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Sorano: 今、すっげえ、幸せだ。★
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あー、もうマジでやばい。
偏差値70超えの進学
校に通う高校生としては情けない語彙だが、それ以外言葉が見つからない。
ユキちゃんが好きだ。カッコよくて、可愛くて、綺麗で、エロい。愛おしい。
男同士のセックスは初めてで、当然最初は不安だった。
ちゃんと出来るだろうかとか、女子と同じように触っていいんだろうかとか。
でもいざ裸で抱き合ったら、そんなんどうでもよくなった。
本能で分かる。優しくして、意地悪くして、気持ちよくなってほしい。
全部、俺のものにしたい。
向かい合って膝立ちをする行人の尻に指先をつぷりと埋め込むと、びくりと肩に力が入った。
「痛い?」
尋ねると頭を横に振るので、ふにふにと縁をなぞり、浅いところを出し入れしてみる。
当たり前だが、女とは違う。自然に濡れたりするりと指を飲み込んだりはしない。
ドラッグストアで買ったローションのチューブに手を伸ばすと、行人が眉を寄せた。
「おまえ、どこでそんなの買ったんだよ」
「マツキヨ」
答えてから、セックスの最中に間抜けな会話だなとおかしくなる。
ふっと笑いが漏れると、行人も微笑んだ。
「指、もっと入れて大丈夫だから」
あられもない台詞を行人が言う。
「無理、してないよな」
「してない。出かける前、準備したから」
準備って。自分で、指入れたってことだよな。
その様子を想像して興奮する。
「それ、見たかった」
言いながら、指を深く入れ、更に2本に増やした。
「見せるか…んっ」
中を広げるように動かすと、行人の身体がびくびくと跳ねる。
射精したばかりの行人のペニスはまた立ち上がっていて、気持ちいいのだと分かって嬉しい。
中は熱くて柔らかくて、早く挿れたいと焦ってしまう。
指を動かしながら、空いた手で行人の肌を撫でる。しっとり汗ばんだ肌は吸い付くようだ。唇を這わせて少し吸うだけで、赤く色づいていく。
「ユキ」
「な、に」
「好きだ」
視線を合わせて告白すると、行人の瞳が水気を帯びる。いつもは眼鏡越しに見ている瞳は、間近で見るともっと綺麗だ。
「うん、俺も」
それからまた何度目かのキスを貪るように繰り返す。
加減が分からなくて、そして思いのほか楽しくてアナルの感触を楽しんでいると、行人が指から逃れるように身体をくねらせた。
「そらの、も、いいから。早く」
「んー、もうちょい」
欲しがってくれているのが嬉しくてわざと焦らすと、行人は、もうやだと呟いて、ローションの横に置いていたコンドームの箱に手を伸ばした。一枚を取り、封を切る。
「なに、着けてくれんの?」
行人は頷くと、空乃の屹立にちゅっとキスをしてから、器用にコンドームをかぶせてくれる。
眼下の光景の鮮烈さに空乃は天井を仰ぐ。
ちょい待ち。
今、俺のにちゅーしたよな、この人。もっとガン見しとけば良かった。
なんかリードされてっし。
空乃は、対面座位のまま挿れようとする行人の腰を掴み、押しとどめた。
「だーめ」
「え、なんで」
「正常位の方がいい」
行人の身体を優しく押し倒し、圧し掛かった。
「ユキ、脚、開いて」
頼むと、行人は素直に股を開いた。
白い太腿は垂れたローションで光っている。薄い毛の中から勃ちあがったペニスは薄桃色で、ほっそりしていやらしい。
ごくりと喉が鳴った。興奮でこめかみが痛いほどだ。
脚を高めに上げさせて、ひくひくとうごめく行人の後孔にペニスの先端を押し当てた。
「空乃」
「ユキ、いいんだよな」
確認すると、行人はこくりと頷く。
出来る限りゆっくり腰を進めていく。熱くて、きつくて、気持ちいい。底が無くて、どこまでも入っていけそうだ。
「……ん、っ」
行人が甘い声を上げる
全部埋め込むと、なんだか涙が出そうになった。
「行人」
名を呼ぶと、答えるように中がぎゅっとうねった。
「動くぞ」
腰を緩やかに動かすと、背筋が痺れるほど気持ちよくて、すぐに達してしまいそうだ。
