81 / 90
これから、もっと楽しい@東京国際空港
しおりを挟む
2020年8月。
最後の夜は、ただ抱きしめ合って眠った。
互いの感触を、体温を、匂いを、そして心をすべて溶け合わせるように。
備え付けの家具以外、すべて荷出しを終えたDuo Residenceの部屋はがらんとしている。
この部屋で二人で過ごした2年半。諍いや喧嘩も勿論あった。
でも、全部楽しかった。
「じゃ、行くか」
感慨深げに部屋を見回す直樹の背を、後押しするようにわざと強く叩いた。
一緒に感傷に浸ってしまえば、泣いてしまいそうだったから。
過去よりも、現在を、そして未来を。
直樹と会ってから、悲観的になった時は常にそう自分を戒めている。
引越荷物は船便に出したので、荷物はスーツケースが一つずつだけ。
靴を履いて、玄関で軽くキスをした。
それから、二人並んで、たくさんの思い出が詰まる部屋に向け、深く頭を垂れた。
「お世話になりました!」
在シンガポール日本国大使館防衛駐在官兼一等書記官 近間恵介3等空佐に帰朝を命ずる。防衛省に出向させる。
航空自衛隊南西航空方面隊第9航空団第204飛行隊勤務を命ずる。
1か月前、予定通り帰国発令が出た。
当然分かっていたことだし、勤務地は日本の防衛最前線を担う那覇基地だ。
仕事の面では嬉しい辞令だったが、直樹との距離は遠くなる。
無意識に複雑な表情をしていたのだろう。
直樹はわざとらしいほどの満開の笑顔で「おめでとうございます!」とエールを送ってくれた。その上。
二人で過ごしたこの部屋に、ひとりでいたくないし、いさせたくありません。
そう言って、自分も近間と一緒のタイミングで帰国できるよう、五和商事人事部とかなり無理な調整をしてくれた。
空港でチェックインカウンターに並んでいた時、二人のスマホが震えた。
シンガポールのキャリアのこの番号を使うのも、今日で最後だ。
メッセージを見て、近間と直樹は同時に笑った。
「お疲れ様でした!! 今、日本はシンガポールより暑いですよ。覚悟して帰ってきてくださいね!」
三宅里奈からだった。
昨年、一足先に帰朝命令を受けた三宅は、現在は霞が関の国土交通省で予算業務を担当している。
返信しようと画面をタップしていると、更にメッセージが届いた。
「近間さん、直接那覇に行かれるんですね。羽田まで挨拶に行きたかったけど、仕事抜けられなくて><。今度、4人でスカイプ飲みしましょうね」
続けて、三宅と矢倉のツーショット写真が送られてくる。
かつて三宅はシンガポール留学中の大学生と交際していたが、紆余曲折を経て、そして一同が度肝を抜かれたことに、今は矢倉翼と付き合っている。
三宅とほぼ同時期に任期を終えた防衛駐在官の岩崎哲也は、イージス艦の艦長を拝命し、今は南シナ海の洋上だ。
シンガポール―東京間の6時間半。
食べて飲んで、映画を見て、うとうとしていればすぐだ。
「ずっと、着かなければいいのに」
ブランケットの下で手をつなぎながら、直樹が呟いた。
モニターには映画の「チャーリーズ・エンジェル」を流しているが、ストーリーなんて頭に入って来ない。
近間は泣きそうになるのを我慢して、苦笑して見せる。
言うなよ。
そんなの、俺だってずっと思ってるんだから。
でもさ。
「ばーか。燃料切れちまうだろ」
って、笑うしかないだろ。
めそめそするなんて、俺たちには似合わない。
シンガポール最後の夜はいつもと同じように過ごした。
最後の晩餐、なんて豪華なディナーに行くつもりもなくて、最初に2人が出会ったホーカーズでクレイポットライスを食べた。
店のおばちゃんは相変わらず無愛想だったけど、日本に帰国すると話すと、野菜炒めとスープをサービスしてくれた。
「クレイポットライスの小1つ」
今では、最初の一音だけで耳をダンボにしてしまうほど、大好きな直樹の声。
初めて聞いたセリフはその中国語だった。
小汚い屋台村にスーツ姿で一人メシを食いにくるんだから、在留邦人だと一目で分かった。
ドラマに出てきそうなぱりっとしたリーマンなのに、売り切れにがっくりと肩を落としていた様子が妙に面白くて、というか可愛くて、思わず声をかけてしまった。
あの時、クレイポットライスが売り切れていなかったら、近間が声をかけていなかったら。
