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第2章 水の都アクアエデンと氷の城
堕天使とは
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ガチャ券を使用するプレイヤーは72パーセントらしい。
運営情報である。
好きじゃないものが当たったのか、使用しない人も居るようだ。
我がフェアリーロードのメンバーは全員がガチャ券を使用している。
驚きは、あまりいないらしい天使族が二人いた事だろうか。
リィンとナズナである。
正統派天使(仮)と、暴走天使ですね。わかります。
ナズナちゃん、あなた天使になったんだからタクを見ながら足を素振りするのやめなさい。
ほら、犬の尻尾が足の間に挟まって耳が垂れ下がってるじゃないの。
邪悪な顔で笑うのやめなさい。
あなた、いつか翼が黒くなっちゃいますよ。
みんな個性的である。
スイが外を歩いていて気付いた事があった。
それは、街の住人達が少しずつ変わってきているのだ。
1番びっくりしたのは、買い物をした時だ。
「お姉さん………これあげますよ。サービス」
ポーションを購入した際に渡されたマジックポーション
何故か店員さんが哀れんだ表情で翼を見ながら渡してきたのだ。
いったい、何事。
何故か多量のポーション等の回復薬を進められ、購入予定よりも多めに買ったスイは首をかしげながら店を出た。
「…………教会かぁ」
ステンドグラスが綺麗に輝く大きな教会。
噴水広場から離れた場所にあり、スイはあまり来たことが無い場所だった。
どうせなら、と扉を開き中に入ると一気に体がざわめいた。
なんと言えばいいのか、不快感が身体中を巡るのだ。
腕をさすりながら入っていくと、不快感はどんどんと酷くなる。
カタカタと体が震えてくるくらいだ。
「…………あなたは」
扉を開く音が聞こえて振り向くと、奥に続く扉が開かれ男性が立っていた。
「あ、あの……」
「とりあえず、出ましょうか」
男性は教会の入口へと体の向きを変えさせて背中を押した。
促されるままスイは外へと向かい歩き出す。
「…………あ、不快感が消えた」
外に出た途端、あれはなんだったのかと言うくらいにスッキリと不快感は無くなった。
男性はニッコリと笑って庭にある椅子へとスイを導く。
促されるままに椅子に座ったスイはどこから出てきたのか暖かい紅茶とスコーンジャムが用意される。
「さぁどうぞ、落ち着きますよ」
「………ありがとうございます」
優しい紅茶の甘さを口にしてホッと息を吐き出した。
「堕天使のあなたが教会に来るなど、随分無茶をなさいましたね」
「え?」
カップを置き男性を見ると、少し驚いた様子だった。
「まさか、存じていないのか」
頷きながら言った男性は、スイに微笑んで爆弾発言をした。
「堕天使に、聖属性は毒となりますよ」
「…………え。」
元々聖属性である天使が何かの禁忌を犯して地に落ちたのが堕天使。
その為、聖属性の加護は一切受け付けなくなるのだ。
教会も聖属性の為、スイには体力を削られ毒のバットステータスがつく。
紅茶に浄化作用がある様で、スイの毒は解除されているが。
「まさか………まさか………回復魔法とかもダメ………?」
「…………そうですね」
「まじかっっっ!!」
だからなのか!?だから道具屋の店員さんが哀れんだ顔をしてマジックポーション渡したのか!!
堕天使って…………ハズレなんじゃね!?
泣きそうになりながらもスコーンを口いっぱいに詰め込みモゴモゴとする。
男性は苦笑しながら自分の紅茶に口をつけた。
「ですが、堕ちた天使は闇を纏います。」
「………闇を纏う?」
頷く男性は、それ以上の情報をくれることはなかった。
スイはよく分からないが、とりあえず回復魔法は使えないことを知った。
これはかなりの致命的な事では無いだろうかと、唸る。
そしてフェアリーガーデンに戻り部屋からログアウトをしたのだった。
「…………えーっと、これが掲示板かぁ」
パソコンをパチパチパチと叩きながら画面に表示されている文字を目で追う。
ガチャ券について、ズラっと書かれていた。
そこで見つける堕天使の表示
>82 名無し
堕天使あたった
>83 名無し
お!あついな!
>84 名無し
まじか、ルシファーか笑
>85 名無し
情報wktk
>86 名無し
……………これは…
おい、堕天使を引いた諸君。堕天使の装備はおすすめしない
>87 名無し
どうした?
>88 名無し
なにかあった?
