ホセさんには感謝だ。
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色々とご指摘助かります……! 至らず申し訳ありません(T ^ T)
順次修正してまいります。よろしくお願い申し上げます!
退会済ユーザのコメントです
今見ました……! なんともすごい誤字……。大変失礼しました。
書籍版の方は問題なさそうなので、オンラインデータのみみたいですね。ちょっとお時間がかかるかもしれませんが、直せるかどうか掛け合ってみます……
退会済ユーザのコメントです
ありがとうございます! 素敵な絵に仕上げてもらったので、ご縁があれば本屋などで手に取ってあげてくださいな。
いつもありがとうございます!
たかた