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カフェのレベッカ、恋バナに付き合う。(1)
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王宮都市アクアイルのレベッカのカフェといえば、くつろぎの場として有名だ。
人気月刊誌「クエスト☆メシ!」花の月号では、「冒険を中断しても立ち寄りたい店特集カフェ部門」で堂々1位に輝いたばかり。
コルク材の床にカナキパ織の絨毯―赤茶色をベースにカナキパ族特有の複雑な文様が織り込まれている―を敷き詰めた店内には、布張りのソファに低めの丸テーブルの席と、木製チェアに四角いテーブルの席を十分な間隔を開けて配している。
三方に配した大きな出窓から明るい光が差し込む中、常連も旅人も、美味しい紅茶とレベッカが腕に寄りをかけたケーキを楽しみながら、ゆったりとした雰囲気の中で読書に耽ったり穏やかなおしゃべりに興じたりする。
ここは、そんなくつろぎのカフェなのに。
店主のレベッカはワイングラス片手にカウンターを磨きながら苦笑する。
夜も更け、客もまばらとなった店内では、二人の女性が数時間にわたり怪気炎を上げており、他のお客様も本や書きものに集中しているフリをしながら興味深々で二人の会話を盗み聞きしている。
「レベッカさん、ワインもうないの~?」
空になったワイングラスを同時に差し出す二人に、レベッカはバイト君に近所の酒場まで取りにやらせたワインを開けてやった。
ラベルを見ると、ハーブの街リムールの最高級品だ。確かに銘柄の指定はしなかったが。
まったくロレンツォったら、足元見てくれるじゃない。
レベッカは毒づきながらグラスを満たす。
「深酒は美容の大敵なんだし、これで最後にするわよ。それに、そんなに彼氏に不満があるなら、さっさと別れて別の男と付き合えばいいじゃないの。必要ならいくらでも紹介してあげるわよ」
レベッカはぴしりと言い放つと、心の中で付け加えた。
そうすれば、自分の彼氏がどれだけ優良物件か気づくわよ。それに、ロレンツォのことだから、そろそろ・・。
さて、時は2時間前にさかのぼる。
薬師ニーナと弓使いマルタが二人とも何やら沈んだ様子で来店した。
ニーナとマルタは、アクアイルの南に位置する花の街リムールで生まれ育った幼なじみだ。
ニーナはクールで理論的、マルタは明るく感情的と正反対の性格だが、いや、正反対だからか、二人は妙に馬が合い、マルタがアクアイルに立ち寄った際はよく一緒に遊んでいるようだ。
「お待たせしました。ガトーオランジュにジャスミンティー、はちみつのムースにベリーベリーティでございます」
いがぐり頭のバイト君が注文された品をサーブすると、二人は目を輝かせた。
「ストレス解消にはやっぱこれが一番よねー」
マルタは早速ムースを一口食べ、顔をほころばせる。
「んー、美味しいー。滑らかなムースにほんのりはちみつの香り。苦みのあるママレードソースも絶妙ー。もうルシオのことなんかどうでもよくなっちゃう」
レベッカが思わずにやけてしまうくらい美味しそうにケーキを食べてくれるマルタに、優雅な仕草でジャスミンティーを飲んでいたニーナが静かな口調で尋ねた。
「で、ルシオと何があったの? 付き合ってもう3か月だっけ」
マルタは一旦フォークを置くと、深くため息をついた。
「違う違う。正式に付き合い始めたのは一昨日だもん」
「あら、キスされてすぐ付き合い始めたんじゃなかったの? 確か風の月よね、あれ」
ニーナの指摘にマルタは頬を赤らめる。
「あの後しばらくはぎくしゃくしちゃってたんだけど、旅に出てるうちに自然に元に戻って。寧ろ前よりも仲良くなったていうか。でもちゃんと付き合ってるわけじゃなかったし。とにかく、正式にお付き合いしましょうって話になったのは一昨日なの。で、あたし、そのことをキリエちゃんに話したのね」
「キリエさんって、マルタのパーティの賢者さんよね。すごくオシャレだって言ってた」
「そう。それで、その夜にね、キリエちゃん、出て行っちゃったの」
そう言うと、マルタは再びため息をつき、がっくりと肩を落とした。
「出て行ったって、パーティを脱退したってこと?」