いや、そもそも普段は自炊の近間が、なんとなく屋台で外食をしたくなっていなかったら。
ああ。
なんか、もう。
最初から、全部。運命なんじゃないか。
なんなんだろうな。
こんなに大好きで大好きで、どうしようもなくなる気持ち。
父さんと母さんも。
陽兄とみちるさんも。保と市子ちゃんも。
直樹のお父さんとお母さんも。
そうやって人は、愛を紡いできたんだろうか。
俺たちは、血縁という意味では何も残せないけれど。
俺とおまえの愛は、確かに、ここにある。
滲んだ涙を愛おしい指がそっと拭ってくれた時、アナウンスが響いた。
「ご搭乗の皆様。当機は、まもなく羽田空港に向けて最終の着陸態勢に入ります……」
五和商事東京本社第一営業部配属となった直樹は、羽田空港から世田谷区に向かう。
直樹は、帰国に伴い、父親と姉と3人で同居するという決断をした。
「上手く行く要素なんてヒトカケラもないんですけどね。それでも、試してみようと思います」
そう言いながらも笑った直樹は、出会った時よりも強くなった。
こいつに見合うだけの自分で有り続けようと、近間は決意を新たにする。
近間は羽田で乗り継いで、そのまま那覇に向かうので、ここで一旦お別れだ。
国内線乗り継ぎと出口への分かれ道で、2人は立ち止まった。
「そんな顔すんなよ」
泣かないと約束していたから、絶対に泣くものかと堪えているのだろう。
白くなるほど唇を噛みしめる直樹の腹に、近間は猫パンチを繰り出した。
「だって」
声も唇も震えている直樹の両頬をぱんと叩いた。
自分にも直樹にも言い聞かせるように大声で言う。
「なあ! シンガポール、楽しかったよな」
「はい。めちゃくちゃ楽しかったです」
何を思い出しているのか、直樹が顔を綻ばせる。
近間はすっと息を吸った。
そして、伝える。
「約束する。俺たちは、これから、もっと楽しい」
直樹が目を見開く。
「だろ?」
覗き込むように下から見上げると、直樹はにっと笑った。
ああ。その自信ありげな顔。
大好きだよ。
「はい。どれだけ離れても、近間さんへの愛が深まる確信しかありません」
「ははっ。本当、おまえ、鉄板な」
俺を不安にさせないように、虚勢張って無理をして笑ってくれるおまえが好きだ。
固めた拳を突き出すと、直樹ががつんと拳を合わせてくる。
「近間さん。Good Luck!」
「おまえもな」
身体も魂も男同士だ。
キスがなくても分かり合える。
拳を打ち付けてから、背を向けて、歩き出す。
近間は振り返らなかった。直樹もきっとそうだ。
思い出は大切にしまっておく。
でも、いつだって、未来の方が過去より楽しい。
過去を懐かしむより、未来に胸を弾ませたい。
ターミナルから見上げた東京の空はシンガポールほど濃くはないけれど、透き通るように爽やかな青で。
その空を一筋の飛行機雲が駆け抜けて行った。
最後の夜は、ただ抱きしめ合って眠った。
互いの感触を、体温を、匂いを、そして心をすべて溶け合わせるように。
備え付けの家具以外、すべて荷出しを終えたDuo Residenceの部屋はがらんとしている。
この部屋で二人で過ごした2年半。諍いや喧嘩も勿論あった。
でも、全部楽しかった。
「じゃ、行くか」
感慨深げに部屋を見回す直樹の背を、後押しするようにわざと強く叩いた。
一緒に感傷に浸ってしまえば、泣いてしまいそうだったから。
過去よりも、現在を、そして未来を。
直樹と会ってから、悲観的になった時は常にそう自分を戒めている。
引越荷物は船便に出したので、荷物はスーツケースが一つずつだけ。
靴を履いて、玄関で軽くキスをした。
それから、二人並んで、たくさんの思い出が詰まる部屋に向け、深く頭を垂れた。
「お世話になりました!」
在シンガポール日本国大使館防衛駐在官兼一等書記官 近間恵介3等空佐に帰朝を命ずる。防衛省に出向させる。
航空自衛隊南西航空方面隊第9航空団第204飛行隊勤務を命ずる。
1か月前、予定通り帰国発令が出た。
当然分かっていたことだし、勤務地は日本の防衛最前線を担う那覇基地だ。
仕事の面では嬉しい辞令だったが、直樹との距離は遠くなる。
無意識に複雑な表情をしていたのだろう。
