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飯まず設定なんてなかったよねぇえ!?①
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「ぅ、おぇええ...」
私がこの世界に転生?転移?憑依?してから初めて出た言葉は嗚咽だった。
気がつけばふかふかの高い椅子にピンと背を伸ばして座っていて、ご飯を食べている最中だった。
一番偉そうな豪華な椅子に座っているイケオジが口を開く。
「どうした?リリー。もしかしてご飯が不味かったのか?いや、毒をもられた可能性も...」
イケオジはそのきつく貫禄のある強面、それでいてカッコいい顔を似合わなく歪ませ慌て出した。
「い、いえ。お父様。そんなことらありませんわ。お父様があまりにカッコ良すぎて、見惚れていて、それで、手が止まっていたのですわ」
「り、リリー...なんて親孝行なんだ!父様はお世辞でもそう言ってくれると嬉しいよ。ああ、感動で涙が出そうだ」
お父様...?
とっさに思いついた言葉を必死に紡いだのだが、まさか本当に合っていたとは。
まあ食卓を一緒にを囲んでいるのだから家族なんだろうなとは思ったけど、よかったー。
お兄様とかじゃなくてよかったー!!
イケメンだとお父様レベルの年でもお兄さんに見えるわ。
「ぉ、ぉぇぇ」
私は小声で嗚咽する。
私は無意識にご飯を口に運んでいたそうで、今更この薄くて気持ち悪い味だったことを思い出す。
「お、お父様。私、ちょっと体調が悪いので外させていただきますわ」
「わかった。というか、やっぱり毒とか...いや、毒味はさせているしそんなことひ...うーむ」
わかった、の後がよく聞き取れなかったけど、まあ一度出した了承を、やっぱりダメというものではないだろう。
とりあえず状況を整理せねば。
◇
ボフンっ
部屋がわからなかったから正直執事がついてくれてよかった...
お礼とか言ったほうがいいのかな?
でも正直貴族ってこんなことでいちいちお礼を言わないイメージがあるんだよな...
まあそれも前世のアニメや漫画の話だけど。
そう、私は死んだ。
誰かに押されて、電車に見事にダイブした。
私に恨みか何かあったのかな...。
いや、そんなわけないか。
無差別殺人とかそういう奴なのだろう。
私恨み買うようなことしてないし。
...多分。
それで次に目覚めたら、ふかふかの椅子の上にででーんと座って不味い飯の夕飯を食べている最中だった、というわけだ。
信じられない、いまだに信じられないけど...
悪くないかも。
大好きな、ファンタジー?いや、中世ヨーロッパの世界に転生できたのだ。
しかも、貴族!
見たところかなり高位貴族なのだろう。
ラッキーだ。
そう、ご飯がまずいことを除いて。
私がこの世界に転生?転移?憑依?してから初めて出た言葉は嗚咽だった。
気がつけばふかふかの高い椅子にピンと背を伸ばして座っていて、ご飯を食べている最中だった。
一番偉そうな豪華な椅子に座っているイケオジが口を開く。
「どうした?リリー。もしかしてご飯が不味かったのか?いや、毒をもられた可能性も...」
イケオジはそのきつく貫禄のある強面、それでいてカッコいい顔を似合わなく歪ませ慌て出した。
「い、いえ。お父様。そんなことらありませんわ。お父様があまりにカッコ良すぎて、見惚れていて、それで、手が止まっていたのですわ」
「り、リリー...なんて親孝行なんだ!父様はお世辞でもそう言ってくれると嬉しいよ。ああ、感動で涙が出そうだ」
お父様...?
とっさに思いついた言葉を必死に紡いだのだが、まさか本当に合っていたとは。
まあ食卓を一緒にを囲んでいるのだから家族なんだろうなとは思ったけど、よかったー。
お兄様とかじゃなくてよかったー!!
イケメンだとお父様レベルの年でもお兄さんに見えるわ。
「ぉ、ぉぇぇ」
私は小声で嗚咽する。
私は無意識にご飯を口に運んでいたそうで、今更この薄くて気持ち悪い味だったことを思い出す。
「お、お父様。私、ちょっと体調が悪いので外させていただきますわ」
「わかった。というか、やっぱり毒とか...いや、毒味はさせているしそんなことひ...うーむ」
わかった、の後がよく聞き取れなかったけど、まあ一度出した了承を、やっぱりダメというものではないだろう。
とりあえず状況を整理せねば。
◇
ボフンっ
部屋がわからなかったから正直執事がついてくれてよかった...
お礼とか言ったほうがいいのかな?
でも正直貴族ってこんなことでいちいちお礼を言わないイメージがあるんだよな...
まあそれも前世のアニメや漫画の話だけど。
そう、私は死んだ。
誰かに押されて、電車に見事にダイブした。
私に恨みか何かあったのかな...。
いや、そんなわけないか。
無差別殺人とかそういう奴なのだろう。
私恨み買うようなことしてないし。
...多分。
それで次に目覚めたら、ふかふかの椅子の上にででーんと座って不味い飯の夕飯を食べている最中だった、というわけだ。
信じられない、いまだに信じられないけど...
悪くないかも。
大好きな、ファンタジー?いや、中世ヨーロッパの世界に転生できたのだ。
しかも、貴族!
見たところかなり高位貴族なのだろう。
ラッキーだ。
そう、ご飯がまずいことを除いて。
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