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第1章:花ひらく頃、三条大橋にて
余談:其ノ壱(下)★
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「あ、やあっ」
尖った突起の先をこね回す。くるくる円を描いて刺激を続けるとぷくりと膨らみ、薄茶色の乳首は濃いピンクに色づいていく。
真っ白な胸に咲く紅色は嚙み切って食べてしまいたいくらい魅惑的だ。
「やだ、黒井君、そこじゃなっ」
「やじゃないでしょう。白井さん、乳首こねられるの好きじゃないですか。気持ちよくない?」
「気持ちいい、けど、前ってそこじゃな……」
おねだりは無視して、小さい耳にかぶりついた。
水音を立ててねぶると、白井はまた可愛く悶えた。
楽しい。楽しいし、嬉しいし、どうにかなるんじゃないかってくらい興奮する。理性なんかクソくらえだ。
「んっ、やあ、も、出したいっ……」
白井は涙目で恨めしそうに睨んでくるが、そんなことしたって逆効果だ。余計いじめたくなるだけ。あんたも男なら分かれよ。
白井の陰茎はまだ触れてもいないのに天を向いて先走りを垂らしている。先走りの量が多いので竿まで垂れて濡れている。
死ぬほど触ってほしいだろうに、直接口にしないのは羞恥心か被虐心か。畳の上で女座りに崩れた脚がなまめかしい。
「出したい?」
恥ずかしいことを言わせたくて確認するように聞くと、白井は人形のようにこくこくと首を振った。
「じゃあ、こっちで出しましょう」
黒井は手首を返して後孔に入れたままの指の向きを変えた。
二本の指で腹側の良い所を撫ぜると、白井は嬌声を上げて腰を浮かせた。
「あっ! あ、やだ、そこやだっ。出る、から」
「出したいんでしょ」
「やあっ、後ろだけでイくの、無理。怖い」
「怖くないですよ。いつも上手に出せるじゃないですか」
黒井は強弱をつけながら指先で前立腺を根気よく擦った。
性器をしごかずに達した後、いつも白井はぐずぐずになる。全身が性感帯になったように、どこを触っても過敏に反応する。いつも生真面目に指導してくる人が、我を失ってとろける姿がたまらない。
そんな痴態を見られるのだから、指がふやけたりだるくなるくらいどうってことない。
白井の膝が震えている。指先が張り詰めて、声のトーンが上がっている。
「……やあっ、あ、あっ」
「ああ、いいですね。すごくきもちよさそう」
高まるところまで高まりつめたら、後は突き落とすだけだ。
黒井は指先を動かしたまま、もう一方の手で黒井の乳首を強くつねり、同時に首筋に歯を立てた。
「あっ、ああああっ!」
背筋を大きく反らせて白井が達する。
放たれた精液が床柱や畳にどろりと散る。
「ほら、上手にイけたじゃないですか」
白い首筋につけた歯形をべろりと舐めると、白井は腰を震わせた。息が荒い。
黒井は手首を拘束していた腰ひもをほどいた。支えを失ってくず折れた白井の身体を抱きとめる。
脱ぎ散らかしていた浴衣を畳に広げ、その上に白井を寝かせた。
ほっそりとした白井の性器からは白濁の残滓がとぷとぷと出ている。
白井は剣道の名手だ。華奢に見えるが、細い身体はどこも綺麗に引き締まっている。
腹筋を愛でながら、力の入っていない両脚を大きく開かせる。
「え?」
白井が認識するより早く、黒井は猛った自身を蕾に押し入れた。
「あ、や、やあっ」
「嫌じゃないだろ。こんなにひくつかせて」
わざと乱暴に言うと、その言葉にさえ感じるのか白井はまたかそけく喘いだ。
「だって、まだ出したばっかり」
「イきたいって頼んだのは白井さんでしょう」
