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第2章 水の都アクアエデンと氷の城
幻の食材とレアドロップを求めて
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「ごめんねー、付き合わせて」
「行ったことないし、楽しみだよ」
クリスティーナが狙うのは氷の城にある魔物から取れる食料だった。
中枢から最奥に氷属性の豹が現れるのだが、その豹からはかなり身のしまった肉が取れる。
また、部位によって様々な食感の肉が取れるのだが特に希少価値の油の乗った場所がある。
それは雌にしかない為、クリスティーナは雄雌を出来るだけ綺麗な状態で倒し持ち帰りたかった。
「だから、よろしく!」
「がんばるよー!」
クリスティーナの頼みで集まったのはスイにリィン、デオドールとイズナ、そして
「私まで、すいません」
ペコッと頭を下げたのはバイトで来ている男性プレイヤーの清水。
氷の城で手に入る氷結のブレスレットが欲しいと、クリスティーナの話を聞いて志願してきたのだ。
氷結のブレスレット
氷属性+10
水耐性+10
使用時衣装チェンジ効果あり(アバター)
レアドロップ。
性能はイマイチだが、衣装チェンジ効果があるため特に女性プレイヤーにかなりの人気。
レアドロップだからなかなか出ないが、出たらかなり羨ましがられる。
男女でアバターが違うが、仲の良い友達同士や恋人夫婦でお揃いにするのが最近の人気だ。
「………その、好きな人が居てプレゼントしたいんです」
金髪碧眼のイケメンモテ男子が、顔を赤らめながら言った。
それにクリスティーナがにんまり笑って、レアドロップ取ったらクリスティーナちゃん特製、告白用スペシャルケーキを店員価格で作ってくれると約束した。
「よーし、幻の食材とレアドロップを求めて」
『しゅっぱーつ!!』
氷の城は1階から最上階である6階まであり、3階から敵のレベルが跳ね上がる。
今いるプレイヤーは行けて5階の前半らしく、攻略方法も4階までしか書かれていない。
その為、第3の街は城攻略後に解放ではないかと言われている。
「…………おおぅ」
城の扉が開き、中は薄い青と冷えた空気がスイ達を迎えた。
氷で出来た装飾品は触るとひんやりするが、巨大な花は冷たくなく、むしろ花弁の中に入れるオブジェクトの作りが素晴らしかった。
「見てくださーい!」
広がった花弁の真ん中に座るリィン。
ピンクのスカートが広がり巨大な花の中心に座るリィンは親指姫みたいに小さく見える。
「あぁん!かーわーいーいー!!私も入っていい?」
『やめて!!』
クリスティーナが入りたーいと言うが、ムキムキ女子が巨大な花に入るなど………
殺傷能力が高すぎる……
「ほらほら、敵が来たのですよー」
ふわふわ笑って言ったデオドールが一瞬で真顔になり巨大ハンマーを取り出した。
ぐるりと一回転して遠心力を付けトカゲの形の敵を粉砕した。
回転した為スカートがフワリと浮き上がったが、デオドールは無表情のまま次にくる敵に向かってジャンプし
「スキル『投擲』」
巨大ハンマーをすごい勢いで投げ一直線に敵を倒した。
その空いた道をイズナが走り抜け左を崩し始めた。
「イズナありがと」
空いた場所をデオドールが走り、現れた敵はブーツに付いている刃物が飛び出し強力な蹴りで血飛沫をあげた。
「相変わらず、戦闘中が別人みたいね」
イズナがスカートに付いた氷の破片を払いデオドールを見ると、無表情でハンマーを拾い下からすくい上げるように振り上げた。
空気が震え周りの敵が衝撃波により吹き飛ばされる。
「…………もぅ、ちゃんと警戒しないと危ないのですよー」
ハンマーをしまって振り向き言ったデオドールに、スイ、クリスティーナ、そして清水は口をポカンと開けていた。
……………30ちかくの敵を、一瞬で……
「す……すごい」
清水が目を見開いてデオドールを見る。
デオドールはいつもほわほわと笑い戦闘とはかけ離れているから余計だろう。
「1階ですからね。これくらい問題ないのですよー」
さぁ。いきましょ!
ドロップを確認してからそう言って奥に進んで行った。
「行ったことないし、楽しみだよ」
クリスティーナが狙うのは氷の城にある魔物から取れる食料だった。
中枢から最奥に氷属性の豹が現れるのだが、その豹からはかなり身のしまった肉が取れる。
また、部位によって様々な食感の肉が取れるのだが特に希少価値の油の乗った場所がある。
それは雌にしかない為、クリスティーナは雄雌を出来るだけ綺麗な状態で倒し持ち帰りたかった。
「だから、よろしく!」
「がんばるよー!」
クリスティーナの頼みで集まったのはスイにリィン、デオドールとイズナ、そして
「私まで、すいません」
ペコッと頭を下げたのはバイトで来ている男性プレイヤーの清水。
氷の城で手に入る氷結のブレスレットが欲しいと、クリスティーナの話を聞いて志願してきたのだ。
氷結のブレスレット
氷属性+10
水耐性+10
使用時衣装チェンジ効果あり(アバター)
レアドロップ。
性能はイマイチだが、衣装チェンジ効果があるため特に女性プレイヤーにかなりの人気。
レアドロップだからなかなか出ないが、出たらかなり羨ましがられる。
男女でアバターが違うが、仲の良い友達同士や恋人夫婦でお揃いにするのが最近の人気だ。
「………その、好きな人が居てプレゼントしたいんです」
金髪碧眼のイケメンモテ男子が、顔を赤らめながら言った。
それにクリスティーナがにんまり笑って、レアドロップ取ったらクリスティーナちゃん特製、告白用スペシャルケーキを店員価格で作ってくれると約束した。
「よーし、幻の食材とレアドロップを求めて」
『しゅっぱーつ!!』
氷の城は1階から最上階である6階まであり、3階から敵のレベルが跳ね上がる。
今いるプレイヤーは行けて5階の前半らしく、攻略方法も4階までしか書かれていない。
その為、第3の街は城攻略後に解放ではないかと言われている。
「…………おおぅ」
城の扉が開き、中は薄い青と冷えた空気がスイ達を迎えた。
氷で出来た装飾品は触るとひんやりするが、巨大な花は冷たくなく、むしろ花弁の中に入れるオブジェクトの作りが素晴らしかった。
「見てくださーい!」
広がった花弁の真ん中に座るリィン。
ピンクのスカートが広がり巨大な花の中心に座るリィンは親指姫みたいに小さく見える。
「あぁん!かーわーいーいー!!私も入っていい?」
『やめて!!』
クリスティーナが入りたーいと言うが、ムキムキ女子が巨大な花に入るなど………
殺傷能力が高すぎる……
「ほらほら、敵が来たのですよー」
ふわふわ笑って言ったデオドールが一瞬で真顔になり巨大ハンマーを取り出した。
ぐるりと一回転して遠心力を付けトカゲの形の敵を粉砕した。
回転した為スカートがフワリと浮き上がったが、デオドールは無表情のまま次にくる敵に向かってジャンプし
「スキル『投擲』」
巨大ハンマーをすごい勢いで投げ一直線に敵を倒した。
その空いた道をイズナが走り抜け左を崩し始めた。
「イズナありがと」
空いた場所をデオドールが走り、現れた敵はブーツに付いている刃物が飛び出し強力な蹴りで血飛沫をあげた。
「相変わらず、戦闘中が別人みたいね」
イズナがスカートに付いた氷の破片を払いデオドールを見ると、無表情でハンマーを拾い下からすくい上げるように振り上げた。
空気が震え周りの敵が衝撃波により吹き飛ばされる。
「…………もぅ、ちゃんと警戒しないと危ないのですよー」
ハンマーをしまって振り向き言ったデオドールに、スイ、クリスティーナ、そして清水は口をポカンと開けていた。
……………30ちかくの敵を、一瞬で……
「す……すごい」
清水が目を見開いてデオドールを見る。
デオドールはいつもほわほわと笑い戦闘とはかけ離れているから余計だろう。
「1階ですからね。これくらい問題ないのですよー」
さぁ。いきましょ!
ドロップを確認してからそう言って奥に進んで行った。
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