平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
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2章
22話 ミリリもおこ。
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「どーするのっ、ヨシュア。あのクラスの魔物にやられてるんだと、先が思いやられるんだけど……」
「ほんとにな。ま、やるしかないだろ」
そもそも俺は、元パーティーメンバーたちを影からサポートすることには慣れている。
ーーできるだけ不自然でなく。
あたかも、サンタナが倒したかのように。そう仕向けるのだ。
影から倒すにはどうするか。
さまざまなことを考慮した末、今日使うことにした武器は、仕掛け魔法杖。
「なにそれ、見たことないよ? 私の魔法杖とも違うみたいだし……」
「まぁまぁ。なぁ、ミリリ。これの先端に、魔導で強化魔法かけてくれないか」
「う、うん! 分かったけど」
ミリリの力を借りるまでもない魔物だろうが、確実に一撃で仕留めるためには、必要なことだった。
「魔導よ、理を越えよ。魔導強化っ」
口元での詠唱がなされる。
それにより、俺の仕掛け魔法杖が、淡く光る。
それが透明になるまで、魔力を研ぎしました。
「黙して刺せ、魔の透過針……!」
そして、杖を一振り。
さすれば、あとは勝手にエイム機能が働いてくれる。
ミリリの魔導により強化された『魔の透過針』がフォレストウルフの肩口をつく。
動きが鈍くなる急所を、的確に奥まで突いたのだ。
それまで、俊敏に動き、サンタナを食らわんとしていた魔物が、弱々しくよろける。
そこをサンタナが仕留めた。
当たり前である。その時点ですでに、瀕死だったのだから。
「どうやら僕の攻撃が効いていたみたいだな。ははっ」
己の手柄だとばかり、高笑いして威張り散らす。
「違うよ、ヨシュアのおかげなのに~。ずっと、あんな感じなの、あの人? めっちゃいけすかない~」
「……まぁな。今回はいいんだよ、あれで」
「分かってるけど、分かってるけど……。でも。なんかむかつくんだもん」
ミリリが分かってくれていたら、俺は十分だ。
サンタナは、他人が自分より目立つことを極端に嫌う。
もし他の誰かがより大きな手柄をあげようものなら、あからさまに機嫌が悪くなるのだ。
だから、俺は何度もこうして背後から助けてきた。
ただ、サンタナはそれに気付こうとしない。
「やっぱり一時だけの不調だったのさ。これが僕の実力だ!」
「うそ、ヨシュっちがいた時みたい……」
「ルリ、君はあの無能を買いかぶりすぎなのさ」
ちゃんと正直に、俺がサポートしていたことは伝えたんだがなぁ。
彼の視界には、パーティーメンバーはおろか、自分しか写っていないらしい。
にしても、あの分じゃあ、サンタナはメンバーの了解なしに俺を追放したようだ。
「根っから腐ってるよ、あいつ~!!」
その身勝手さには、ミリリも怒り心頭らしかった。
これで見つかったら元も子もない。
抑えるよう促していると、ほんの少しソフィアがこちらを見た。
小さく微笑んでいた。
「ほんとにな。ま、やるしかないだろ」
そもそも俺は、元パーティーメンバーたちを影からサポートすることには慣れている。
ーーできるだけ不自然でなく。
あたかも、サンタナが倒したかのように。そう仕向けるのだ。
影から倒すにはどうするか。
さまざまなことを考慮した末、今日使うことにした武器は、仕掛け魔法杖。
「なにそれ、見たことないよ? 私の魔法杖とも違うみたいだし……」
「まぁまぁ。なぁ、ミリリ。これの先端に、魔導で強化魔法かけてくれないか」
「う、うん! 分かったけど」
ミリリの力を借りるまでもない魔物だろうが、確実に一撃で仕留めるためには、必要なことだった。
「魔導よ、理を越えよ。魔導強化っ」
口元での詠唱がなされる。
それにより、俺の仕掛け魔法杖が、淡く光る。
それが透明になるまで、魔力を研ぎしました。
「黙して刺せ、魔の透過針……!」
そして、杖を一振り。
さすれば、あとは勝手にエイム機能が働いてくれる。
ミリリの魔導により強化された『魔の透過針』がフォレストウルフの肩口をつく。
動きが鈍くなる急所を、的確に奥まで突いたのだ。
それまで、俊敏に動き、サンタナを食らわんとしていた魔物が、弱々しくよろける。
そこをサンタナが仕留めた。
当たり前である。その時点ですでに、瀕死だったのだから。
「どうやら僕の攻撃が効いていたみたいだな。ははっ」
己の手柄だとばかり、高笑いして威張り散らす。
「違うよ、ヨシュアのおかげなのに~。ずっと、あんな感じなの、あの人? めっちゃいけすかない~」
「……まぁな。今回はいいんだよ、あれで」
「分かってるけど、分かってるけど……。でも。なんかむかつくんだもん」
ミリリが分かってくれていたら、俺は十分だ。
サンタナは、他人が自分より目立つことを極端に嫌う。
もし他の誰かがより大きな手柄をあげようものなら、あからさまに機嫌が悪くなるのだ。
だから、俺は何度もこうして背後から助けてきた。
ただ、サンタナはそれに気付こうとしない。
「やっぱり一時だけの不調だったのさ。これが僕の実力だ!」
「うそ、ヨシュっちがいた時みたい……」
「ルリ、君はあの無能を買いかぶりすぎなのさ」
ちゃんと正直に、俺がサポートしていたことは伝えたんだがなぁ。
彼の視界には、パーティーメンバーはおろか、自分しか写っていないらしい。
にしても、あの分じゃあ、サンタナはメンバーの了解なしに俺を追放したようだ。
「根っから腐ってるよ、あいつ~!!」
その身勝手さには、ミリリも怒り心頭らしかった。
これで見つかったら元も子もない。
抑えるよう促していると、ほんの少しソフィアがこちらを見た。
小さく微笑んでいた。
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