「なんで、壮太、今日、意地悪っ」
寝屋の中でだけ、白井は礼儀正しい言葉遣いを忘れる。
寝屋の中でだけ、白井は黒井を名前で呼ぶ。愛おしい。
「白井さんが可愛いからです。ほら、これ、好きでしょう」
腰を小刻みに動かして、カリで入り口の浅い部分をねぶる。カリの下と裏筋が縁でこすれて気持ちがいい。黒井はほつれた鬢を掻き上げて、欲望を制御するために唇を嚙んだ。
早く奥まで突っ込んでガンガンに掘りたいけど、まだ我慢だ。
「ん、好き。きもちい」
白井の腰がゆるゆる動いている。入り口がもどかしいのか、奥に誘いこもうとしている。
誘いには乗らずに、黒井は前立腺の手前までの短い距離だけ往復する。
「壮太あ」
「なんですか?」
「もっと」
「ん? なんですか?」
「もっと、奥、来て」
白井が両腕を伸ばして首にしがみついてくる。ああ、なんて素敵な生き物だ。俺だけのものだ。
「奥だけじゃ分かりませんよ。ちゃんと言わないと」
「え……」
「俺の何で自分の何をどうされたいのか。このやらしいお口で、ちゃんと言ってください」
薄い唇を指先でなぞると、漏れた吐息が指先にかかった。
やることをやっているくせに武士の矜持が許さないのか、白井は悲壮な顔で唇を嚙んでいる。可愛いがすぎる。
「強情だなあ。ほら、早く言わないと、いつまで経っても終わりませんよ。入り口だけで満足なんですか?」
畳みかけるとふるふると首を振る。戯れに両の乳首を摘まむと、白井は「あっ」とまた声を上げた。
「じゃあ、言ってください。壮太のまらを私の奥まで突っ込んでぐちゃぐちゃに掻き回してって、お願いしてみて」
白井の唇が開かれる。けれど音声にはならず、代わりに涙が零れ出た。
性交で桃色に染まった目元が濡れて、雫が浴衣に流れていく。
白井の泣き顔は興奮するけれど同時に胸が痛くなる。胸の痛みの方が強い。やりすぎた。
「ごめんなさい。意地悪しすぎましたね」
黒井はありったけの優しさを込めた声で謝り、流れる涙を舐めとった。
体勢をまっすぐに整えて、白井の中を慎重に進んでいく。
女ではないから、無理矢理突っ込んだり角度を間違えたりすると傷つけてしまう。
男の抱き方を知らなかった最初の時、下手をして白井に痛い思いをさせてしまった。それ以来、どれだけ切羽詰まっても、傷つける抱き方だけはしないと自分を戒めている。
腰を前後しながら少しずつ納めていく。
痛いくらい張り詰めた一物があたたかさに包まれていく。至福の時だ。
奥まで入り切ると、白井が感じ入ったように深い吐息を漏らした。
激しい嬌声もいいが、この溜息はもっといい。
どちらからともなく口づけを交わす。
ゆっくりと、互いを慈しむように腰を動かした。
深くて長い絶頂のあと、白井が「壮太。大好きだよ」と言ってくれた。
汗と体液で濡れる白井の身体を抱き込んで、黒井も告げる。
「俺もです。白井さんが大好きです。愛しています」
息が整った後も甘やかな雰囲気を堪能したくて、黒井は腕の中の白井の身体を撫でさするが、白井はするりと抜け出て黒井の浴衣を羽織った。
「黒井君」
呼びかける白井の声音は平時に戻っている。
「はい」
「朝食を取ったら、掃除をしてください」
畳の床にはぐちゃぐちゃ着物が散らばり、床の間にも柱にも白濁が飛んでいる。
「はい。でもそれ、飛ばしたのは白井さん……痛っ」
活けかけのまま放置されていた南天の茎で甲を刺された。
白井の変わり身の早さがおかしくて、黒井は笑う。
「何がおかしいんですか」
「いえ。俺の彼氏は可愛いなあとつくづく思いまして」
「もう一回刺されたいようですね」
「勘弁してください。掃除をして飯を食ったら、釣りにでも行きましょうか」