「そう。勇者にだけ断って、武器も防具も全部置いて、あたしたちには挨拶もせずにいなくなっちゃった」
「でもそれ、ルシオとあなたのことが原因なの? マルタのパーティって恋愛禁止じゃなかったわよね。だとしたら、キリエさんの勝手な判断なんだから、マルタが落ち込む必要ないじゃない」
とニーナは正論をかます。
「それはそうなんだけど。キリエちゃんってバツイチで、恋愛を毛嫌いしてるところあったから。その、色んな男の人となんていうか、付き合ってたみたいだし」
キリエのあれは「付き合ってた」じゃなくて「遊んでた」って言うのよーとケーキ用のナッツのローストしながらレベッカは呟く。
キリエもこのカフェの客で、特に彼女が魔法学校の臨時教師をしていた時には、放課後よく立ち寄ってくれたものだ。
そっか、彼女、パーティを脱退しちゃったのね。
「自分のパーティに付き合ってる二人がいる状況って、キリエちゃん的にすごく不愉快だったのかも。なのにあたし、キリエちゃんの気持ちなんて考えずに、舞い上がっちゃって。きっと傷つけた」
いつも明るいマルタが落ち込んでいる様子に、レベッカまで悲しくなってしまう。
暗いテーブルにせめて甘やかな紅茶の匂いをもたらそうと、二人のティーポットに新しい湯を注ぐため、レベッカは二人のテーブルに歩み寄った。
はちみちのムースは半分残されたままだ。
「ルシオとのことを打ち明けた時、キリエさんはなんて言ってたの?」
ガトーオランジュを綺麗に食べ終えたニーナが静かな声で尋ねた。
「おめでとうって言ってくれて、これプレゼントしてくれた」
マルタは履いている防具を指さした。
初夏に上空を吹く風を思わせるような美しい水色のスカートだ。弓使いらしく引き締まったマルタの脚をより綺麗に見せている。
「素敵なスカートじゃない。よく似合ってるわ」
お客様の会話には口を挟まない主義だが、レベッカは思わずそう誉めた。
「ありがとうございます」
マルタが微笑む。
調子に乗ったレベッカが、ニーナにこっそりと「どこのスカートなの?」と訊くと、すかさず「風色のスカート。ニッコロの防具屋で4万2千ギル」と教えてくれた。
競合しない商店の商品まで把握しているなんて、流石やり手の薬師さんだとレベッカは感心する。
「私はキリエさんのことはよく知らないけど、きっと怒っても傷ついてもいないと思うわよ。プレゼントで判断するつもりはないけど、本当にお祝いしようと思ってなかったら、ちょっと変える金額じゃないもの。確かに、居づらくなった原因を作ったのはマルタとルシオかもしれないけど、どんな居場所だって永遠に同じではないもの。自分のいる場所の環境が変わってしまった時に、新しい環境に自分を適合させるか、別の新しい場所を探すかは、その人次第だわ」
ニーナがそう言い、レベッカも援護射撃をする。
「キリエはうちの常連客だったけど、彼女、そんなことで傷つくほどヤワな子じゃないわよ。恋愛に臆病にはなってるけど、自分を誰かと比較したりする子じゃないし。怒ってるとか傷ついてるとかじゃなくて、単に次の居場所を見つけたくなっただけだと思うわ。だから、あなたが気にする必要ないわよ。ほら、落ち込んだ時は甘いもの。うちのケーキ残したら許さないからね」
いたずらっぽく付け加えてウィンクすると、マルタはフォークを取った。
少し気が和らいだのか、ムースの残りの半分をぱくぱくと食べてしまう。
「それで、その話とルシオがどう関係あるの?」
ニーナが話を戻した。
レベッカも忘れていたが、そもそもの話はルシオのことだった。
ルシオの名前を聞いた瞬間、マルタの顔が今度は怒りに染まった。
「今話したようなことをルシオに話したのね。そしたら、あの男、慰めたり相談に乗ってくれるどころか逆ギレしてきて、「じゃあ俺たちは付き合わなきゃよかったのか」って怒鳴って部屋出て行っちゃったのよ!」
その時の様子を思い出したのか、マルタは激しい口調で言い、頬を膨らませた。
これは話が長くなるかもしれない。
こういう時の女子には甘い物もいいけれど、もっといい物もある。
レベッカは注ぐタイミングを逃していたお湯のポットを軽く掲げ提案した。
「まだお茶にする? それとも、ワインをお出しましょうか」
ニーナとマルタは顔を見合わせて、
「ワインをお願いします」
と同時に言った。気の合う二人だ。