>89 名無し
丁度戦闘中だった為検証した。
結果
飛行能力あり、ただし地上3メートルまで。要練習
聖属性魔法の使用が一切出来ない。
聖属性魔法や、武器を使う奴は要注意。
1番の問題点、聖属性魔法を受けることも出来ない。
>90 名無し
え?それって……
>91 名無し
そう、バリア等から回復まで一切支援を受けれない。
むしろ、ダメージくらうぞ。
>92 名無し
なんだその縛りプレイは!!
>93 名無し
いきなりハードプレイ
>94 名無し
その代わり、闇属性の攻撃なんかが跳ね上がった
>95 名無し
とんがりすぎだろ、堕天使
>96 名無し
なぁ、俺のフレの話なんだけどさ。
>97 名無し
ん?なんか進展あったか?
>98 名無し
いや、進展じゃないんだがさ。
この種族変更について、種族の詳細がわかるのが使用した後なのがおかしいって運営にクレームしたらしいんだが
>99 名無し
マジか、なんて勇者
>100 名無し
私もこれにはちょっとって思った。
運営はなんて?
>101 名無し
ちゃんと装備したら外せない事は表示してる事だから、決定権はプレイヤーにある。
詳細については、全てがわかったらつまんないだろ。
ゲームでしか出来ない面白設定なんて現実世界じゃ出来ないんだから全てを楽しめばいい。
何が当たるかわからないワクワクを忘れるな。
それでも気に入らないなら、特殊クエストや公式クエストなんかでも今後プレミアムガチャ券は配布されるからそれを使え
って内容をものすごーく丁寧に書かれて返事が来たらしい。
>102 名無し
運営ぇwww
>103 名無し
マジかw
>104名無し
でもさ、あの雪合戦とかも含めてクエスト結構ぶっ飛んだ内容多いし。
そういうのもありなんじゃない?
>105 名無し
ちゃんと嫌なら頑張ってガチャ券ゲットしろって親切に教えてくれてるしな
>106 名無し
そういう問題なの?
>107 名無し
このゲーム自体がそういうの雰囲気あったじゃん。
今更なんじゃない?
>108 名無し
運営がさ、元々こういうコンセプトだったんじゃない?
…………………
この後も様々な情報が追加されていて、翠は天を仰ぐ。
そして、そっとパソコンを閉じた。
「………………これは詰んだんじゃない……?」
もう今日はおしまい、と、まだ夜7時半にも関わらず布団に入ってしまった。
「………ふて寝してやるぅ」
運営情報である。
好きじゃないものが当たったのか、使用しない人も居るようだ。
我がフェアリーロードのメンバーは全員がガチャ券を使用している。
驚きは、あまりいないらしい天使族が二人いた事だろうか。
リィンとナズナである。
正統派天使(仮)と、暴走天使ですね。わかります。
ナズナちゃん、あなた天使になったんだからタクを見ながら足を素振りするのやめなさい。
ほら、犬の尻尾が足の間に挟まって耳が垂れ下がってるじゃないの。
邪悪な顔で笑うのやめなさい。
あなた、いつか翼が黒くなっちゃいますよ。
みんな個性的である。
スイが外を歩いていて気付いた事があった。
それは、街の住人達が少しずつ変わってきているのだ。
1番びっくりしたのは、買い物をした時だ。
「お姉さん………これあげますよ。サービス」
ポーションを購入した際に渡されたマジックポーション
何故か店員さんが哀れんだ表情で翼を見ながら渡してきたのだ。
いったい、何事。
何故か多量のポーション等の回復薬を進められ、購入予定よりも多めに買ったスイは首をかしげながら店を出た。
「…………教会かぁ」
ステンドグラスが綺麗に輝く大きな教会。
噴水広場から離れた場所にあり、スイはあまり来たことが無い場所だった。
どうせなら、と扉を開き中に入ると一気に体がざわめいた。
なんと言えばいいのか、不快感が身体中を巡るのだ。
腕をさすりながら入っていくと、不快感はどんどんと酷くなる。
カタカタと体が震えてくるくらいだ。
「…………あなたは」
扉を開く音が聞こえて振り向くと、奥に続く扉が開かれ男性が立っていた。
「あ、あの……」
「とりあえず、出ましょうか」
男性は教会の入口へと体の向きを変えさせて背中を押した。
促されるままスイは外へと向かい歩き出す。
「…………あ、不快感が消えた」
外に出た途端、あれはなんだったのかと言うくらいにスッキリと不快感は無くなった。
男性はニッコリと笑って庭にある椅子へとスイを導く。
促されるままに椅子に座ったスイはどこから出てきたのか暖かい紅茶とスコーンジャムが用意される。
「さぁどうぞ、落ち着きますよ」
「………ありがとうございます」
優しい紅茶の甘さを口にしてホッと息を吐き出した。
「堕天使のあなたが教会に来るなど、随分無茶をなさいましたね」
「え?」
カップを置き男性を見ると、少し驚いた様子だった。
「まさか、存じていないのか」
頷きながら言った男性は、スイに微笑んで爆弾発言をした。
「堕天使に、聖属性は毒となりますよ」
「…………え。」
元々聖属性である天使が何かの禁忌を犯して地に落ちたのが堕天使。
その為、聖属性の加護は一切受け付けなくなるのだ。
教会も聖属性の為、スイには体力を削られ毒のバットステータスがつく。
紅茶に浄化作用がある様で、スイの毒は解除されているが。
「まさか………まさか………回復魔法とかもダメ………?」
「…………そうですね」
「まじかっっっ!!」
だからなのか!?だから道具屋の店員さんが哀れんだ顔をしてマジックポーション渡したのか!!
堕天使って…………ハズレなんじゃね!?
泣きそうになりながらもスコーンを口いっぱいに詰め込みモゴモゴとする。
男性は苦笑しながら自分の紅茶に口をつけた。
「ですが、堕ちた天使は闇を纏います。」
「………闇を纏う?」
頷く男性は、それ以上の情報をくれることはなかった。
スイはよく分からないが、とりあえず回復魔法は使えないことを知った。
これはかなりの致命的な事では無いだろうかと、唸る。
そしてフェアリーガーデンに戻り部屋からログアウトをしたのだった。
「…………えーっと、これが掲示板かぁ」
パソコンをパチパチパチと叩きながら画面に表示されている文字を目で追う。
ガチャ券について、ズラっと書かれていた。
そこで見つける堕天使の表示
>82 名無し
堕天使あたった
>83 名無し
お!あついな!
>84 名無し
まじか、ルシファーか笑
>85 名無し
情報wktk
>86 名無し
……………これは…
おい、堕天使を引いた諸君。堕天使の装備はおすすめしない
>87 名無し
どうした?
>88 名無し
なにかあった?
>89 名無し
丁度戦闘中だった為検証した。
結果
飛行能力あり、ただし地上3メートルまで。要練習
聖属性魔法の使用が一切出来ない。
聖属性魔法や、武器を使う奴は要注意。
1番の問題点、聖属性魔法を受けることも出来ない。
>90 名無し
え?それって……
>91 名無し
そう、バリア等から回復まで一切支援を受けれない。
むしろ、ダメージくらうぞ。
>92 名無し
なんだその縛りプレイは!!
>93 名無し
いきなりハードプレイ
>94 名無し
その代わり、闇属性の攻撃なんかが跳ね上がった
>95 名無し
とんがりすぎだろ、堕天使
>96 名無し
なぁ、俺のフレの話なんだけどさ。
>97 名無し
ん?なんか進展あったか?
>98 名無し
いや、進展じゃないんだがさ。
この種族変更について、種族の詳細がわかるのが使用した後なのがおかしいって運営にクレームしたらしいんだが
>99 名無し
マジか、なんて勇者
>100 名無し
私もこれにはちょっとって思った。
運営はなんて?
>101 名無し
ちゃんと装備したら外せない事は表示してる事だから、決定権はプレイヤーにある。
詳細については、全てがわかったらつまんないだろ。
ゲームでしか出来ない面白設定なんて現実世界じゃ出来ないんだから全てを楽しめばいい。
何が当たるかわからないワクワクを忘れるな。
それでも気に入らないなら、特殊クエストや公式クエストなんかでも今後プレミアムガチャ券は配布されるからそれを使え
って内容をものすごーく丁寧に書かれて返事が来たらしい。
>102 名無し
運営ぇwww
>103 名無し
マジかw
>104名無し
でもさ、あの雪合戦とかも含めてクエスト結構ぶっ飛んだ内容多いし。
そういうのもありなんじゃない?
>105 名無し
ちゃんと嫌なら頑張ってガチャ券ゲットしろって親切に教えてくれてるしな
>106 名無し
そういう問題なの?
>107 名無し
このゲーム自体がそういうの雰囲気あったじゃん。
今更なんじゃない?
>108 名無し
運営がさ、元々こういうコンセプトだったんじゃない?
…………………
この後も様々な情報が追加されていて、翠は天を仰ぐ。
そして、そっとパソコンを閉じた。
「………………これは詰んだんじゃない……?」
もう今日はおしまい、と、まだ夜7時半にも関わらず布団に入ってしまった。
「………ふて寝してやるぅ」
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