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召喚士ミスカ、学園祭で奮闘する。1
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葡萄の月。
湿度を孕んだ夏の空気はすっかり消えうせ、朝夕の風がぐんと涼しくなった。見上げる空も高い。
2か月前に勃発したアクアイル王国と砂漠の国デザイアの戦争―通称「7日間戦争」の名残りも、夏の気配と共に消え去ったように、王宮都市アクアイルは平和を取り戻していた。
そんな中、アクアイル王立魔法学校1年1組の教室は、来たる学園祭に向けて喧喧囂囂としていた。
「みんなも既に知っているとおり、10月1日は我が魔法学校学園祭です」
1年1組の担任であるキリエが切り出すと、教室は瞬時に生徒たちの歓声に包まれた。
「よっしゃー、やってやるぜー」
「待ってました!!」
「目指せ学年1位!」
「いや、全校1位だろっ!」
1年生は12歳。
甲高い声の中に、声変わりが始まった掠れた声も混じっている。
「それだけやる気があれば十分ね」
盛り上がる教室を鎮めるべく、キリエは手を打ち鳴らした。
「当校の学園祭は各クラス、各クラブがそれぞれ出し物をすることになっています。学園祭の出し物と言えば、各種飲食店、演劇、ダンス、お化け屋敷、ファッションショー、脱出ゲーム等々。普通の学校なら何をするか決めるところから始まるんでしょうけど、当校では学校側が出し物を指定します」
途端に教室はブーイングの嵐だ。
「なんだよそれー!」
「管理教育じゃねーか」
「俺、お化け屋敷がやりたかったのに!」
「あたしはファッションショーがよかったなあ」
キリエは再び手を打ち鳴らす。
「学園祭はお遊びではなく教育の一環。与えられた予算と条件下でどれほどの成果を上げられるかを測る場です。学校側が指定するっていう表現はよくなかったわね。実際には、学校側が用意したあみだくじを各クラスの代表が引いて決まります。で、実は昨日のうちに、各クラス委員長によるくじ引きが行われました。アガサ、前へ」
委員長のアガサが教壇に立った。
赤毛の三つ編みに眼鏡の地味な印象の女の子だが、その翡翠色の目はどきりとするほど理知的だ。
アガサは持っていたくじを読み上げた。
「飲食店。メニューは最低3品以上。草食獣、魚竜種、おばけキノコの3食材を必ず用いること。店内装飾はメニューに相応しいものとすること。予算10万ギル。純利益20万ギルを達成すること。なお、全クラス/クラブ共通事項として、学園祭期間中、校内に限り魔法使用制限なし。但し、妨害や不正行為は厳罰に処す。」
その条件の細かさに、教室は沈黙に包まれる。
「はい。じゃあ、あとは生徒の自主性に任せるってことで、先生は退散しますね。毎週月曜と水曜のホームルームと、放課後は学園祭の準備に当てていいから。クラブに所属してる子は二足の草鞋で大変だろうけど、みんなも知ってのとおり、売上高が学年トップのクラスには豪華賞品が、全校トップのクラスには研修旅行がプレゼントされるから、気合入れて頑張るのよ」
キリエは教師とは思えない色っぽいウィンクを投げると、さっさと教室を出ていった。
副委員長である召喚士ミスカは、体育委員の召喚士カジョと文化委員の黒魔術師サクゾーと共に教壇に向かった。
アガサを含めて4人で輪になる。
「まず、担当ごとにグループ分けして、学園祭までのスケジュールを決める感じかな」
ミスカの提案に3人が頷く。
「だな。各グループのグループ長を決めて、そいつらで全体を仕切るようにしよう」
とカジョ。
「女子は私だけじゃまとめきれないから、ルチアの力を借りたい」
ミスカは毎回感心するのだが、アガサはいつも自分の立ち位置をよく把握している。
魔法学校では、1年生クラスの委員長と副委員長は入学試験の成績で選出される。
ミスカとアガサは同点首位だったので、願書受付順でアガサが委員長になると入学式の際に説明を受けた。
アガサはめちゃくちゃ頭が切れるが、賑やかしいクラス―特にファッションアイコンのような活発な女の子をスクールカーストの上位と認定する女子たち―をまとめきれるタイプではない。
自然、クラス行事の際は、ミスカ、カジョ、サクゾーの男子3人が彼女を支える形が出来上がった。
