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2章
40話 プレゼント丸被り事件
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その後も、パーティーの主役であるラーラは、忙しそうに挨拶回りをしていた。
私のところに彼女がやってきたのは、最後の最後だ。
すでに、受け取ったたくさんのプレゼントを近くの使用人が抱えていた。
「ごめん、ほんとごめんね、アニー。もう、みんなに捕まってばっかりで大忙しって感じで」
「見てたら分かるから大丈夫よ。公爵令嬢さんのお誕生パーティーは、大変ね。うちとは大違いよ」
実際、アニータとしての記憶にある誕生パーティーは、ほとんど身内だけで完結していた。
こうして、たくさんの要人たちを招いてのパーティーとは違い、和気藹々とした雰囲気であった。
「ありがとうね、アニー。それから、こんな知り合いも少ないパーティーに呼んじゃって、ごめんなさいね」
「ううん、むしろ誘ってくれて嬉しかったくらいよ。ラーラっぽく言うなら、ありがとうって感じ!」
私がこうおどけると、ラーラは口元に手を当てて、くすりと笑う。
「もう、アニーったらやめてよ、恥ずかしい! でも、本当来てくれてよかったかも。今の会話だけで、少し疲れが飛んだ気がする」
お淑やかで、高貴で、それから純真でもある。
世の中の人がみんなラーラみたいだったら世界は平和だろうに。たぶん争いごとなんて無縁の世界が訪れてくれるはず――なんて思っていた矢先のことである。
「こんなところにいたのね、ラーラ・オースティン。せっかくあたしが来てあげたのに、出迎えもないなんて驚きですわね、まったく」
黒船、襲来。
じゃなくて、悪役令嬢のジュリア・エルミーニが私たちの間に割って入ってきたのだ。
うん、こういう人がいるから平和は訪れないのよね……。
「あ、ジュリア・エルミーニ公爵令嬢さま! えと、大変失礼いたしました。姿が見えなかったので、てっきり来ていないものかと」
「まあ? 行かなくてもいいかしら、と思ってはいたわよ。けど、家の命令で遅刻はしましたけど、仕方なく来ましたの。とりあえずお誕生日おめでとう」
はたから見ているだけで、イライラが募るような高圧的な態度だった。
よっぽど口出しをしてやりたかったが、ここは我慢だ。結果的にラーラに迷惑をかけることにも繋がりかねない。
今日の私は、衣装や化粧のおかげもあり、いつもとは容姿も異なる。
きっとアニータだとバレてはいないだろうから、こっそりとフェードアウトしようとしたのだが……
「ふん、オースティン公爵家も堕ちたものね。こんな馬の骨とも知れないアニータ・デムーロ男爵令嬢と仲良さげに話し込むなんて。あなた、いいこと? こいつは、あたしのエリゼオ王子を奪おうとしてる薄汚い泥棒猫なの。知ってる? こいつの家はこそこそアイテムショップの経営をしないと成り立たないほどの落ちこぼれなのよ」
……なぜか、しっかりと看破されていた。
他の方には、全然きづかれなかったのに。
固執されすぎているうえ、わざわざ家の情報まで把握しているだなんて、いっそ私のこと好きなんじゃないかしらこの方。
好きな子をいじめてしまう小学生男子精神なんじゃないの、とそう思わざるをえない。
一方的に攻められて、言葉を失うラーラ。苦笑いを浮かべる彼女の胸元に押し付けられたのは、小さな小袋だ。
「それ、一応誕生日プレゼントよ。あんたみたいな、もともとが大した顔立ちじゃない女は、化粧が大切だと思ったの。中身は、ファンデーションと口紅ですのよ。
職人に作らせた超高級品だから、少しはマシな面になるといいわね。あ、エリゼオ王子の前で使ったら、どうなるか分かってるわよね?」
なんて勝手な言い分だろう。
それに、化粧に頼っているのはどっちだ。ラーラは素顔も十分に美しいが、己の趣味として化粧をたしなんでいるのだ。
それを馬鹿にされるのは、心底腹が立つ。
しかも、だ。
