15 / 20
愛の力は偉大
しおりを挟む
翌朝、経済産業省のエレベーターで、梨緒とばったり出くわした。
「お疲れ」
「お疲れ。梨緒、動画ありがと」
「どういたしまして」
他の職員もいるので、夏野は声を落とした。
「あのさ、田村サキさんって知り合いだったりしないよな?」
梨緒は首を傾げて、小声で応じた。
「全然。彼女の拠点は中国だし。通訳会社に所属してるかもしれないから、ネット検索してみたら?」
「いや、いいんだ。ありがとう」
夏秀文。
何度もググってみたい衝動に駆られたが、やっぱりやめた。
そういうやり方って、なんか違う気がするのだ。古臭いかもしれないけど。
鳴りやまないキーボードの音。電話対応。テレビから流れる国会中継。走り回る若手職員。
午前中の執務室はばたばたと騒がしい。
夏野はパワーポイントを立ち上げて、明後日の総理説明用の資料を作成する。
見やすく分かりやすく美しく。パワポ技術はもはや職人技だ。
今は、課員全員、毎日深夜残業しても終わらないほどの繁忙期だ。
毎月1日は有給休暇を取得するよう奨励されているのは建前で、インフルエンザか冠婚葬祭でもないと休める雰囲気ではない。
マカオまでは飛行機で5時間弱。
土日で行かれない距離ではないが、ジーンが留守にしていたらアウトだ。
動画では香港にいたし、通訳の仕事は外出が多いだろう。
本当に、アホだな俺。
こんな思いをするなら、連絡先くらい聞いておけばよかった。
逃げ出さずに、ジーンの気持ちに向き合っていればよかった。
後悔先に立たずとはよく言ったものだ。
完成した資料案をメールに添付して、班長にチェックを依頼する。送信のEnterキーを押すと、夏野は席を立ち、同期の笹川がいる人事課に向かった。
「笹川」
「おう。日向。珍しいな」
笹川は夏野の表情を見ると、「廊下に出るか?」と腰を上げた。察しが良い男だ。
どの組織でも、その組織の特性に応じた花形部署はある。が、それ以上に権力を持つのが、ヒトとカネを司る部署だ。
経済産業省では、大臣官房秘書課と会計課がそれにあたる。前者は全職員の人事を、後者は文字通り全事業の予算を司る。
忖度や空気を読むのが得意な笹川は、まさに人事課に適任だ。
使っていない会議スペースに夏野をいざなうと、笹川は腕を組んだ。
「で、何の相談だよ」
「何で相談って分かるんだよ」
「顔見りゃ分かるだろ。おまえ、すぐ顔に出るし」
そんなに分かりやすいとはショックだが、話しやすくはなったので、夏野は切り出した。
「あのさ、うちの役所、マカオにポストとかないよな」
笹川は表情を崩さずに即答した。
「マカオにはないが、香港にはあるぞ」
「香港」
「マカオから、フェリーでもバスでも1時間前後だ」
笹川の指摘に、夏野は瞬く。
「え、そんな近いのか?」
「世界地図くらい見ろよ。ってか、そんなことも知らずにマカオ旅行してたのか」
その場でグーグルマップを確認すると、確かに近い。すぐそばだ。
「知らないだろ、普通」
「知ってるよ、普通。話が脱線したな。香港なら、日本貿易振興機構(JETRO)の香港事務所と香港総領事館がある。領事館の方は外務省に出向しての赴任だな」
「どっちか、俺が行けるチャンスってあるのか」
夏野ははやる心を押さえる。どきどきしている。
週末を使った電撃訪問も考えたけれど、会って思いを伝えたあと、なるべく長く一緒にいられる方法を探しておきたかった。
「ちょっと待ってろ」
笹川は一旦執務室に戻ると、すぐに戻ってきた。出来る男は仕事が早い。
「香港総のポストが空いてる。今送ってる奴が精神的にちょっとダメになって、後任を探してるところだ。上と話したが、日向は年次が若いがそこはなんとかなる。ただし、条件がひとつ」
「なに?」
「語学だ」
「英語じゃ駄目なのか」
「外務省は、できれば広東語が使える人材を望んでる。前任は12月上旬の帰国を希望しているから、あと3か月か。3か月でモノにできるか?」
マカオで耳にした広東語が蘇る。
エネルギーに満ちて歯切れがよく、けれど歌のようにも聞こえる、あの異国の言葉を。
山ほどの難しい漢字を。3か月で。
夏野はぎゅっと拳を握った。
「やる」
笹川は驚いた顔をしたが、眼鏡の奥の目はすぐに和らいだ。
「分かった。上司に伝えておく。後から正式に連絡するから」
「ん、サンキューな。持つべきものは同期だな」
「調子いいな」
笹川は笑って、付け加えた。
「しかし勉強嫌いの日向が広東語とは。愛の力は偉大だな」
「……は?」
夏野はフリーズする。
愛?
