平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
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1章
10話 返り討ち
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俺は剣を抜かず、ニュートラルの姿勢で、輩の一人を睨み付ける。
「な、なんだ、てめぇ! 本当にやっちまうぞ!?」
大きく刀が振りかざされる。
それが下されたと同時、サーニャの悲鳴がした。
けれど、もちろん俺は無事だ。
素早く鞘を走らせ、
「な、なんで、こっちが折れるんだぁ!?」
輩の手にしていた刀を割ってやった。
とくに魔法を使わずとも、完全に粉々である。
「せっかく卒業祝いに買ったのに!」
「残念ながら、もうそこまで刃が溢れたら直らないな」
「く、くそ。さては剣の師範もやってんのか。ば、化け物め……! 近づくな!」
長剣の習熟度はまだBなんだけど。
とは、わざわざ言わない。
「いいだろう。けど、交換条件だ。金輪際、サーニャに近づくな」
「わ、分かった、分かったから!」
さて、ミリリの方はと、俺は隣をふりみる。
彼女の敵も、もう地面にのされていた。
「えへん。念のため、念のため♪」
男の武器であった大鉈が、あっさり破壊される。
「固きものを砕け、魔の粉砕!」
魔道士は、ユニーク魔法を編み出すのにたけているらしい。
今使ったのも、それらしかった。属性をあえて使わない、無属性魔法だ。
男たちは阿鼻叫喚し、ショックのあまり気を失う。
近くにいた冒険者からの拍手が響き渡った。
「……やりすぎだな、こればかりは」
つい、やってしまった。
もっと適度にいい戦いを演じておけば、と思うが、後の祭りである。
サーニャは人見知りを発動したのか、きょろきょろと周囲を見回して落ち着きがなかった。
ミリリはといえば、
「レンタル冒険者! 私たち好評貸し出し中です!」
がっつり宣伝。
しかも、俺が今後も協力してくれることは既定路線らしい。
「ごめんな、サーニャ。無駄に目立っちゃって」
「えっ、あ、いや。……むしろ、ありがとうございます」
「あんなのを怖がることないからな。エルフが珍しいからって嫉妬してるんだ、きっと」
「……あの、ヨシュアさん。今日は一度帰ってもいいかな」
「おう。一度立て直そうか。ミリリにも聞いて、だけど」
注目の的となったままでは、色々とやりづらい。
「ほら帰るぞー、ミリリ」
「えー、もうちょっと! 大丈夫だよ、あいつらなら完全に伸びてるから! まだチラシ余ってるからー!」
商魂たくましいな、ミリリちゃん。
「な、なんだ、てめぇ! 本当にやっちまうぞ!?」
大きく刀が振りかざされる。
それが下されたと同時、サーニャの悲鳴がした。
けれど、もちろん俺は無事だ。
素早く鞘を走らせ、
「な、なんで、こっちが折れるんだぁ!?」
輩の手にしていた刀を割ってやった。
とくに魔法を使わずとも、完全に粉々である。
「せっかく卒業祝いに買ったのに!」
「残念ながら、もうそこまで刃が溢れたら直らないな」
「く、くそ。さては剣の師範もやってんのか。ば、化け物め……! 近づくな!」
長剣の習熟度はまだBなんだけど。
とは、わざわざ言わない。
「いいだろう。けど、交換条件だ。金輪際、サーニャに近づくな」
「わ、分かった、分かったから!」
さて、ミリリの方はと、俺は隣をふりみる。
彼女の敵も、もう地面にのされていた。
「えへん。念のため、念のため♪」
男の武器であった大鉈が、あっさり破壊される。
「固きものを砕け、魔の粉砕!」
魔道士は、ユニーク魔法を編み出すのにたけているらしい。
今使ったのも、それらしかった。属性をあえて使わない、無属性魔法だ。
男たちは阿鼻叫喚し、ショックのあまり気を失う。
近くにいた冒険者からの拍手が響き渡った。
「……やりすぎだな、こればかりは」
つい、やってしまった。
もっと適度にいい戦いを演じておけば、と思うが、後の祭りである。
サーニャは人見知りを発動したのか、きょろきょろと周囲を見回して落ち着きがなかった。
ミリリはといえば、
「レンタル冒険者! 私たち好評貸し出し中です!」
がっつり宣伝。
しかも、俺が今後も協力してくれることは既定路線らしい。
「ごめんな、サーニャ。無駄に目立っちゃって」
「えっ、あ、いや。……むしろ、ありがとうございます」
「あんなのを怖がることないからな。エルフが珍しいからって嫉妬してるんだ、きっと」
「……あの、ヨシュアさん。今日は一度帰ってもいいかな」
「おう。一度立て直そうか。ミリリにも聞いて、だけど」
注目の的となったままでは、色々とやりづらい。
「ほら帰るぞー、ミリリ」
「えー、もうちょっと! 大丈夫だよ、あいつらなら完全に伸びてるから! まだチラシ余ってるからー!」
商魂たくましいな、ミリリちゃん。
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