直樹はわざとらしいほどの満開の笑顔で「おめでとうございます!」とエールを送ってくれた。その上。
二人で過ごしたこの部屋に、ひとりでいたくないし、いさせたくありません。
そう言って、自分も近間と一緒のタイミングで帰国できるよう、五和商事人事部とかなり無理な調整をしてくれた。
空港でチェックインカウンターに並んでいた時、二人のスマホが震えた。
シンガポールのキャリアのこの番号を使うのも、今日で最後だ。
メッセージを見て、近間と直樹は同時に笑った。
「お疲れ様でした!! 今、日本はシンガポールより暑いですよ。覚悟して帰ってきてくださいね!」
三宅里奈からだった。
昨年、一足先に帰朝命令を受けた三宅は、現在は霞が関の国土交通省で予算業務を担当している。
返信しようと画面をタップしていると、更にメッセージが届いた。
「近間さん、直接那覇に行かれるんですね。羽田まで挨拶に行きたかったけど、仕事抜けられなくて><。今度、4人でスカイプ飲みしましょうね」
続けて、三宅と矢倉のツーショット写真が送られてくる。
かつて三宅はシンガポール留学中の大学生と交際していたが、紆余曲折を経て、そして一同が度肝を抜かれたことに、今は矢倉翼と付き合っている。
三宅とほぼ同時期に任期を終えた防衛駐在官の岩崎哲也は、イージス艦の艦長を拝命し、今は南シナ海の洋上だ。
シンガポール―東京間の6時間半。
食べて飲んで、映画を見て、うとうとしていればすぐだ。
「ずっと、着かなければいいのに」
ブランケットの下で手をつなぎながら、直樹が呟いた。
モニターには映画の「チャーリーズ・エンジェル」を流しているが、ストーリーなんて頭に入って来ない。
近間は泣きそうになるのを我慢して、苦笑して見せる。
言うなよ。
そんなの、俺だってずっと思ってるんだから。
でもさ。
「ばーか。燃料切れちまうだろ」
って、笑うしかないだろ。
めそめそするなんて、俺たちには似合わない。
シンガポール最後の夜はいつもと同じように過ごした。
最後の晩餐、なんて豪華なディナーに行くつもりもなくて、最初に2人が出会ったホーカーズでクレイポットライスを食べた。
店のおばちゃんは相変わらず無愛想だったけど、日本に帰国すると話すと、野菜炒めとスープをサービスしてくれた。
「クレイポットライスの小1つ」
今では、最初の一音だけで耳をダンボにしてしまうほど、大好きな直樹の声。
初めて聞いたセリフはその中国語だった。
小汚い屋台村にスーツ姿で一人メシを食いにくるんだから、在留邦人だと一目で分かった。
ドラマに出てきそうなぱりっとしたリーマンなのに、売り切れにがっくりと肩を落としていた様子が妙に面白くて、というか可愛くて、思わず声をかけてしまった。
あの時、クレイポットライスが売り切れていなかったら、近間が声をかけていなかったら。
いや、そもそも普段は自炊の近間が、なんとなく屋台で外食をしたくなっていなかったら。
ああ。
なんか、もう。
最初から、全部。運命なんじゃないか。
なんなんだろうな。
こんなに大好きで大好きで、どうしようもなくなる気持ち。
父さんと母さんも。
陽兄とみちるさんも。保と市子ちゃんも。
直樹のお父さんとお母さんも。
そうやって人は、愛を紡いできたんだろうか。
俺たちは、血縁という意味では何も残せないけれど。
俺とおまえの愛は、確かに、ここにある。
滲んだ涙を愛おしい指がそっと拭ってくれた時、アナウンスが響いた。
「ご搭乗の皆様。当機は、まもなく羽田空港に向けて最終の着陸態勢に入ります……」
五和商事東京本社第一営業部配属となった直樹は、羽田空港から世田谷区に向かう。
直樹は、帰国に伴い、父親と姉と3人で同居するという決断をした。
「上手く行く要素なんてヒトカケラもないんですけどね。それでも、試してみようと思います」
そう言いながらも笑った直樹は、出会った時よりも強くなった。
こいつに見合うだけの自分で有り続けようと、近間は決意を新たにする。
近間は羽田で乗り継いで、そのまま那覇に向かうので、ここで一旦お別れだ。
国内線乗り継ぎと出口への分かれ道で、2人は立ち止まった。
「そんな顔すんなよ」
泣かないと約束していたから、絶対に泣くものかと堪えているのだろう。
