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2話

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殺さなきゃ...殺さなきゃいけないのに....

クソっ。

こいつは俺に取り入ろうとする女共と一緒なのに....

なぜ番がこいつなんだ...

苦しい...

ナイフを持つ手がカタカタと震える。

(——不味い、このまま震えたままナイフを持っていたら彼女を傷つけてしまう)

番を愛おしく思う心が主張する。

「はっ、」

人を殺そうとしてるのに反応してどうする!!

今まで反応したことなど全くなかった、だろ...愚息...

「くそ...」

少し緊張で汗ばんだ色っぽく、露出の多い肌に怯えて涙を浮かべているウルウル、上目遣いでこちらを不安そうに見つめてくる瞳。

可愛い、愛おしい....

あああああ、可愛い、可愛い、俺の番。

見た目もこんなに可愛い子は見たことない。

きっと番じゃなくても一目惚れしていたに違いない。

「んっ」

鈴のなるような可愛らしく、甘い声に俺の自身はギンギンに張り詰めていく。

そもそもどうしてナイフを当てられてそんな色っぽい声が出るんだ...あぁあ!

それ以上声を出すな...

理性は必死にそう叫ぶが、本能はもっと聞いていたい、聞きたい、と主張する。

ぐ...はぁっ、きつい...

服をそっと、優しく、彼女が傷付かぬようにナイフで破る。

(綺麗だ...)

真っ白で、ふわふわしていそうな胸に、ピンクの蕾。



駄目だ、駄目だ、駄目だ、駄目だ。

彼女を脱がすのは服に血がつかないようにするため。

いいことを考えた。

「どうやって俺の部屋に入り込んだ?」

それを答えるまでは殺さないでいてやる。

でも無理やり答えさせてやるよ。

快楽に落としてな。



男の赤い目がギラリと光る。

「ひっ」

私はガタガタと震え、両手で自分の肩を抱く。

「や、やだ。怖いことしないで、」

「さあ、正直に答えないなら酷いことするしかないよなあ?」

「や、やあだっ、やめて、怖い、違うの、私はただ、気付いたらここにいて、死んで、転生させてあげるって、言われて...」

「ほお、まだ口を割らないか」

男はナイフを折り、そこらへんに放り投げた。

「ふっ、ひっく、うぅ、うわーん、」

私はとうとう、子供のように泣き出してしまった。

男は泣かれるというのが意外だったのか、戸惑いフリーズする。

(ど、どうしたらいいんだ!?泣かせたかったわけじゃないのに、くそ...胸が苦しい、痛い、どうしてだ。たかが女1人泣いただけなのに...ああ、いやだ、泣かないでくれ俺の番...)

男はすっとそーっと怖がらせないかのようにゆっくり私に手を出してきた。

そして私は抵抗することなく、男の腕にすっぽり収まる。

ど、どういう状況!?

私殺されるんじゃ...

私はただひたすらに混乱した。

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