射精を遅らせたい時は素数を数えるようにしていたが、行人相手には出来そうもない。
違うことを考えるなんて、勿体なさすぎる。行人のことだけ考えていたい。
「ふっ、うん………あ、んっ」
行人の啼き声は耳に柔らかく、ずっと聞いていたい。
腰を振り、肌を撫で、唇を合わせる。髪を梳き、瞼にキスを落とす。
仕草のひとつひとつ、全部で、あんたが好きだと伝えたい。
「そら、の」
喘ぐ合間に行人が呟く。
「ん? きもちい?」
「うん、きもちいい。そらの」
「うん」
見下ろす行人の顔は、汗と涙で濡れている。行人が両腕を首に回してきて、抱き寄せられる。
耳元で囁かれるのは、ずっと欲しかった言葉。
「ずっと、一緒にいてくれ」
激しいセックスと浅い眠りとスローセックスを繰り返して、何度目かの微睡みの中で目を覚ました。
目覚まし時計を見ると、4時を指している。
朝の4時か夕方の4時か分からなくて、スマホに手を伸ばした。その手に行人の指が絡みついてくる。
「空乃。今、何時」
「夕方の4時」
「おまえ、丸一日してたのか」
行人は呆れたように睨んでくるが、とんだ言いがかりだ。
「いやいや、二人でしてたんだろ。大体、ユキがエロいのが悪い」
「どっちがだ。男子高校生の体力怖い」
行人は布団から起き上がろうとするが、途中で力尽きたのか、また寝転んでしまう。
「腰、立たない」
それは申し訳ない限りだが、力なく倒れる様子は動物の子供のようで可愛い。
にまにましていると、タオルを投げつけられた。
「ユキ、もうちょっとゆっくりしてろよ。なんかメシ作るから」
昨日の昼に素麺を食べたきり食事をしていないので、さすがに空腹だ。
「カレー、食べたい」
と行人がリクエストしてくる。
そういえば、昨日作ったインドカレーは冷蔵庫で手付かずのままだ。
「りょーかい。ラッシーも作ってやっから」
「ん。好き」
まだ眠いのか、行人は呟いて瞼を閉じてしまう。
空乃はははっと笑う。
今の好きはラッシーなのか俺なのか。
キスマークが散る行人の身体にタオルケットをかけなおし、空乃は狭い台所に向かう。
腰のだるさが心地よい。
今、すっげえ、幸せだ。
偏差値70超えの進学
校に通う高校生としては情けない語彙だが、それ以外言葉が見つからない。
ユキちゃんが好きだ。カッコよくて、可愛くて、綺麗で、エロい。愛おしい。
男同士のセックスは初めてで、当然最初は不安だった。
ちゃんと出来るだろうかとか、女子と同じように触っていいんだろうかとか。
でもいざ裸で抱き合ったら、そんなんどうでもよくなった。
本能で分かる。優しくして、意地悪くして、気持ちよくなってほしい。
全部、俺のものにしたい。
向かい合って膝立ちをする行人の尻に指先をつぷりと埋め込むと、びくりと肩に力が入った。
「痛い?」
尋ねると頭を横に振るので、ふにふにと縁をなぞり、浅いところを出し入れしてみる。
当たり前だが、女とは違う。自然に濡れたりするりと指を飲み込んだりはしない。
ドラッグストアで買ったローションのチューブに手を伸ばすと、行人が眉を寄せた。
「おまえ、どこでそんなの買ったんだよ」
「マツキヨ」
答えてから、セックスの最中に間抜けな会話だなとおかしくなる。
ふっと笑いが漏れると、行人も微笑んだ。
「指、もっと入れて大丈夫だから」
あられもない台詞を行人が言う。
「無理、してないよな」
「してない。出かける前、準備したから」
準備って。自分で、指入れたってことだよな。
その様子を想像して興奮する。
「それ、見たかった」
言いながら、指を深く入れ、更に2本に増やした。
「見せるか…んっ」
中を広げるように動かすと、行人の身体がびくびくと跳ねる。
射精したばかりの行人のペニスはまた立ち上がっていて、気持ちいいのだと分かって嬉しい。
中は熱くて柔らかくて、早く挿れたいと焦ってしまう。
指を動かしながら、空いた手で行人の肌を撫でる。しっとり汗ばんだ肌は吸い付くようだ。唇を這わせて少し吸うだけで、赤く色づいていく。
「ユキ」
「な、に」
「好きだ」
視線を合わせて告白すると、行人の瞳が水気を帯びる。いつもは眼鏡越しに見ている瞳は、間近で見るともっと綺麗だ。