「……あらら、被っちゃったわ」
プレゼントが丸被りしてしまった。
私は横手から、自分のプレゼントも差し出す。
梱包からして、ジュリアの手渡したものと比べればチープ感が漂っていた。
そして、中身も私のファンデーションは、ダンジョンで取ってきた鉱石から手作りした品である。
香水やオリーブ油の調合割合などを真剣に考えて作ったとはいえ、プロの職人の域には及んでいない。
私のプレゼントを一瞥して、ジュリアはその少しだけひしゃげた鼻を鳴らして、はんっと一笑に付してから大口を開けて笑う。
「あははははっ。なによ、これ。あー、面白いわねぇ男爵令嬢の考えるプレゼント。こんなもの、子どもの工作のほうがましよ」
さすがに手痛い一言だった。
実際、否定するだけの理由が浮かぶかと言われれば、ない。現世で化粧品を自作したことくらいはあれど、それもお遊びの範疇でしかない。
「さあ、選びなさい、ラーラ・オースティン。どちらも、というのはなしよ。同じ化粧品なんですからねぇ。いらない方は、その辺に打ち捨てるがいいわ。……と言っても? まあ、選択肢として比べるまでもないでしょうが」
答えは決まり切っている。
そう言わんばかりに、ジュリアはラーラに答えを強いる。
私は目をつむって、彼女が答えを出すのを待った。
単純にプレゼントの質として、勝目はなかった。
そのうえ、オースティン公爵家の一員として、より権力を持つエルミーニ家からのプレゼントを受け取らないという選択が許されるわけもない。
間違いなくジュリアのプレゼントが選ばれる。それ自体に不満など感じてはいけない。
そのはずなのに、少し悲しい気分でいると、ラーラが動く。
「残念ですけど、これは受け取れませんわ。ジュリア・エルミーニ公爵令嬢さま」
果たして、はたき落されたのは高級な紙袋のほうであった。
床に、丁寧な包装に包まれた箱が散らばる。
勢いよく落ちたそれらが、ガシャッと大きな音を響かせるので、周囲にいた人の視線が一斉にこちらへと向けられた。
「……あなた、なにを」
あっけにとられたらしいジュリアはこう言ったきり、餌を待つ金魚のごとく口をぱくぱくとするだけになる。
「やって見せたままのことでございます。わたくし、もう虐められるのはごめんです。あなたに立ち向かったアニーみたいに、勇敢な人でいたいから。それに、ごめんなさい。わたくし、アニーのくれるプレゼントなら、どんなものでも欲しいの」
…………なんて嬉しいことを言ってくれるのだろう、ラーラは。
客観的に見てみたら、私のプレゼントの方を選ぶこと自体にメリットはないはずなのに、彼女はそれを選ぶばかりか私のようになりたかった、とまで言ってくれる。
ちょっと、いや、かなりうるっときた。
じんじんきている、慣れないヒールの痛みも忘れてしまうほどには。
「ありがとうね、化粧品だなんてほんと分かってるって感じ! わたくし、嬉しいっ」
「えと、その、買うお金がなかったから手作りなんだけど、それでも?」
「ま! もーっと嬉しいって感じよ、それ! 手作りだなんて、どうやってやったの? わたくしも知りたいです」
ラーラは心底嬉しそうに、私のプレゼントを受け取ってくれる。
心の奥底から、熱いものがこみ上げてきて仕方がなかった。私が思わず、うるっときていると、
「……ありえない、ありえない、ありえない!」
一方で、ジュリアの方も黙ってはくれないよね……。
彼女はヒステリックになって、高いヒールで地面をがんがんと打ちつけた。
床をへこませんばかりの鋭い高音が、会場内に響き渡る。
「あなたたち、ふざけるのはそこまでにしなさい。あんたたちなんて、あたしの力にかかれば――――」
ジュリアの怒りの矛先が、私の方へと向く。
その目は充血するとともに、憎悪で鋭く尖っていた。
「うわ、こっわ。全然可愛くないし」
率直な感想が漏れてしまったのは、思わずのことだった。
やばい、と後から思うのだけど、時すでに遅し。
ジュリアは拳をにぎり固めて、こちらに手をあげようとしてくるのだけど……
「乱暴はやめないか、ジュリア・エルミーニ公爵令嬢」
その手首を後ろから掴んでいるものがいた。
エリゼオ第五王子、その人だ。
私のところに彼女がやってきたのは、最後の最後だ。
すでに、受け取ったたくさんのプレゼントを近くの使用人が抱えていた。
「ごめん、ほんとごめんね、アニー。もう、みんなに捕まってばっかりで大忙しって感じで」
「見てたら分かるから大丈夫よ。公爵令嬢さんのお誕生パーティーは、大変ね。うちとは大違いよ」
実際、アニータとしての記憶にある誕生パーティーは、ほとんど身内だけで完結していた。
こうして、たくさんの要人たちを招いてのパーティーとは違い、和気藹々とした雰囲気であった。
「ありがとうね、アニー。それから、こんな知り合いも少ないパーティーに呼んじゃって、ごめんなさいね」
「ううん、むしろ誘ってくれて嬉しかったくらいよ。ラーラっぽく言うなら、ありがとうって感じ!」
私がこうおどけると、ラーラは口元に手を当てて、くすりと笑う。
「もう、アニーったらやめてよ、恥ずかしい! でも、本当来てくれてよかったかも。今の会話だけで、少し疲れが飛んだ気がする」
お淑やかで、高貴で、それから純真でもある。
世の中の人がみんなラーラみたいだったら世界は平和だろうに。たぶん争いごとなんて無縁の世界が訪れてくれるはず――なんて思っていた矢先のことである。
「こんなところにいたのね、ラーラ・オースティン。せっかくあたしが来てあげたのに、出迎えもないなんて驚きですわね、まったく」
黒船、襲来。
じゃなくて、悪役令嬢のジュリア・エルミーニが私たちの間に割って入ってきたのだ。
うん、こういう人がいるから平和は訪れないのよね……。
「あ、ジュリア・エルミーニ公爵令嬢さま! えと、大変失礼いたしました。姿が見えなかったので、てっきり来ていないものかと」
「まあ? 行かなくてもいいかしら、と思ってはいたわよ。けど、家の命令で遅刻はしましたけど、仕方なく来ましたの。とりあえずお誕生日おめでとう」
はたから見ているだけで、イライラが募るような高圧的な態度だった。
よっぽど口出しをしてやりたかったが、ここは我慢だ。結果的にラーラに迷惑をかけることにも繋がりかねない。
今日の私は、衣装や化粧のおかげもあり、いつもとは容姿も異なる。
きっとアニータだとバレてはいないだろうから、こっそりとフェードアウトしようとしたのだが……
「ふん、オースティン公爵家も堕ちたものね。こんな馬の骨とも知れないアニータ・デムーロ男爵令嬢と仲良さげに話し込むなんて。あなた、いいこと? こいつは、あたしのエリゼオ王子を奪おうとしてる薄汚い泥棒猫なの。知ってる? こいつの家はこそこそアイテムショップの経営をしないと成り立たないほどの落ちこぼれなのよ」
……なぜか、しっかりと看破されていた。
他の方には、全然きづかれなかったのに。
固執されすぎているうえ、わざわざ家の情報まで把握しているだなんて、いっそ私のこと好きなんじゃないかしらこの方。
好きな子をいじめてしまう小学生男子精神なんじゃないの、とそう思わざるをえない。
一方的に攻められて、言葉を失うラーラ。苦笑いを浮かべる彼女の胸元に押し付けられたのは、小さな小袋だ。
「それ、一応誕生日プレゼントよ。あんたみたいな、もともとが大した顔立ちじゃない女は、化粧が大切だと思ったの。中身は、ファンデーションと口紅ですのよ。
職人に作らせた超高級品だから、少しはマシな面になるといいわね。あ、エリゼオ王子の前で使ったら、どうなるか分かってるわよね?」
なんて勝手な言い分だろう。
それに、化粧に頼っているのはどっちだ。ラーラは素顔も十分に美しいが、己の趣味として化粧をたしなんでいるのだ。
それを馬鹿にされるのは、心底腹が立つ。
しかも、だ。
「……あらら、被っちゃったわ」
プレゼントが丸被りしてしまった。
私は横手から、自分のプレゼントも差し出す。
梱包からして、ジュリアの手渡したものと比べればチープ感が漂っていた。
