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第七章 罪の記憶よ、はじめまして
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「でも、そのお陰で、私は生まれてくることができた」
「え?」
目の前が急に明るくなったのは、トンネル内の映像が夜明けの太陽に切り替わったからだろうか。それとも、先を歩いていた少女が振り返り、嬉しそうに笑ったからだろうか。
「私は、カナエを助けたい。カナエに笑ってほしい。カナエに歌ってほしい。カナエの中のあったかくてやさしい気持ちを、凍らせたままにしてほしくない」
カナエが、心を殺しながら必死に封じ込めている氷の女王。その女王から生まれたはずの少女が、カナエの救済を心から願っている。その矛盾と、その奇跡に、マコトの胸が熱く震えた。
「……どうすれば、カナエちゃんを助けられるのかな」
みっともないほど頼りない、か細く小さなマコトの声を聞いても、少女の微笑みはなくならない。そのままマコトの手を強く引っ張り、上体を傾けさせると、耳元でそっと囁いた。
――ああ、そんなことでよかったのか。呆気ないほど単純な道標を見つけたマコトは、涙の滲む目を何度も瞬く。自分の頭の中に刻みつけるように、何度も何度も反芻してから、崩れるように膝を折った。
「……キミは、消えてしまわない?」
カナエを救うための方法は、結果的に目の前の少女の存在を消し去ってしまうことになるのではないか。目線を合わせながら尋ねるマコトの揺れる声を耳にして、少女は僅かばかり動きを止めた。マコトの問いには答えず、代わりに少しだけ寂しそうな声で尋ね返してくる。
「――ねえ、マコト。氷は溶けたら、何になるの?」
「え?」
目の前が急に明るくなったのは、トンネル内の映像が夜明けの太陽に切り替わったからだろうか。それとも、先を歩いていた少女が振り返り、嬉しそうに笑ったからだろうか。
「私は、カナエを助けたい。カナエに笑ってほしい。カナエに歌ってほしい。カナエの中のあったかくてやさしい気持ちを、凍らせたままにしてほしくない」
カナエが、心を殺しながら必死に封じ込めている氷の女王。その女王から生まれたはずの少女が、カナエの救済を心から願っている。その矛盾と、その奇跡に、マコトの胸が熱く震えた。
「……どうすれば、カナエちゃんを助けられるのかな」
みっともないほど頼りない、か細く小さなマコトの声を聞いても、少女の微笑みはなくならない。そのままマコトの手を強く引っ張り、上体を傾けさせると、耳元でそっと囁いた。
――ああ、そんなことでよかったのか。呆気ないほど単純な道標を見つけたマコトは、涙の滲む目を何度も瞬く。自分の頭の中に刻みつけるように、何度も何度も反芻してから、崩れるように膝を折った。
「……キミは、消えてしまわない?」
カナエを救うための方法は、結果的に目の前の少女の存在を消し去ってしまうことになるのではないか。目線を合わせながら尋ねるマコトの揺れる声を耳にして、少女は僅かばかり動きを止めた。マコトの問いには答えず、代わりに少しだけ寂しそうな声で尋ね返してくる。
「――ねえ、マコト。氷は溶けたら、何になるの?」
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