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真夏のマカオ
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同期入省の村岡が結婚した。
相手は才色兼備で評判の二期上のキャリア女性。
ダブルインカムの二人は当然のように海外挙式を選び、当然のようにそれぞれの同期を式に招待した。
働き方改革を掲げながらもまだまだ休暇が取りにくい経済産業省だが、エリート夫婦が声を上げて参列を呼びかけたおかげで、同期連中は週末プラス有給3日という贅沢な休暇にありつけたわけだ。
「川が流れてる」
日向夏野はぼんやりとホテル内を流れる川を見つめた。
スノッブな新郎新婦が挙式に選んだのは、マカオのタイパ地区にあるザ・ベネチアン・マカオ・リゾートという一流ホテルだった。
客室の内装は落ち着いていてベッドも信じられないほどふかふかだったが、ロビーやショッピングアーケードは金ぴかのゴシックな装飾が目に痛い。
天井画は青空に天使が飛んでいるし、アーケードには人工の川が流れ、ゴンドラまで浮かんでいる。
なんというか、斜め上を行く偽物くささが逆に潔い。そして人が多い。
「お、ゴンドラじゃん。乗りてー」
「ヴェネツィアといえばゴンドラだからな。サンタールチアー♪」
同期の笹川と松井は、本気でゴンドラに乗り込みそうな勢いで、カンツォーネを歌っている。
入省4年目。仮にも中央省庁のキャリア官僚だが、同期で集まると言動が低能だ。
「日向ー、俺ら朝飯食ったらカジノ行くけど、おまえどうする?」
笹川の誘いに、夏野は首を振った。
「昨日飲みすぎたから、メシもカジノもパス。俺、ちょっと散歩してくる」
「りょ。おまえ、相変わらずマイペースだよな」
「ほっといてくれ」
昨夜の披露宴と二次会で飲みすぎたのは本当だ。頭が少し痛い。
夏野はギャンブルにも興味はない。
ホテルの無料シャトルバスに乗り込み、夏野は窓の外に目をやった。
マカオ、正確には中華人民共和国マカオ特別行政区は、ポルトガルの海外領土だったが1999年に中国に返還された。
現在のマカオは、中心となる半島部とタイパ島、コロアネ島から成る。世界遺産がひしめくのが半島部で、夏野たちが止まる高級ホテルやカジノが多いのがタイパ島だ。
シャトルバスは半島部の港付近で止まった。
夏野は人の流れに沿って街中を歩き始める。夏休み期間とあって観光客も多い。
まだ10時前だが、8月上旬の気温はぐんぐん上がっていて、汗がにじんでくる。
IRとして近代的に開発されたタイパ島と違って、半島部は古い建物が雑然と立ち並び、ごみごみしている。
はためく洗濯物に食べ物の匂い、着古した半パンにサンダルで行きかう人々。
初めての街だが、生々しい生活の様子に夏野は逆に落ち着きを覚える。
街並みが楽しくてきょろきょろしているうちに、結構な距離を歩いていたらしい。
「あれ、どこだ、ここ」
オフラインの地図アプリを開くが、細い路地が入り組んでいて正確な位置がよく分からない。
思わず頭を掻くと、量の多い髪の地肌が汗でしっとりと湿っていた。癖の強い猫っ毛なので、くるんくるんになっていることだろう。
マカオは勾配が激しく、曲がりくねった坂が多いので、簡単に道を失う。
建物の壁には道の名前が表示されているが、広東語かポルトガル語でよく分からない。
立ち止まって地図を見ていると、近くを歩いていたおじいさんが近寄ってきた。
暑いのか、Tシャツの腹の部分だけをまくり上げている。日本で同じことをしたら確実に失笑を買うだろうが、ここでは普通のスタイルだ。
何やら熱心に話しかけてくるが、広東語はさっぱりだ。
夏野は首をかしげて分かりませんのポーズを取るが、おじいさんはノンストップトークだ。
「Excuse me, do you speak English?」
英語で返すと、おじいさんはそこでようやく夏野が外国人だと気づいたのか、ゆっくりと英語を話した。
「The Ruins of Saint Paul's is over there.」
The Ruins of Saint Paul。ああ、聖ポール天主堂跡か。
マカオの代名詞とも言える、教会のファサードだ。
有名な世界遺産を探して迷っていたと思ったのだろう。
ぶらぶら街歩きをするだけの予定だったが、せっかくだから行ってみようと夏野は頷いた。
「Thank you. I will go there.」
「Enjoy.」
おじいさんは満足したように立ち去っていく。良い人だった。
よく見ると、街のあちこちに天主堂跡に導く案内板が立っていた。
汗をぬぐいながらたどり着いた世界遺産を見て、夏野は唸った。
「んー」
正直、がっかり感がある。
当時はアジア最大の教会だったらしいが、今はファサードだけが心もとなく残っている。
細やかな装飾がなされたファサードは綺麗は綺麗だが、残念なことに、夏野はマカオの歴史にも建築にも宗教にも意匠にも全く詳しくない。
見ても、ふーんと言うだけだ。
観光地だけあって、大勢の観光客が写真を撮りまくっているが、そこまでのものだろうか。
折角来たので一応スマホに写真を収めておく。不意にどっと疲れて、夏野は近くの階段に腰かけた。
座ると、急にめまいが襲ってきた。
なんだ、これ。
脇の下を脂汗が流れる。その感触が気持ち悪い。頭が痛い。
そういえば、水分も取らずに歩き回っていた。
夏野はあたりを見回すが、日本のようにどこにでも自販機があるわけではない。コンビニも見当たらない。
吐き気をやり過そうと、頭を押さえてうつむくが、気持ち悪さは増すばかりだ。
うなだれていると、ぽんと肩を叩かれた。
「有冇事呀(どうかしましたか)?」
また広東語だ。
答えるのが面倒で応じずにいると、顎先を掴まれ半ば無理やりに顔をあげさせられた。
エリート然とした若い男と目が会う。
男は夏野を見ると驚いたように目を見開き、それから心配そうに眉根を寄せた。
見知らぬ男にいきなり触れられたのに、不思議と怖さはない。というか、警戒する気力もない。
「Japanese?」
こくりと頷くと、男は日本語に切り替えた。
「大丈夫? 具合が悪い?」
母国語の響きに、夏野は安心して息をつく。
「気持ち悪い。多分、熱中症」
それを聞くと、男はビジネスバッグから取り出したペットボトルを夏野に渡した。
「飲みかけで悪いけど、これ、全部飲んで」
飲みさしとか気にしている余裕もなかった。
一口飲むと、自分の体がカラカラに渇いていたことに気づいた。
夏野はほとんど一気にペットボトルを空にした。砂漠に水が染み込むようだ。食道から胃まで、水の流れがありありと分かる。
ふうっと息をつくと、男も安心したように息をついた。
「落ち着いた?」
「はい。ありがとうございます。五臓六腑に染み渡りました」
答えると、男は面白そうに笑った。
「その言葉、生で聞いたの初めてだ」
「はあ」
だからなんなのだと思ったが、聞き返すのも億劫なのでスルーする。
「さて。ここは暑いから移動したほうが良い。観光客? 帰り道、分かる?」
帰り道は分からないが、有名なホテルだ。タクシーに乗ればなんとかなる。
「大丈夫です」
夏野は立ち上がる。
あれ?
その瞬間、急に寒気に襲われて、目の前が暗くなった。
相手は才色兼備で評判の二期上のキャリア女性。
ダブルインカムの二人は当然のように海外挙式を選び、当然のようにそれぞれの同期を式に招待した。
働き方改革を掲げながらもまだまだ休暇が取りにくい経済産業省だが、エリート夫婦が声を上げて参列を呼びかけたおかげで、同期連中は週末プラス有給3日という贅沢な休暇にありつけたわけだ。
「川が流れてる」
日向夏野はぼんやりとホテル内を流れる川を見つめた。
スノッブな新郎新婦が挙式に選んだのは、マカオのタイパ地区にあるザ・ベネチアン・マカオ・リゾートという一流ホテルだった。
客室の内装は落ち着いていてベッドも信じられないほどふかふかだったが、ロビーやショッピングアーケードは金ぴかのゴシックな装飾が目に痛い。
天井画は青空に天使が飛んでいるし、アーケードには人工の川が流れ、ゴンドラまで浮かんでいる。
なんというか、斜め上を行く偽物くささが逆に潔い。そして人が多い。
「お、ゴンドラじゃん。乗りてー」
「ヴェネツィアといえばゴンドラだからな。サンタールチアー♪」
同期の笹川と松井は、本気でゴンドラに乗り込みそうな勢いで、カンツォーネを歌っている。
入省4年目。仮にも中央省庁のキャリア官僚だが、同期で集まると言動が低能だ。
「日向ー、俺ら朝飯食ったらカジノ行くけど、おまえどうする?」
笹川の誘いに、夏野は首を振った。
「昨日飲みすぎたから、メシもカジノもパス。俺、ちょっと散歩してくる」
「りょ。おまえ、相変わらずマイペースだよな」
「ほっといてくれ」
昨夜の披露宴と二次会で飲みすぎたのは本当だ。頭が少し痛い。
夏野はギャンブルにも興味はない。
ホテルの無料シャトルバスに乗り込み、夏野は窓の外に目をやった。
マカオ、正確には中華人民共和国マカオ特別行政区は、ポルトガルの海外領土だったが1999年に中国に返還された。
現在のマカオは、中心となる半島部とタイパ島、コロアネ島から成る。世界遺産がひしめくのが半島部で、夏野たちが止まる高級ホテルやカジノが多いのがタイパ島だ。
シャトルバスは半島部の港付近で止まった。
夏野は人の流れに沿って街中を歩き始める。夏休み期間とあって観光客も多い。
まだ10時前だが、8月上旬の気温はぐんぐん上がっていて、汗がにじんでくる。