いや、愛、なんだろうけど。なんで笹川が。
「うまく行ってるんだろ、あのマカオの男と」
顔に血が昇る。あまりの羞恥に大声を上げた。
「はああ? 違う、違う、ちげえよ!」
「え、違うのか?」
「違う! まだ付き合ってない!」
「まだ? 何やってんの、おまえら」
夏野の慌てっぷりに、笹川は余裕の表情だ。
「ってか、なんでおまえが知ってんだよ、じゃなくて!」
「まあ、落ち着け」
混乱する夏野の肩をぽんぽんと叩いた。
「悪かったよ。知ってたわけじゃない。なんとなくそうかなって思ってただけで、おまえが今日マカオのポストを聞いてくるまでは確信もなかったよ。松井も含めて誰にも言ってない。ついでに偏見もない」
「なんで、そうかなって思ったんだ?」
恐る恐る聞いてみる。
笹川がジーンに会ったのは、あの朝食の時の一瞬だけだ。
確かにジーンは運命的な関係とか何とか恋モード全開で夏野に絡んできたが、あんな冗談みたいな戯れだけで、友人が男と付き合っているなどと思うだろうか。
「おまえ、顔に出やすいって言っただろ。帰りの空港で、帰りたくないって顔に書いてた。ずっと泣きそうな顔してたし、機内で寝てる時、その男の名前を何回も呼んでた」
笹川は静かに言った。揶揄う口調ではなかったが、それでも。
恥ずかしすぎる。
同期にそんな姿を見られるとは。
「恥ずい」
夏野はしゃがみ込んで、両手で顔を覆った。
「うん、だろうな」
「穴があったら入りたい」
「はは、穴はないからなー」
笹川は軽口を叩きながら夏野を見下ろし、その頭をぽんと叩いた。
「広東語、頑張れよ。で、うまく行くといいな」
「お疲れ」
「お疲れ。梨緒、動画ありがと」
「どういたしまして」
他の職員もいるので、夏野は声を落とした。
「あのさ、田村サキさんって知り合いだったりしないよな?」
梨緒は首を傾げて、小声で応じた。
「全然。彼女の拠点は中国だし。通訳会社に所属してるかもしれないから、ネット検索してみたら?」
「いや、いいんだ。ありがとう」
夏秀文。
何度もググってみたい衝動に駆られたが、やっぱりやめた。
そういうやり方って、なんか違う気がするのだ。古臭いかもしれないけど。
鳴りやまないキーボードの音。電話対応。テレビから流れる国会中継。走り回る若手職員。
午前中の執務室はばたばたと騒がしい。
夏野はパワーポイントを立ち上げて、明後日の総理説明用の資料を作成する。
見やすく分かりやすく美しく。パワポ技術はもはや職人技だ。
今は、課員全員、毎日深夜残業しても終わらないほどの繁忙期だ。
毎月1日は有給休暇を取得するよう奨励されているのは建前で、インフルエンザか冠婚葬祭でもないと休める雰囲気ではない。
マカオまでは飛行機で5時間弱。
土日で行かれない距離ではないが、ジーンが留守にしていたらアウトだ。
動画では香港にいたし、通訳の仕事は外出が多いだろう。
本当に、アホだな俺。
こんな思いをするなら、連絡先くらい聞いておけばよかった。
逃げ出さずに、ジーンの気持ちに向き合っていればよかった。
後悔先に立たずとはよく言ったものだ。
完成した資料案をメールに添付して、班長にチェックを依頼する。送信のEnterキーを押すと、夏野は席を立ち、同期の笹川がいる人事課に向かった。
「笹川」
「おう。日向。珍しいな」
笹川は夏野の表情を見ると、「廊下に出るか?」と腰を上げた。察しが良い男だ。
どの組織でも、その組織の特性に応じた花形部署はある。が、それ以上に権力を持つのが、ヒトとカネを司る部署だ。
経済産業省では、大臣官房秘書課と会計課がそれにあたる。前者は全職員の人事を、後者は文字通り全事業の予算を司る。
忖度や空気を読むのが得意な笹川は、まさに人事課に適任だ。
使っていない会議スペースに夏野をいざなうと、笹川は腕を組んだ。
「で、何の相談だよ」
「何で相談って分かるんだよ」
「顔見りゃ分かるだろ。おまえ、すぐ顔に出るし」