白くなるほど唇を噛みしめる直樹の腹に、近間は猫パンチを繰り出した。
「だって」
声も唇も震えている直樹の両頬をぱんと叩いた。
自分にも直樹にも言い聞かせるように大声で言う。
「なあ! シンガポール、楽しかったよな」
「はい。めちゃくちゃ楽しかったです」
何を思い出しているのか、直樹が顔を綻ばせる。
近間はすっと息を吸った。
そして、伝える。
「約束する。俺たちは、これから、もっと楽しい」
直樹が目を見開く。
「だろ?」
覗き込むように下から見上げると、直樹はにっと笑った。
ああ。その自信ありげな顔。
大好きだよ。
「はい。どれだけ離れても、近間さんへの愛が深まる確信しかありません」
「ははっ。本当、おまえ、鉄板な」
俺を不安にさせないように、虚勢張って無理をして笑ってくれるおまえが好きだ。
固めた拳を突き出すと、直樹ががつんと拳を合わせてくる。
「近間さん。Good Luck!」
「おまえもな」
身体も魂も男同士だ。
キスがなくても分かり合える。
拳を打ち付けてから、背を向けて、歩き出す。
近間は振り返らなかった。直樹もきっとそうだ。
思い出は大切にしまっておく。
でも、いつだって、未来の方が過去より楽しい。
過去を懐かしむより、未来に胸を弾ませたい。
ターミナルから見上げた東京の空はシンガポールほど濃くはないけれど、透き通るように爽やかな青で。
その空を一筋の飛行機雲が駆け抜けて行った。
0
お気に入りに追加
331
あなたにおすすめの小説
幸せの温度
本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。
まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。
俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。
陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。
俺にあんまり触らないで。
俺の気持ちに気付かないで。
……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。
俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。
家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。
そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?

幸せな復讐
志生帆 海
BL
お前の結婚式前夜……僕たちは最後の儀式のように身体を重ねた。
明日から別々の人生を歩むことを受け入れたのは、僕の方だった。
だから最後に一生忘れない程、激しく深く抱き合ったことを後悔していない。
でも僕はこれからどうやって生きて行けばいい。
君に捨てられた僕の恋の行方は……
それぞれの新生活を意識して書きました。
よろしくお願いします。
fujossyさんの新生活コンテスト応募作品の転載です。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
春ですね~夜道で出会った露出狂をホテルに連れ込んでみたら~
夏芽玉
BL
4月、第3週目の金曜日。職場の歓迎会のせいで不本意にも帰りが遅くなってしまた。今日は行きつけのハプバーのイベント日だったのに。色んなネコとハプれるのを楽しみにしていたのに!! 年に1度のイベントには結局間に合わず、不貞腐れながら帰路についたら、住宅街で出会ったのは露出狂だった。普段なら、そんな変質者はスルーの一択だったのだけど、イライラとムラムラしていたオレは、露出狂の身体をじっくりと検分してやった。どう見ても好みのど真ん中の身体だ。それならホテルに連れ込んで、しっぽりいこう。据え膳なんて、食ってなんぼだろう。だけど、実はその相手は……。変態とSMのお話です。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる