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第3章 ホワイトライスケーキと疫病の話
第2回公式イベント 鬼ごっこ
しおりを挟む《やぁ!やぁ!プレイヤーの諸君!待ちに待っただろう第2回公式イベントの始まりだよ!》
開催時間ピッタリに、 指示されていた通り建物から出ているプレイヤー。
この時ばかりはフィールドに出てる人は居ないだろう。
第1回と同じく空に浮かぶゲームマスターは両手を広げ笑顔で告げた。
《先に言っていた通り、今回はサバイバル鬼ごっこだよ!場所は今皆がいる第1~第3の街の中。今回は特別にゲートを作ってるんだ!これだよ!》
ゲームマスターの隣に映し出されているのは噴水広場の様子。
そこに見覚えのない光の柱が2つあった。
それぞれに街の名前が書かれている。
《これに入ると書かれた街に移動が出来る優れもの!ただ、気をつけてね!これはプレイヤーの君たちだけじゃなく、鬼も移動できるんだ。そして、これ!》
次は街の入口が映し出された。
黒い花で出来たアーチがあり、中は澱んでいて先が見えない。
《ここから鬼が出てくるんだ。鬼は全部で7体、それぞれに特徴があるんだよー!第1の街に2体、第2の街に2体、第3の街には3体でるからね!鬼はひとめでわかるように真っ黒のオーラと名前が頭に書かれてるから間違いはしないと思う!そして!ラストに行くにつれて鬼が増えるよ!全部で9体!!》
指をクルクルと回しながら楽しそうに話すゲームマスターに、 全員がまた無茶ぶりなイベントかなぁ…と考えていた。
《ルールは簡単だよ!捕まえようとする鬼から必死に逃げる!これだけー。サバイバルだからね、 戦闘もありあり!イベント終わったら壊れた街とかは修繕されるからそこら辺は心配しないでね!》
「あ、 街は壊れる前提なんだ」
『どんな感じに捕まえにくるのかな?』
「どうでしょうか……」
《戦ってもいいけど、 レベルは振り切ってるから逃げた方が懸命だよ☆》
「……なんだ、 あのきゅるんっとした話し方が異様にイラつくな」
「あ、 カガリさんもですか?俺もです」
《えっとね、 死に戻りは2回まで大丈夫!3回目はゲームオーバーなんだけど、 街のどこかにあるアイテムをゲットしたら死に戻り回数が増えるよ!他にもアイテムザックザク!頑張って見つけてね!見つけたアイテムはそのまま報酬になるよー》
「……鬼ごっこ中に宝探しをしろってことかー、 楽しそうじゃん!ね?スイちゃん」
「そうですね!」
「っ!ワクワクしてるスイちゃんも可愛い!!」
「タク、 うるさい聞こえない」
「ちょっ…足シュッシュッシュッしないで!!」
《それぞれ3つの街を移動しながら、 鬼から逃げながら!頑張って報酬をさがしてね!レアチケットのペットもあるからねー!》
「俄然やる気でた!!」
『……スイ…あんたにはもふちゃんも蜘蛛ちゃんもいるでしょ』
「う!浮気じゃないよ!!」
「……浮気?だれと浮気ですか?」
「え!?なんか目据わってません!?リィンさん!?」
「…………最近、 リィンとスイちゃんの距離が近い気がするんですよー……ジュルリ……おっと!ヨダレが!!」
「もう、 なにしてるのクラちゃん。ほら、 ハンカチよー」
「アレイスターありがとうございますー」
「………イベント前の緊張感は皆無ねぇ」
《聞きたいことはないかなー?準備はいいかなー?》
「「「「「「いいともー!!」」」」」」
色々な所から手を突き上げながら聞こえる声は叫びにも似ている。
楽しみなのだ、 みんな。
しかし、 息ぴったりだな。
《制限時間は3時間!みんな頑張って逃げて見つけてクリアしてね!!》
今は12時10分前。
後10分したらゲーム開始だ。
スイ達はそれぞれのアイテムや装備の確認をしている。
走らなければいけない、 なるべく身軽の方が良いだろう。
空にモニターがふたつ現れた。
どうやら鬼の位置や動きを見せてくれるみたいだ。
その真ん中には時間が表示されていて12時に表示されていている、 色はグレーだ。
《開始になったら時計はカウントダウンしていくよ。これで残りのゲーム時間を確認してね!さあ、 準備はいい?》
ゲーム、 スタート!!
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