「承知しました。では、何かおつまみもお出ししますね」
ワインの給仕はバイト君に任せ、レベッカは厨房に向かう。トマト、アボカド、チーズをカットしながら、話の続きに耳を澄ました。
人気月刊誌「クエスト☆メシ!」花の月号では、「冒険を中断しても立ち寄りたい店特集カフェ部門」で堂々1位に輝いたばかり。
コルク材の床にカナキパ織の絨毯―赤茶色をベースにカナキパ族特有の複雑な文様が織り込まれている―を敷き詰めた店内には、布張りのソファに低めの丸テーブルの席と、木製チェアに四角いテーブルの席を十分な間隔を開けて配している。
三方に配した大きな出窓から明るい光が差し込む中、常連も旅人も、美味しい紅茶とレベッカが腕に寄りをかけたケーキを楽しみながら、ゆったりとした雰囲気の中で読書に耽ったり穏やかなおしゃべりに興じたりする。
ここは、そんなくつろぎのカフェなのに。
店主のレベッカはワイングラス片手にカウンターを磨きながら苦笑する。
夜も更け、客もまばらとなった店内では、二人の女性が数時間にわたり怪気炎を上げており、他のお客様も本や書きものに集中しているフリをしながら興味深々で二人の会話を盗み聞きしている。
「レベッカさん、ワインもうないの~?」
空になったワイングラスを同時に差し出す二人に、レベッカはバイト君に近所の酒場まで取りにやらせたワインを開けてやった。
ラベルを見ると、ハーブの街リムールの最高級品だ。確かに銘柄の指定はしなかったが。
まったくロレンツォったら、足元見てくれるじゃない。
レベッカは毒づきながらグラスを満たす。
「深酒は美容の大敵なんだし、これで最後にするわよ。それに、そんなに彼氏に不満があるなら、さっさと別れて別の男と付き合えばいいじゃないの。必要ならいくらでも紹介してあげるわよ」
レベッカはぴしりと言い放つと、心の中で付け加えた。
そうすれば、自分の彼氏がどれだけ優良物件か気づくわよ。それに、ロレンツォのことだから、そろそろ・・。
さて、時は2時間前にさかのぼる。
薬師ニーナと弓使いマルタが二人とも何やら沈んだ様子で来店した。
ニーナとマルタは、アクアイルの南に位置する花の街リムールで生まれ育った幼なじみだ。
ニーナはクールで理論的、マルタは明るく感情的と正反対の性格だが、いや、正反対だからか、二人は妙に馬が合い、マルタがアクアイルに立ち寄った際はよく一緒に遊んでいるようだ。
「お待たせしました。ガトーオランジュにジャスミンティー、はちみつのムースにベリーベリーティでございます」
いがぐり頭のバイト君が注文された品をサーブすると、二人は目を輝かせた。
「ストレス解消にはやっぱこれが一番よねー」
マルタは早速ムースを一口食べ、顔をほころばせる。
「んー、美味しいー。滑らかなムースにほんのりはちみつの香り。苦みのあるママレードソースも絶妙ー。もうルシオのことなんかどうでもよくなっちゃう」
レベッカが思わずにやけてしまうくらい美味しそうにケーキを食べてくれるマルタに、優雅な仕草でジャスミンティーを飲んでいたニーナが静かな口調で尋ねた。
「で、ルシオと何があったの? 付き合ってもう3か月だっけ」
マルタは一旦フォークを置くと、深くため息をついた。
「違う違う。正式に付き合い始めたのは一昨日だもん」
「あら、キスされてすぐ付き合い始めたんじゃなかったの? 確か風の月よね、あれ」
ニーナの指摘にマルタは頬を赤らめる。
「あの後しばらくはぎくしゃくしちゃってたんだけど、旅に出てるうちに自然に元に戻って。寧ろ前よりも仲良くなったていうか。でもちゃんと付き合ってるわけじゃなかったし。とにかく、正式にお付き合いしましょうって話になったのは一昨日なの。で、あたし、そのことをキリエちゃんに話したのね」
「キリエさんって、マルタのパーティの賢者さんよね。すごくオシャレだって言ってた」
「そう。それで、その夜にね、キリエちゃん、出て行っちゃったの」
そう言うと、マルタは再びため息をつき、がっくりと肩を落とした。
「出て行ったって、パーティを脱退したってこと?」
「そう。勇者にだけ断って、武器も防具も全部置いて、あたしたちには挨拶もせずにいなくなっちゃった」
「でもそれ、ルシオとあなたのことが原因なの? マルタのパーティって恋愛禁止じゃなかったわよね。だとしたら、キリエさんの勝手な判断なんだから、マルタが落ち込む必要ないじゃない」
