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1章

9話 変な奴らに絡まれ?

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「……というか、見たことあると思えば。
 ふんっ。落ちこぼれエルフのサーニャじゃねぇか。笑わせるぜ。パーティー組んだってのか? お前の実力で?」
「いやぁ傑作かもしれねぇわ」

センターライン以外を刈り上げた、いかつい髪型の男二人組が、こちらを指差して卑しく笑った。

俺は口に手を当て、声を潜める。

「サーニャ、知り合いなのか?」
「……うん。この春まで魔法学校の同級生だったの。だけど、仲良くはなかった、かな……。怖いって避けてたくらいで」
「なるほど。見るからに柄悪いしなぁ」

学生生活で関わりたくないランキングぶっちぎりの一位だ。
絶対面倒くさいじゃん?

防具に無駄な装飾をつけているあたり、より厄介そうだ。

「おい、そこのお前。聞こえてんぞ。斬り殺されてぇのか!?」

男の一方が、目を血走らせて、俺の方へと掴みかからんとする。

感情に支配された行動を読むことほど、楽なことはない。

はじめは避けていたのだが、

「ちっ、もういいっ! おら、こっちこいサーニャ!」

こうなれば話は別だ。
伸びてきた腕を捕まえ、ちょーっと手首を捻り返してやると、

「ぐ、ぐぁぁっ!?」

男は悲鳴を上げて、自分の拳を腹に抱え込んだ。

くそが、と謎の負け惜しみとともに、こちらへ唾を吐く。
輩どもはいよいよ怒りが頂点に達したらしい。

「てめぇ、絶対にゆるさねぇ!!」

かすれ声の絶叫とともに、ソードが抜かれる。
俺の剣は我流、最強、無敵などと、べらべら舌を回していた。

刀そのものの出来は、そこそこよさそうだが、腕が立たなければナマクラと大差ない。

けれど、サーニャは恐怖を植え付けられているのか、手を震わせていた。

俺は身体を割り入れてかばう。代わってミリリが前へ出てきた。

「ヨシュア。せっかく数もぴったりだし、一人ずつってどうかな?」
「……いいんじゃない」
「サーニャちゃん、ここは私たちに任せてよ。お姉さんたち、強いんだ~。我流、最強、無敵なのっ」

めっちゃ煽るね、ミリリさん。

「てめぇこのアマ! 可愛いからって許されると思ってんじゃねぇぞ」
「こっちが許そうと思ってないよーだ」
「てめぇ、服はいでやらぁ!!」

彼女の思惑どおりか、それぞれ一対一で対峙することになった。

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