そんなに分かりやすいとはショックだが、話しやすくはなったので、夏野は切り出した。
「あのさ、うちの役所、マカオにポストとかないよな」
笹川は表情を崩さずに即答した。
「マカオにはないが、香港にはあるぞ」
「香港」
「マカオから、フェリーでもバスでも1時間前後だ」
笹川の指摘に、夏野は瞬く。
「え、そんな近いのか?」
「世界地図くらい見ろよ。ってか、そんなことも知らずにマカオ旅行してたのか」
その場でグーグルマップを確認すると、確かに近い。すぐそばだ。
「知らないだろ、普通」
「知ってるよ、普通。話が脱線したな。香港なら、日本貿易振興機構(JETRO)の香港事務所と香港総領事館がある。領事館の方は外務省に出向しての赴任だな」
「どっちか、俺が行けるチャンスってあるのか」
夏野ははやる心を押さえる。どきどきしている。
週末を使った電撃訪問も考えたけれど、会って思いを伝えたあと、なるべく長く一緒にいられる方法を探しておきたかった。
「ちょっと待ってろ」
笹川は一旦執務室に戻ると、すぐに戻ってきた。出来る男は仕事が早い。
「香港総のポストが空いてる。今送ってる奴が精神的にちょっとダメになって、後任を探してるところだ。上と話したが、日向は年次が若いがそこはなんとかなる。ただし、条件がひとつ」
「なに?」
「語学だ」
「英語じゃ駄目なのか」
「外務省は、できれば広東語が使える人材を望んでる。前任は12月上旬の帰国を希望しているから、あと3か月か。3か月でモノにできるか?」
マカオで耳にした広東語が蘇る。
エネルギーに満ちて歯切れがよく、けれど歌のようにも聞こえる、あの異国の言葉を。
山ほどの難しい漢字を。3か月で。
夏野はぎゅっと拳を握った。
「やる」
笹川は驚いた顔をしたが、眼鏡の奥の目はすぐに和らいだ。
「分かった。上司に伝えておく。後から正式に連絡するから」
「ん、サンキューな。持つべきものは同期だな」
「調子いいな」
笹川は笑って、付け加えた。
「しかし勉強嫌いの日向が広東語とは。愛の力は偉大だな」
「……は?」
夏野はフリーズする。
愛?
いや、愛、なんだろうけど。なんで笹川が。
「うまく行ってるんだろ、あのマカオの男と」
顔に血が昇る。あまりの羞恥に大声を上げた。
「はああ? 違う、違う、ちげえよ!」
「え、違うのか?」
「違う! まだ付き合ってない!」
「まだ? 何やってんの、おまえら」
夏野の慌てっぷりに、笹川は余裕の表情だ。
「ってか、なんでおまえが知ってんだよ、じゃなくて!」
「まあ、落ち着け」
混乱する夏野の肩をぽんぽんと叩いた。
「悪かったよ。知ってたわけじゃない。なんとなくそうかなって思ってただけで、おまえが今日マカオのポストを聞いてくるまでは確信もなかったよ。松井も含めて誰にも言ってない。ついでに偏見もない」
「なんで、そうかなって思ったんだ?」
恐る恐る聞いてみる。
笹川がジーンに会ったのは、あの朝食の時の一瞬だけだ。
確かにジーンは運命的な関係とか何とか恋モード全開で夏野に絡んできたが、あんな冗談みたいな戯れだけで、友人が男と付き合っているなどと思うだろうか。
「おまえ、顔に出やすいって言っただろ。帰りの空港で、帰りたくないって顔に書いてた。ずっと泣きそうな顔してたし、機内で寝てる時、その男の名前を何回も呼んでた」
笹川は静かに言った。揶揄う口調ではなかったが、それでも。
恥ずかしすぎる。
同期にそんな姿を見られるとは。
「恥ずい」
夏野はしゃがみ込んで、両手で顔を覆った。
「うん、だろうな」
「穴があったら入りたい」
「はは、穴はないからなー」
笹川は軽口を叩きながら夏野を見下ろし、その頭をぽんと叩いた。
「広東語、頑張れよ。で、うまく行くといいな」
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる