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第二章 イベント荒らして、ごめんなさい
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そこは即席のスケートリンクだった。普段は芝生広場として使われている広い空間を、冬の限られた期間だけ銀盤に変えて遊べるようにしているらしい。マコトたち三人がやって来たときには、すでに四角いリンクの周りをたくさんの観客が取り囲んでいた。
人と人の隙間から氷上の様子をのぞき見ると、スケート靴を履いた参加者ペアが十組ほど、あちこちでイベント開始の合図を待っている。華麗なスピンをしているフィギュアスケーターらしき子どもたちから、仕事帰りにふらっと遊びに来たようなスーツ姿の男性たちまで、実にバリエーションに富んでいるが、そんな参加者の中でも圧倒的に目を惹くのは、もちろん――。
「あ、エリヤくんとユウくん。あんな遠い所にいる」
「どこにいても目立つわね、ホント。まあ、探しているこちらとしてはありがたいわ」
スケートリンクの端の、さらに奥。できるだけ人目につかないところを選んだ結果なのだろう。日が落ちてナイトモードに移行しているが、その青白い照明すら届かないような場所で、エリヤとユウが待機している。ほとんどシルエットしか認識できない状態なのに、なぜエリヤだとはっきりわかってしまうのか。三年前からの疑問に、マコトは未だ答えを出せない。
「お集まりいただいた皆さん、お待たせいたしました! それでは、お待ちかね! ロボットたちの入場です!」
「ロボット?」と、イベント概要をまったく知らないマコトは、聞こえてきた単語に首を傾げてしまった。
リンク内に現れた女性スタッフが、片手を大きく伸ばして、ある一角を指し示す。そこから現れたのは、なにやら小さくて細長い物体。その数、十、二十……三十。
人と人の隙間から氷上の様子をのぞき見ると、スケート靴を履いた参加者ペアが十組ほど、あちこちでイベント開始の合図を待っている。華麗なスピンをしているフィギュアスケーターらしき子どもたちから、仕事帰りにふらっと遊びに来たようなスーツ姿の男性たちまで、実にバリエーションに富んでいるが、そんな参加者の中でも圧倒的に目を惹くのは、もちろん――。
「あ、エリヤくんとユウくん。あんな遠い所にいる」
「どこにいても目立つわね、ホント。まあ、探しているこちらとしてはありがたいわ」
スケートリンクの端の、さらに奥。できるだけ人目につかないところを選んだ結果なのだろう。日が落ちてナイトモードに移行しているが、その青白い照明すら届かないような場所で、エリヤとユウが待機している。ほとんどシルエットしか認識できない状態なのに、なぜエリヤだとはっきりわかってしまうのか。三年前からの疑問に、マコトは未だ答えを出せない。
「お集まりいただいた皆さん、お待たせいたしました! それでは、お待ちかね! ロボットたちの入場です!」
「ロボット?」と、イベント概要をまったく知らないマコトは、聞こえてきた単語に首を傾げてしまった。
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