「必要なのは、食材調達班、調理班、設営班、接客班、会計班、宣伝班ね。調理班は料理が上手いガリーナで、調達班にはサクゾーが入って。お兄さんがジョージの食堂でバイトしてるから、頼りになるでしょ。宣伝班はルチアで、接客班はミスカ。ルチアは校内の人気が高いし、ミスカはお兄さんの道具屋さんの手伝いで接客はお手のものだから。設営班は演劇部で大道具やってるモリッキオかな」
アガサがすらすらと役割を振っていく。
こういう時のアガサはとてもカッコよく、ミスカは焦ってしまう。
「あれ、俺は?」
「カジョは盛り上げ役。一番大事でしょ」
「アイアイサー」
カジョはおどけて敬礼し、クラスに向き直った。
大きく息を吸いこんで、拳を振り上げた。
「学園祭は真剣勝負だ!」
カジョの振りに、ノリのいい男子たちが雄たけびを上げる。
「絶対全校1位取るからな! 上級生もお構いなしだ!」
教室は叫び声と拍手で包まれる。
ミスカは1組のこの雰囲気が大好きだ。
拍手をしながら、隣のアガサに囁いた。
「普通、学園祭ってもっとお気楽な遊びだよな」
「そんなこと言って、ミスカすごく楽しそう」
そういうアガサの顔も、これから始まるお祭りの楽しさを予感してか、上気している。
「アガサもな」
「うん。私、やるから」
眼鏡の奥の瞳が勝気に輝く。
その言葉の真意を、ミスカはすぐ知ることになる。
それからの1か月はまさに戦争だった。
ミスカとアガサの役目は、各班の作業の進捗状況と質を把握かつ是正しつつ、各班同士の連絡係となり、全体のスケジュールを管理することだ。
今年の学園祭で飲食店を催すのは全校で7クラス。
「最大の強敵は、2年3組のコスプレカフェと3年1組の歴史レストランかな。この2クラスは去年も飲食店をやってるし、特に3―1には王宮料理人の息子がいる」
サクゾーが、どこからか入手してきた全クラスの出し物リストをアガサに手渡した。
ほぼ全員が素人の学園祭では、経験値が大きなアドバンテージとなる。
「これは、プロ並みに根性入れてやらないと全校1位は難しいわね。味、値段、エンタメ性のどれもが他店より抜き出ていないと」
「一日に食べられる量も、お小遣いの額も限度があるからな。一番に行きたいって思わせる必要がある」
アガサの指摘にミスカも賛同する。
「うちのクラス、体力とノリだけはあるから、クオリティ上げんのは大丈夫だろ」
とカジョ。
「やるべきことは大体見えてるんだけど、どこまで要求していいのか悩みどころだわ」
アガサは思案顔だ。
悩む理由は容易に推察できたので、ミスカは助け舟を出した。
「アガサは、必要だと思うことは遠慮せずにどんどん指示してくれればいいよ。士気を維持して、不満が出ないようにするのは、カジョと俺が引き受けるから」
言ってから、ちょっとカッコつけすぎたかな、と自分でも恥ずかしくなったが、照れるミスカとは逆に、アガサは不敵な笑みを見せた。
「ありがとう。じゃあ、遠慮なくやらせてもらう」
そして、アガサの「遠慮なく」は、本当に遠慮がなかった。
食堂のジョージが「ダンジョンメシ」の創作にハマっていたという噂を聞きつけ、黒魔術師ガリーナ率いる調理班は、毎日ジョージの食堂に通いつめ、メニュー開発と調理練習に取り組んだ。
大量に作り置きが出来て、当日の調理が最小限で済み、温かく提供できる料理ということで、メニューは次の3つに決まった。
草食獣とキノコのクリームシチュー
魚竜種のオーブン焼き
草食獣のバゲッドサンド
ようやく完成した料理を試食したアガサは、自信満々なガリーナの鼻っ面をへし折るがごとく、
「美味しいけど、これじゃあリピーターは来ない」
とばっさり。
「営業期間は3日間。一見の客だけだと売上目標を達成できないから、もう一度食べたい、他のメニューも試してみたい、って思わせる味を追求して」
ルチアの取り巻きのガリーナは、最近ルチアがアガサと仲良くなったことに反発していて、アガサのことを快く思っていない。
「ちょっと。そういう言い方はないんじゃないの。だったら自分で作ってみなさいよ」
包丁片手に喧嘩腰になるガリーナを、
「まあまあガリーナ。おまえの実力ってこんなもんじゃないだろ。この前の調理実習で作ったリゾット、プロ並みの腕前だったじゃん」
とおだてなだめるのはカジョの役目。
が、ガリーナの眉間の皺が取れたと思ったら、アガサは、
「あと、飲み物とデザートも考えておいてね。この2つは利ザヤがいいから」