とニーナは正論をかます。
「それはそうなんだけど。キリエちゃんってバツイチで、恋愛を毛嫌いしてるところあったから。その、色んな男の人となんていうか、付き合ってたみたいだし」
キリエのあれは「付き合ってた」じゃなくて「遊んでた」って言うのよーとケーキ用のナッツのローストしながらレベッカは呟く。
キリエもこのカフェの客で、特に彼女が魔法学校の臨時教師をしていた時には、放課後よく立ち寄ってくれたものだ。
そっか、彼女、パーティを脱退しちゃったのね。
「自分のパーティに付き合ってる二人がいる状況って、キリエちゃん的にすごく不愉快だったのかも。なのにあたし、キリエちゃんの気持ちなんて考えずに、舞い上がっちゃって。きっと傷つけた」
いつも明るいマルタが落ち込んでいる様子に、レベッカまで悲しくなってしまう。
暗いテーブルにせめて甘やかな紅茶の匂いをもたらそうと、二人のティーポットに新しい湯を注ぐため、レベッカは二人のテーブルに歩み寄った。
はちみちのムースは半分残されたままだ。
「ルシオとのことを打ち明けた時、キリエさんはなんて言ってたの?」
ガトーオランジュを綺麗に食べ終えたニーナが静かな声で尋ねた。
「おめでとうって言ってくれて、これプレゼントしてくれた」
マルタは履いている防具を指さした。
初夏に上空を吹く風を思わせるような美しい水色のスカートだ。弓使いらしく引き締まったマルタの脚をより綺麗に見せている。
「素敵なスカートじゃない。よく似合ってるわ」
お客様の会話には口を挟まない主義だが、レベッカは思わずそう誉めた。
「ありがとうございます」
マルタが微笑む。
調子に乗ったレベッカが、ニーナにこっそりと「どこのスカートなの?」と訊くと、すかさず「風色のスカート。ニッコロの防具屋で4万2千ギル」と教えてくれた。
競合しない商店の商品まで把握しているなんて、流石やり手の薬師さんだとレベッカは感心する。
「私はキリエさんのことはよく知らないけど、きっと怒っても傷ついてもいないと思うわよ。プレゼントで判断するつもりはないけど、本当にお祝いしようと思ってなかったら、ちょっと変える金額じゃないもの。確かに、居づらくなった原因を作ったのはマルタとルシオかもしれないけど、どんな居場所だって永遠に同じではないもの。自分のいる場所の環境が変わってしまった時に、新しい環境に自分を適合させるか、別の新しい場所を探すかは、その人次第だわ」
ニーナがそう言い、レベッカも援護射撃をする。
「キリエはうちの常連客だったけど、彼女、そんなことで傷つくほどヤワな子じゃないわよ。恋愛に臆病にはなってるけど、自分を誰かと比較したりする子じゃないし。怒ってるとか傷ついてるとかじゃなくて、単に次の居場所を見つけたくなっただけだと思うわ。だから、あなたが気にする必要ないわよ。ほら、落ち込んだ時は甘いもの。うちのケーキ残したら許さないからね」
いたずらっぽく付け加えてウィンクすると、マルタはフォークを取った。
少し気が和らいだのか、ムースの残りの半分をぱくぱくと食べてしまう。
「それで、その話とルシオがどう関係あるの?」
ニーナが話を戻した。
レベッカも忘れていたが、そもそもの話はルシオのことだった。
ルシオの名前を聞いた瞬間、マルタの顔が今度は怒りに染まった。
「今話したようなことをルシオに話したのね。そしたら、あの男、慰めたり相談に乗ってくれるどころか逆ギレしてきて、「じゃあ俺たちは付き合わなきゃよかったのか」って怒鳴って部屋出て行っちゃったのよ!」
その時の様子を思い出したのか、マルタは激しい口調で言い、頬を膨らませた。
これは話が長くなるかもしれない。
こういう時の女子には甘い物もいいけれど、もっといい物もある。
レベッカは注ぐタイミングを逃していたお湯のポットを軽く掲げ提案した。
「まだお茶にする? それとも、ワインをお出しましょうか」
ニーナとマルタは顔を見合わせて、
「ワインをお願いします」
と同時に言った。気の合う二人だ。
「承知しました。では、何かおつまみもお出ししますね」
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