「うん、俺も」
それからまた何度目かのキスを貪るように繰り返す。
加減が分からなくて、そして思いのほか楽しくてアナルの感触を楽しんでいると、行人が指から逃れるように身体をくねらせた。
「そらの、も、いいから。早く」
「んー、もうちょい」
欲しがってくれているのが嬉しくてわざと焦らすと、行人は、もうやだと呟いて、ローションの横に置いていたコンドームの箱に手を伸ばした。一枚を取り、封を切る。
「なに、着けてくれんの?」
行人は頷くと、空乃の屹立にちゅっとキスをしてから、器用にコンドームをかぶせてくれる。
眼下の光景の鮮烈さに空乃は天井を仰ぐ。
ちょい待ち。
今、俺のにちゅーしたよな、この人。もっとガン見しとけば良かった。
なんかリードされてっし。
空乃は、対面座位のまま挿れようとする行人の腰を掴み、押しとどめた。
「だーめ」
「え、なんで」
「正常位の方がいい」
行人の身体を優しく押し倒し、圧し掛かった。
「ユキ、脚、開いて」
頼むと、行人は素直に股を開いた。
白い太腿は垂れたローションで光っている。薄い毛の中から勃ちあがったペニスは薄桃色で、ほっそりしていやらしい。
ごくりと喉が鳴った。興奮でこめかみが痛いほどだ。
脚を高めに上げさせて、ひくひくとうごめく行人の後孔にペニスの先端を押し当てた。
「空乃」
「ユキ、いいんだよな」
確認すると、行人はこくりと頷く。
出来る限りゆっくり腰を進めていく。熱くて、きつくて、気持ちいい。底が無くて、どこまでも入っていけそうだ。
「……ん、っ」
行人が甘い声を上げる
全部埋め込むと、なんだか涙が出そうになった。
「行人」
名を呼ぶと、答えるように中がぎゅっとうねった。
「動くぞ」
腰を緩やかに動かすと、背筋が痺れるほど気持ちよくて、すぐに達してしまいそうだ。
射精を遅らせたい時は素数を数えるようにしていたが、行人相手には出来そうもない。
違うことを考えるなんて、勿体なさすぎる。行人のことだけ考えていたい。
「ふっ、うん………あ、んっ」
行人の啼き声は耳に柔らかく、ずっと聞いていたい。
腰を振り、肌を撫で、唇を合わせる。髪を梳き、瞼にキスを落とす。
仕草のひとつひとつ、全部で、あんたが好きだと伝えたい。
「そら、の」
喘ぐ合間に行人が呟く。
「ん? きもちい?」
「うん、きもちいい。そらの」
「うん」
見下ろす行人の顔は、汗と涙で濡れている。行人が両腕を首に回してきて、抱き寄せられる。
耳元で囁かれるのは、ずっと欲しかった言葉。
「ずっと、一緒にいてくれ」
激しいセックスと浅い眠りとスローセックスを繰り返して、何度目かの微睡みの中で目を覚ました。
目覚まし時計を見ると、4時を指している。
朝の4時か夕方の4時か分からなくて、スマホに手を伸ばした。その手に行人の指が絡みついてくる。
「空乃。今、何時」
「夕方の4時」
「おまえ、丸一日してたのか」
行人は呆れたように睨んでくるが、とんだ言いがかりだ。
「いやいや、二人でしてたんだろ。大体、ユキがエロいのが悪い」
「どっちがだ。男子高校生の体力怖い」
行人は布団から起き上がろうとするが、途中で力尽きたのか、また寝転んでしまう。
「腰、立たない」
それは申し訳ない限りだが、力なく倒れる様子は動物の子供のようで可愛い。
にまにましていると、タオルを投げつけられた。
「ユキ、もうちょっとゆっくりしてろよ。なんかメシ作るから」
昨日の昼に素麺を食べたきり食事をしていないので、さすがに空腹だ。
「カレー、食べたい」
と行人がリクエストしてくる。
そういえば、昨日作ったインドカレーは冷蔵庫で手付かずのままだ。
「りょーかい。ラッシーも作ってやっから」
「ん。好き」
まだ眠いのか、行人は呟いて瞼を閉じてしまう。
空乃はははっと笑う。
今の好きはラッシーなのか俺なのか。
キスマークが散る行人の身体にタオルケットをかけなおし、空乃は狭い台所に向かう。
腰のだるさが心地よい。
今、すっげえ、幸せだ。
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