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ご飯作りだよ!!②
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さあて、何を作ろうか。
わたしの暗かった気持ちは、キッチンを見てすっかり晴々とした気持ちになった。
キッチンはわたしが一番落ち着く場所...
前世高校生にして一人暮らしだった私は暇さえあれば料理やスイーツを作っていた。
「...何作ろう」
私は冷蔵庫の中を覗く。
前世の私が使っていた小さい冷蔵庫とは比べ物にならない...流石貴族。
しかもいろんなものが入っている。
...今は冬だし、あったかいものが食べたいよね...
いつ春になるんだろう。
春になったら入学しないといけなわけでしょ...?
まったくどうしてこの世界は18歳から学校に通わなくてはならないのか。
成人は16なのにおかしいと思うよ。
それと春といえば....
お兄様が留学から帰ってくる!?
今思い出した、そうだ!!
お兄様が家にいないのは留学で隣国に行ったからだった...どうしよう、後数ヶ月でわたしの平穏な(?)暮らしが...
いやまだこっちに来て二日ぐらいしか経ってないんだけども。
まあ、お兄様はアニメの中じゃわたしのことを毛嫌いしているから帰ってくるなり暴言を吐くに違いないわ。
いや、あの性格だとネチネチ嫌味を言うのかな...。
なんか執事のレイとキャラが若干かぶってるな...
レイも嫌味キャラだもんね...
腹黒、まずは外堀からみたいな感じのキャラ...
結局アニメは最終回を迎えてなくて、ウロウロして逆ハーみたいな状態になってるんだっけ...
どのキャラもファンが多いから一人に決められないのはわかるけど....
...私...って、確か王太子の婚約者だよね。
それでわたしが主人公をいじめたっていう、やくあるシンデレラストーリーのやつで...
これはまずいぞ....
わたし追放されたら当てがない。
わたしをうまく処理するためにはお父様やお母様からと考える人もいるかもしれない。
前世あまり親孝行できずに死んだんだから、今世こそちゃんと親孝行しなきゃ。
迷惑かけちゃダメだ。
...って、結局料理がちっとも進んでない。
仕方ない、短時間でできるスイーツにしよう...
◇
結局悩んだ末にできたのは塩キャラメルチョコ。
なかなか美味しい。
ってか、料理じゃないじゃん...まあいっか。美味しいならそれでいいんだ。
「貴方も食べる?」
「!!」
差し出すとレイは意外と素直に受け取った。
「!美味しい...こんな美味しいものは初めて食べました」
「大袈裟ね、でも、確かに美味しいと思うわ」
「そうですね...自分で自分を褒めているお嬢様に何も言えないのが悔しいくらいです」
「なんだかムカつくわね、貴方」
「...今日はお前って呼ばないんだな」
パソっとつぶやかれた低めの色っぽい声。
というかいつも私、レイのことお前って呼んでたの...?流石悪役令嬢だわ、いや、この無駄なスタイルと顔で数多くの男を詐欺って来たわけだから、もうこ!は『悪役』ではなく『悪徳』よね。
「だから聞こえてるってば」
「わざとですよ。わざと聞こえるようにしてるんです」
「どうして?」
「っ、察してください、お嬢様」
察したくなかったはずなのに...私はレイがくいくいっと腰を揺らす動作が不思議に思い思わず視線を移してしまった。
「...貴方ね...こんな時に」
「どんな時も男はずっと欲情してるんですよ」
「...殿下もそうなのかしら」
殿下はヒロインを見つめることが多いけどそれはそういうことなのかな?
と、少しでも思ってしまった私を許して欲しい。
わたしの暗かった気持ちは、キッチンを見てすっかり晴々とした気持ちになった。
キッチンはわたしが一番落ち着く場所...
前世高校生にして一人暮らしだった私は暇さえあれば料理やスイーツを作っていた。
「...何作ろう」
私は冷蔵庫の中を覗く。
前世の私が使っていた小さい冷蔵庫とは比べ物にならない...流石貴族。
しかもいろんなものが入っている。
...今は冬だし、あったかいものが食べたいよね...
いつ春になるんだろう。
春になったら入学しないといけなわけでしょ...?
まったくどうしてこの世界は18歳から学校に通わなくてはならないのか。
成人は16なのにおかしいと思うよ。
それと春といえば....
お兄様が留学から帰ってくる!?
今思い出した、そうだ!!
お兄様が家にいないのは留学で隣国に行ったからだった...どうしよう、後数ヶ月でわたしの平穏な(?)暮らしが...
いやまだこっちに来て二日ぐらいしか経ってないんだけども。
まあ、お兄様はアニメの中じゃわたしのことを毛嫌いしているから帰ってくるなり暴言を吐くに違いないわ。
いや、あの性格だとネチネチ嫌味を言うのかな...。
なんか執事のレイとキャラが若干かぶってるな...
レイも嫌味キャラだもんね...
腹黒、まずは外堀からみたいな感じのキャラ...
結局アニメは最終回を迎えてなくて、ウロウロして逆ハーみたいな状態になってるんだっけ...
どのキャラもファンが多いから一人に決められないのはわかるけど....
...私...って、確か王太子の婚約者だよね。
それでわたしが主人公をいじめたっていう、やくあるシンデレラストーリーのやつで...
これはまずいぞ....
わたし追放されたら当てがない。
わたしをうまく処理するためにはお父様やお母様からと考える人もいるかもしれない。
前世あまり親孝行できずに死んだんだから、今世こそちゃんと親孝行しなきゃ。
迷惑かけちゃダメだ。
...って、結局料理がちっとも進んでない。
仕方ない、短時間でできるスイーツにしよう...
◇
結局悩んだ末にできたのは塩キャラメルチョコ。
なかなか美味しい。
ってか、料理じゃないじゃん...まあいっか。美味しいならそれでいいんだ。
「貴方も食べる?」
「!!」
差し出すとレイは意外と素直に受け取った。
「!美味しい...こんな美味しいものは初めて食べました」
「大袈裟ね、でも、確かに美味しいと思うわ」
「そうですね...自分で自分を褒めているお嬢様に何も言えないのが悔しいくらいです」
「なんだかムカつくわね、貴方」
「...今日はお前って呼ばないんだな」
パソっとつぶやかれた低めの色っぽい声。
というかいつも私、レイのことお前って呼んでたの...?流石悪役令嬢だわ、いや、この無駄なスタイルと顔で数多くの男を詐欺って来たわけだから、もうこ!は『悪役』ではなく『悪徳』よね。
「だから聞こえてるってば」
「わざとですよ。わざと聞こえるようにしてるんです」
「どうして?」
「っ、察してください、お嬢様」
察したくなかったはずなのに...私はレイがくいくいっと腰を揺らす動作が不思議に思い思わず視線を移してしまった。
「...貴方ね...こんな時に」
「どんな時も男はずっと欲情してるんですよ」
「...殿下もそうなのかしら」
殿下はヒロインを見つめることが多いけどそれはそういうことなのかな?
と、少しでも思ってしまった私を許して欲しい。
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