そして、中身も私のファンデーションは、ダンジョンで取ってきた鉱石から手作りした品である。
香水やオリーブ油の調合割合などを真剣に考えて作ったとはいえ、プロの職人の域には及んでいない。
私のプレゼントを一瞥して、ジュリアはその少しだけひしゃげた鼻を鳴らして、はんっと一笑に付してから大口を開けて笑う。
「あははははっ。なによ、これ。あー、面白いわねぇ男爵令嬢の考えるプレゼント。こんなもの、子どもの工作のほうがましよ」
さすがに手痛い一言だった。
実際、否定するだけの理由が浮かぶかと言われれば、ない。現世で化粧品を自作したことくらいはあれど、それもお遊びの範疇でしかない。
「さあ、選びなさい、ラーラ・オースティン。どちらも、というのはなしよ。同じ化粧品なんですからねぇ。いらない方は、その辺に打ち捨てるがいいわ。……と言っても? まあ、選択肢として比べるまでもないでしょうが」
答えは決まり切っている。
そう言わんばかりに、ジュリアはラーラに答えを強いる。
私は目をつむって、彼女が答えを出すのを待った。
単純にプレゼントの質として、勝目はなかった。
そのうえ、オースティン公爵家の一員として、より権力を持つエルミーニ家からのプレゼントを受け取らないという選択が許されるわけもない。
間違いなくジュリアのプレゼントが選ばれる。それ自体に不満など感じてはいけない。
そのはずなのに、少し悲しい気分でいると、ラーラが動く。
「残念ですけど、これは受け取れませんわ。ジュリア・エルミーニ公爵令嬢さま」
果たして、はたき落されたのは高級な紙袋のほうであった。
床に、丁寧な包装に包まれた箱が散らばる。
勢いよく落ちたそれらが、ガシャッと大きな音を響かせるので、周囲にいた人の視線が一斉にこちらへと向けられた。
「……あなた、なにを」
あっけにとられたらしいジュリアはこう言ったきり、餌を待つ金魚のごとく口をぱくぱくとするだけになる。
「やって見せたままのことでございます。わたくし、もう虐められるのはごめんです。あなたに立ち向かったアニーみたいに、勇敢な人でいたいから。それに、ごめんなさい。わたくし、アニーのくれるプレゼントなら、どんなものでも欲しいの」
…………なんて嬉しいことを言ってくれるのだろう、ラーラは。
客観的に見てみたら、私のプレゼントの方を選ぶこと自体にメリットはないはずなのに、彼女はそれを選ぶばかりか私のようになりたかった、とまで言ってくれる。
ちょっと、いや、かなりうるっときた。
じんじんきている、慣れないヒールの痛みも忘れてしまうほどには。
「ありがとうね、化粧品だなんてほんと分かってるって感じ! わたくし、嬉しいっ」
「えと、その、買うお金がなかったから手作りなんだけど、それでも?」
「ま! もーっと嬉しいって感じよ、それ! 手作りだなんて、どうやってやったの? わたくしも知りたいです」
ラーラは心底嬉しそうに、私のプレゼントを受け取ってくれる。
心の奥底から、熱いものがこみ上げてきて仕方がなかった。私が思わず、うるっときていると、
「……ありえない、ありえない、ありえない!」
一方で、ジュリアの方も黙ってはくれないよね……。
彼女はヒステリックになって、高いヒールで地面をがんがんと打ちつけた。
床をへこませんばかりの鋭い高音が、会場内に響き渡る。
「あなたたち、ふざけるのはそこまでにしなさい。あんたたちなんて、あたしの力にかかれば――――」
ジュリアの怒りの矛先が、私の方へと向く。
その目は充血するとともに、憎悪で鋭く尖っていた。
「うわ、こっわ。全然可愛くないし」
率直な感想が漏れてしまったのは、思わずのことだった。
やばい、と後から思うのだけど、時すでに遅し。
ジュリアは拳をにぎり固めて、こちらに手をあげようとしてくるのだけど……
「乱暴はやめないか、ジュリア・エルミーニ公爵令嬢」
その手首を後ろから掴んでいるものがいた。
エリゼオ第五王子、その人だ。
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