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彼と彼女のstart

-7-彼の今世

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そしてルネリア、いや、今世ではミアーシュだと名乗っていたな...

ミアーシュに『魔法を教える』という理由をつけてなんとか、関係を繋ぐことができた。

魔法は数日や、数週間で上達するものではないから、しばらくはここに通ってくれるだろう...

だからその心配はいらない。

...だが、問題はそこじゃない。

こればかりは俺にはどうしようもできないのだが、もし、もしだ。

——ミアーシュが第三の誰かおとこを好きになったらどうしよう。

だって、俺だって、ミアーシュから見れば外見は悪くは無いと思うけど、うちの部隊は前世の美醜感覚でいけば美形が多いから...

ミアーシュが部下と腕を組んで俺に報告しに来る姿が脳裏にハッキリと浮かぶ...

くそ、なんでこんなにもリアルなんだよ...。

俺は考えたくなくなくなってただひたすらに剣を振った。



しばらくしてお昼頃になった。

ミアーシュが一度、第三に来てから数日経った今でも、団員の話題はミアーシュで持ちきりだ。

しかも、ムカつくことに、俺の前だけでは話さないようにしている。

俺に気づかれないようにしてるつもりらしいが、バレバレだ。

それはもう、わざとか!って言いたくなるくらいにバレバレなのだ。

だから余計にムカつく...

また話しているみたいだ。

「やっぱ、団長ってあのお嬢様に気があるよな!俺は応援するかな、下手に手を出したら怖いし...」

「まじかぁ...嫌でも、俺らだったら団長よりはマシな顔してるくね?団長が振られたら俺はチャレンジするわー」

「いやいや、考えてみろって!好きか嫌いかの問題じゃなくて、団長に告白されたら怖くて、YESしか出ないだろ(笑)」

....こいつらほんと懲りねぇな。

口で言ってもわからないようなら、物理的に黙らせるしかないよなあ?

「お前ら...何無駄口叩いてんだ。そうだ、お前ら昼食べる前だろ?飯食ったら動けなるからさあ。その前にちょっと動こうよ」

「「「ひぃ!!」」」

俺はこいつらからもらった怒りと、溜まりに溜まっていたストレスをぶつけたのだった。


「...俺、もう騎士団やめよっかな」

「...俺も。でも騎士以外に仕事もねえしな」

「森に入って自給自足でもして...」

「「はは、そりゃいいな。ははは、はははははは」」

ちなみに団員3名は心が折れたそうです。



次の日、ミアーシュは本当に魔法を教わりに第三へと足を運んでくれた。

俺は、魔法は集中力が必要だという、それっぽい理由をつけて、緊張をほぐすからと、ミアーシュとまずは会話をすることにした。
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