休日のデートに誘うと、白井はいいですねと頷いて、頬にキスをしてくれた。
尖った突起の先をこね回す。くるくる円を描いて刺激を続けるとぷくりと膨らみ、薄茶色の乳首は濃いピンクに色づいていく。
真っ白な胸に咲く紅色は嚙み切って食べてしまいたいくらい魅惑的だ。
「やだ、黒井君、そこじゃなっ」
「やじゃないでしょう。白井さん、乳首こねられるの好きじゃないですか。気持ちよくない?」
「気持ちいい、けど、前ってそこじゃな……」
おねだりは無視して、小さい耳にかぶりついた。
水音を立ててねぶると、白井はまた可愛く悶えた。
楽しい。楽しいし、嬉しいし、どうにかなるんじゃないかってくらい興奮する。理性なんかクソくらえだ。
「んっ、やあ、も、出したいっ……」
白井は涙目で恨めしそうに睨んでくるが、そんなことしたって逆効果だ。余計いじめたくなるだけ。あんたも男なら分かれよ。
白井の陰茎はまだ触れてもいないのに天を向いて先走りを垂らしている。先走りの量が多いので竿まで垂れて濡れている。
死ぬほど触ってほしいだろうに、直接口にしないのは羞恥心か被虐心か。畳の上で女座りに崩れた脚がなまめかしい。
「出したい?」
恥ずかしいことを言わせたくて確認するように聞くと、白井は人形のようにこくこくと首を振った。
「じゃあ、こっちで出しましょう」
黒井は手首を返して後孔に入れたままの指の向きを変えた。
二本の指で腹側の良い所を撫ぜると、白井は嬌声を上げて腰を浮かせた。
「あっ! あ、やだ、そこやだっ。出る、から」
「出したいんでしょ」
「やあっ、後ろだけでイくの、無理。怖い」
「怖くないですよ。いつも上手に出せるじゃないですか」
黒井は強弱をつけながら指先で前立腺を根気よく擦った。
性器をしごかずに達した後、いつも白井はぐずぐずになる。全身が性感帯になったように、どこを触っても過敏に反応する。いつも生真面目に指導してくる人が、我を失ってとろける姿がたまらない。
そんな痴態を見られるのだから、指がふやけたりだるくなるくらいどうってことない。
白井の膝が震えている。指先が張り詰めて、声のトーンが上がっている。
「……やあっ、あ、あっ」
「ああ、いいですね。すごくきもちよさそう」
高まるところまで高まりつめたら、後は突き落とすだけだ。
黒井は指先を動かしたまま、もう一方の手で黒井の乳首を強くつねり、同時に首筋に歯を立てた。
「あっ、ああああっ!」
背筋を大きく反らせて白井が達する。
放たれた精液が床柱や畳にどろりと散る。
「ほら、上手にイけたじゃないですか」
白い首筋につけた歯形をべろりと舐めると、白井は腰を震わせた。息が荒い。
黒井は手首を拘束していた腰ひもをほどいた。支えを失ってくず折れた白井の身体を抱きとめる。
脱ぎ散らかしていた浴衣を畳に広げ、その上に白井を寝かせた。
ほっそりとした白井の性器からは白濁の残滓がとぷとぷと出ている。
白井は剣道の名手だ。華奢に見えるが、細い身体はどこも綺麗に引き締まっている。
腹筋を愛でながら、力の入っていない両脚を大きく開かせる。
「え?」
白井が認識するより早く、黒井は猛った自身を蕾に押し入れた。
「あ、や、やあっ」
「嫌じゃないだろ。こんなにひくつかせて」
わざと乱暴に言うと、その言葉にさえ感じるのか白井はまたかそけく喘いだ。
「だって、まだ出したばっかり」
「イきたいって頼んだのは白井さんでしょう」
「なんで、壮太、今日、意地悪っ」
寝屋の中でだけ、白井は礼儀正しい言葉遣いを忘れる。
寝屋の中でだけ、白井は黒井を名前で呼ぶ。愛おしい。
「白井さんが可愛いからです。ほら、これ、好きでしょう」
腰を小刻みに動かして、カリで入り口の浅い部分をねぶる。カリの下と裏筋が縁でこすれて気持ちがいい。黒井はほつれた鬢を掻き上げて、欲望を制御するために唇を嚙んだ。
早く奥まで突っ込んでガンガンに掘りたいけど、まだ我慢だ。
「ん、好き。きもちい」
白井の腰がゆるゆる動いている。入り口がもどかしいのか、奥に誘いこもうとしている。
誘いには乗らずに、黒井は前立腺の手前までの短い距離だけ往復する。
「壮太あ」
「なんですか?」
「もっと」
「ん? なんですか?」
「もっと、奥、来て」
白井が両腕を伸ばして首にしがみついてくる。ああ、なんて素敵な生き物だ。俺だけのものだ。
「奥だけじゃ分かりませんよ。ちゃんと言わないと」
「え……」
「俺の何で自分の何をどうされたいのか。このやらしいお口で、ちゃんと言ってください」
薄い唇を指先でなぞると、漏れた吐息が指先にかかった。
やることをやっているくせに武士の矜持が許さないのか、白井は悲壮な顔で唇を嚙んでいる。可愛いがすぎる。
「強情だなあ。ほら、早く言わないと、いつまで経っても終わりませんよ。入り口だけで満足なんですか?」
畳みかけるとふるふると首を振る。戯れに両の乳首を摘まむと、白井は「あっ」とまた声を上げた。
「じゃあ、言ってください。壮太のまらを私の奥まで突っ込んでぐちゃぐちゃに掻き回してって、お願いしてみて」
白井の唇が開かれる。けれど音声にはならず、代わりに涙が零れ出た。
性交で桃色に染まった目元が濡れて、雫が浴衣に流れていく。
白井の泣き顔は興奮するけれど同時に胸が痛くなる。胸の痛みの方が強い。やりすぎた。
「ごめんなさい。意地悪しすぎましたね」
黒井はありったけの優しさを込めた声で謝り、流れる涙を舐めとった。
体勢をまっすぐに整えて、白井の中を慎重に進んでいく。
女ではないから、無理矢理突っ込んだり角度を間違えたりすると傷つけてしまう。
男の抱き方を知らなかった最初の時、下手をして白井に痛い思いをさせてしまった。それ以来、どれだけ切羽詰まっても、傷つける抱き方だけはしないと自分を戒めている。
腰を前後しながら少しずつ納めていく。
痛いくらい張り詰めた一物があたたかさに包まれていく。至福の時だ。
奥まで入り切ると、白井が感じ入ったように深い吐息を漏らした。
激しい嬌声もいいが、この溜息はもっといい。
どちらからともなく口づけを交わす。
ゆっくりと、互いを慈しむように腰を動かした。
深くて長い絶頂のあと、白井が「壮太。大好きだよ」と言ってくれた。
汗と体液で濡れる白井の身体を抱き込んで、黒井も告げる。
「俺もです。白井さんが大好きです。愛しています」
息が整った後も甘やかな雰囲気を堪能したくて、黒井は腕の中の白井の身体を撫でさするが、白井はするりと抜け出て黒井の浴衣を羽織った。
「黒井君」
呼びかける白井の声音は平時に戻っている。
「はい」
「朝食を取ったら、掃除をしてください」
畳の床にはぐちゃぐちゃ着物が散らばり、床の間にも柱にも白濁が飛んでいる。
「はい。でもそれ、飛ばしたのは白井さん……痛っ」
活けかけのまま放置されていた南天の茎で甲を刺された。
白井の変わり身の早さがおかしくて、黒井は笑う。
「何がおかしいんですか」
「いえ。俺の彼氏は可愛いなあとつくづく思いまして」
「もう一回刺されたいようですね」
「勘弁してください。掃除をして飯を食ったら、釣りにでも行きましょうか」
休日のデートに誘うと、白井はいいですねと頷いて、頬にキスをしてくれた。
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