IRとして近代的に開発されたタイパ島と違って、半島部は古い建物が雑然と立ち並び、ごみごみしている。
はためく洗濯物に食べ物の匂い、着古した半パンにサンダルで行きかう人々。
初めての街だが、生々しい生活の様子に夏野は逆に落ち着きを覚える。
街並みが楽しくてきょろきょろしているうちに、結構な距離を歩いていたらしい。
「あれ、どこだ、ここ」
オフラインの地図アプリを開くが、細い路地が入り組んでいて正確な位置がよく分からない。
思わず頭を掻くと、量の多い髪の地肌が汗でしっとりと湿っていた。癖の強い猫っ毛なので、くるんくるんになっていることだろう。
マカオは勾配が激しく、曲がりくねった坂が多いので、簡単に道を失う。
建物の壁には道の名前が表示されているが、広東語かポルトガル語でよく分からない。
立ち止まって地図を見ていると、近くを歩いていたおじいさんが近寄ってきた。
暑いのか、Tシャツの腹の部分だけをまくり上げている。日本で同じことをしたら確実に失笑を買うだろうが、ここでは普通のスタイルだ。
何やら熱心に話しかけてくるが、広東語はさっぱりだ。
夏野は首をかしげて分かりませんのポーズを取るが、おじいさんはノンストップトークだ。
「Excuse me, do you speak English?」
英語で返すと、おじいさんはそこでようやく夏野が外国人だと気づいたのか、ゆっくりと英語を話した。
「The Ruins of Saint Paul's is over there.」
The Ruins of Saint Paul。ああ、聖ポール天主堂跡か。
マカオの代名詞とも言える、教会のファサードだ。
有名な世界遺産を探して迷っていたと思ったのだろう。
ぶらぶら街歩きをするだけの予定だったが、せっかくだから行ってみようと夏野は頷いた。
「Thank you. I will go there.」
「Enjoy.」
おじいさんは満足したように立ち去っていく。良い人だった。
よく見ると、街のあちこちに天主堂跡に導く案内板が立っていた。
汗をぬぐいながらたどり着いた世界遺産を見て、夏野は唸った。
「んー」
正直、がっかり感がある。
当時はアジア最大の教会だったらしいが、今はファサードだけが心もとなく残っている。
細やかな装飾がなされたファサードは綺麗は綺麗だが、残念なことに、夏野はマカオの歴史にも建築にも宗教にも意匠にも全く詳しくない。
見ても、ふーんと言うだけだ。
観光地だけあって、大勢の観光客が写真を撮りまくっているが、そこまでのものだろうか。
折角来たので一応スマホに写真を収めておく。不意にどっと疲れて、夏野は近くの階段に腰かけた。
座ると、急にめまいが襲ってきた。
なんだ、これ。
脇の下を脂汗が流れる。その感触が気持ち悪い。頭が痛い。
そういえば、水分も取らずに歩き回っていた。
夏野はあたりを見回すが、日本のようにどこにでも自販機があるわけではない。コンビニも見当たらない。
吐き気をやり過そうと、頭を押さえてうつむくが、気持ち悪さは増すばかりだ。
うなだれていると、ぽんと肩を叩かれた。
「有冇事呀(どうかしましたか)?」
また広東語だ。
答えるのが面倒で応じずにいると、顎先を掴まれ半ば無理やりに顔をあげさせられた。
エリート然とした若い男と目が会う。
男は夏野を見ると驚いたように目を見開き、それから心配そうに眉根を寄せた。
見知らぬ男にいきなり触れられたのに、不思議と怖さはない。というか、警戒する気力もない。
「Japanese?」
こくりと頷くと、男は日本語に切り替えた。
「大丈夫? 具合が悪い?」
母国語の響きに、夏野は安心して息をつく。
「気持ち悪い。多分、熱中症」
それを聞くと、男はビジネスバッグから取り出したペットボトルを夏野に渡した。
「飲みかけで悪いけど、これ、全部飲んで」
飲みさしとか気にしている余裕もなかった。
一口飲むと、自分の体がカラカラに渇いていたことに気づいた。
夏野はほとんど一気にペットボトルを空にした。砂漠に水が染み込むようだ。食道から胃まで、水の流れがありありと分かる。
ふうっと息をつくと、男も安心したように息をついた。
「落ち着いた?」
「はい。ありがとうございます。五臓六腑に染み渡りました」
答えると、男は面白そうに笑った。
「その言葉、生で聞いたの初めてだ」
「はあ」
だからなんなのだと思ったが、聞き返すのも億劫なのでスルーする。
「さて。ここは暑いから移動したほうが良い。観光客? 帰り道、分かる?」
帰り道は分からないが、有名なホテルだ。タクシーに乗ればなんとかなる。
「大丈夫です」
夏野は立ち上がる。
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