と容赦ない追い打ちをかける始末だ。
湿度を孕んだ夏の空気はすっかり消えうせ、朝夕の風がぐんと涼しくなった。見上げる空も高い。
2か月前に勃発したアクアイル王国と砂漠の国デザイアの戦争―通称「7日間戦争」の名残りも、夏の気配と共に消え去ったように、王宮都市アクアイルは平和を取り戻していた。
そんな中、アクアイル王立魔法学校1年1組の教室は、来たる学園祭に向けて喧喧囂囂としていた。
「みんなも既に知っているとおり、10月1日は我が魔法学校学園祭です」
1年1組の担任であるキリエが切り出すと、教室は瞬時に生徒たちの歓声に包まれた。
「よっしゃー、やってやるぜー」
「待ってました!!」
「目指せ学年1位!」
「いや、全校1位だろっ!」
1年生は12歳。
甲高い声の中に、声変わりが始まった掠れた声も混じっている。
「それだけやる気があれば十分ね」
盛り上がる教室を鎮めるべく、キリエは手を打ち鳴らした。
「当校の学園祭は各クラス、各クラブがそれぞれ出し物をすることになっています。学園祭の出し物と言えば、各種飲食店、演劇、ダンス、お化け屋敷、ファッションショー、脱出ゲーム等々。普通の学校なら何をするか決めるところから始まるんでしょうけど、当校では学校側が出し物を指定します」
途端に教室はブーイングの嵐だ。
「なんだよそれー!」
「管理教育じゃねーか」
「俺、お化け屋敷がやりたかったのに!」
「あたしはファッションショーがよかったなあ」
キリエは再び手を打ち鳴らす。
「学園祭はお遊びではなく教育の一環。与えられた予算と条件下でどれほどの成果を上げられるかを測る場です。学校側が指定するっていう表現はよくなかったわね。実際には、学校側が用意したあみだくじを各クラスの代表が引いて決まります。で、実は昨日のうちに、各クラス委員長によるくじ引きが行われました。アガサ、前へ」
委員長のアガサが教壇に立った。
赤毛の三つ編みに眼鏡の地味な印象の女の子だが、その翡翠色の目はどきりとするほど理知的だ。
アガサは持っていたくじを読み上げた。
「飲食店。メニューは最低3品以上。草食獣、魚竜種、おばけキノコの3食材を必ず用いること。店内装飾はメニューに相応しいものとすること。予算10万ギル。純利益20万ギルを達成すること。なお、全クラス/クラブ共通事項として、学園祭期間中、校内に限り魔法使用制限なし。但し、妨害や不正行為は厳罰に処す。」
その条件の細かさに、教室は沈黙に包まれる。
「はい。じゃあ、あとは生徒の自主性に任せるってことで、先生は退散しますね。毎週月曜と水曜のホームルームと、放課後は学園祭の準備に当てていいから。クラブに所属してる子は二足の草鞋で大変だろうけど、みんなも知ってのとおり、売上高が学年トップのクラスには豪華賞品が、全校トップのクラスには研修旅行がプレゼントされるから、気合入れて頑張るのよ」
キリエは教師とは思えない色っぽいウィンクを投げると、さっさと教室を出ていった。
副委員長である召喚士ミスカは、体育委員の召喚士カジョと文化委員の黒魔術師サクゾーと共に教壇に向かった。
アガサを含めて4人で輪になる。
「まず、担当ごとにグループ分けして、学園祭までのスケジュールを決める感じかな」
ミスカの提案に3人が頷く。
「だな。各グループのグループ長を決めて、そいつらで全体を仕切るようにしよう」
とカジョ。
「女子は私だけじゃまとめきれないから、ルチアの力を借りたい」
ミスカは毎回感心するのだが、アガサはいつも自分の立ち位置をよく把握している。
魔法学校では、1年生クラスの委員長と副委員長は入学試験の成績で選出される。
ミスカとアガサは同点首位だったので、願書受付順でアガサが委員長になると入学式の際に説明を受けた。
アガサはめちゃくちゃ頭が切れるが、賑やかしいクラス―特にファッションアイコンのような活発な女の子をスクールカーストの上位と認定する女子たち―をまとめきれるタイプではない。
自然、クラス行事の際は、ミスカ、カジョ、サクゾーの男子3人が彼女を支える形が出来上がった。
「必要なのは、食材調達班、調理班、設営班、接客班、会計班、宣伝班ね。調理班は料理が上手いガリーナで、調達班にはサクゾーが入って。お兄さんがジョージの食堂でバイトしてるから、頼りになるでしょ。宣伝班はルチアで、接客班はミスカ。ルチアは校内の人気が高いし、ミスカはお兄さんの道具屋さんの手伝いで接客はお手のものだから。設営班は演劇部で大道具やってるモリッキオかな」
アガサがすらすらと役割を振っていく。
こういう時のアガサはとてもカッコよく、ミスカは焦ってしまう。
「あれ、俺は?」
「カジョは盛り上げ役。一番大事でしょ」
「アイアイサー」
カジョはおどけて敬礼し、クラスに向き直った。
大きく息を吸いこんで、拳を振り上げた。
「学園祭は真剣勝負だ!」
カジョの振りに、ノリのいい男子たちが雄たけびを上げる。
「絶対全校1位取るからな! 上級生もお構いなしだ!」
教室は叫び声と拍手で包まれる。
ミスカは1組のこの雰囲気が大好きだ。
拍手をしながら、隣のアガサに囁いた。
「普通、学園祭ってもっとお気楽な遊びだよな」
「そんなこと言って、ミスカすごく楽しそう」
そういうアガサの顔も、これから始まるお祭りの楽しさを予感してか、上気している。
「アガサもな」
「うん。私、やるから」
眼鏡の奥の瞳が勝気に輝く。
その言葉の真意を、ミスカはすぐ知ることになる。
それからの1か月はまさに戦争だった。
ミスカとアガサの役目は、各班の作業の進捗状況と質を把握かつ是正しつつ、各班同士の連絡係となり、全体のスケジュールを管理することだ。
今年の学園祭で飲食店を催すのは全校で7クラス。
「最大の強敵は、2年3組のコスプレカフェと3年1組の歴史レストランかな。この2クラスは去年も飲食店をやってるし、特に3―1には王宮料理人の息子がいる」
サクゾーが、どこからか入手してきた全クラスの出し物リストをアガサに手渡した。
ほぼ全員が素人の学園祭では、経験値が大きなアドバンテージとなる。
「これは、プロ並みに根性入れてやらないと全校1位は難しいわね。味、値段、エンタメ性のどれもが他店より抜き出ていないと」
「一日に食べられる量も、お小遣いの額も限度があるからな。一番に行きたいって思わせる必要がある」
アガサの指摘にミスカも賛同する。
「うちのクラス、体力とノリだけはあるから、クオリティ上げんのは大丈夫だろ」
とカジョ。
「やるべきことは大体見えてるんだけど、どこまで要求していいのか悩みどころだわ」
アガサは思案顔だ。
悩む理由は容易に推察できたので、ミスカは助け舟を出した。
「アガサは、必要だと思うことは遠慮せずにどんどん指示してくれればいいよ。士気を維持して、不満が出ないようにするのは、カジョと俺が引き受けるから」
言ってから、ちょっとカッコつけすぎたかな、と自分でも恥ずかしくなったが、照れるミスカとは逆に、アガサは不敵な笑みを見せた。
「ありがとう。じゃあ、遠慮なくやらせてもらう」
そして、アガサの「遠慮なく」は、本当に遠慮がなかった。
食堂のジョージが「ダンジョンメシ」の創作にハマっていたという噂を聞きつけ、黒魔術師ガリーナ率いる調理班は、毎日ジョージの食堂に通いつめ、メニュー開発と調理練習に取り組んだ。
大量に作り置きが出来て、当日の調理が最小限で済み、温かく提供できる料理ということで、メニューは次の3つに決まった。
草食獣とキノコのクリームシチュー
魚竜種のオーブン焼き
草食獣のバゲッドサンド
ようやく完成した料理を試食したアガサは、自信満々なガリーナの鼻っ面をへし折るがごとく、
「美味しいけど、これじゃあリピーターは来ない」
とばっさり。
「営業期間は3日間。一見の客だけだと売上目標を達成できないから、もう一度食べたい、他のメニューも試してみたい、って思わせる味を追求して」
ルチアの取り巻きのガリーナは、最近ルチアがアガサと仲良くなったことに反発していて、アガサのことを快く思っていない。
「ちょっと。そういう言い方はないんじゃないの。だったら自分で作ってみなさいよ」
包丁片手に喧嘩腰になるガリーナを、
「まあまあガリーナ。おまえの実力ってこんなもんじゃないだろ。この前の調理実習で作ったリゾット、プロ並みの腕前だったじゃん」
とおだてなだめるのはカジョの役目。
が、ガリーナの眉間の皺が取れたと思ったら、アガサは、
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と容赦ない追い打ちをかける始末だ。
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