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第2章 水の都アクアエデンと氷の城

フェアリーガーデン開始

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あれから運営の頑張りで公式イベントの動画は公式サイトに載った。
これらは、全てのプレイヤーに載せることを告知してからの掲載である。
今後のAnotherfantasia新規を増やすのにかなりの影響を持ち、奏者希望が増えるのはもう少しあとの事になる。

そして、武器についての下方修正がされた。
武器の同時持ちは、今のレベルやスキルではまだまだ誰もできないがスイがやった武器の持ち替えは可能。
しかし、爆発的な火力を出し、パワーバランスを崩した為、武器の持ち替えは武器破損を除き1日1回の制限とする。
そして、持ち替え後にはその日を除き現在使用中以外の武器を三日間使用不可。その為、事実武器の持ち替えは3日に1度となる。
それに伴いメイン武器とサブ武器の設定必須となった。
基本はメイン武器を使い、登録出来るサブ武器1個を持つことが可能。
三本以上持っている人は予備となり現在使用不可。
このメイン武器の登録はいつでも出来るが、制限中は出来ない。

※戦闘以外では自由に持つのは可能。
楽器の場合は弾く場合も自由。
レベル上げのためにメイン武器、サブ武器の使用に制限はないがフィールドが限定され、敵ドロップ一切無しのレベリングのみのフィールドで行う。


この事にプレイヤー達はあの時のスイを思い出し苦笑いをした。
正直助かる、あれが普通にコロコロ出来るなんて悪魔降臨もいいところだ。
また、武器の制限についても殆どのプレイヤーは武器を一種類使用、極小数2種類使う人が居ることは運営も把握していた。
この2種類使用者は、制限付きの武器の入れ替えで使ってもらう事で解消された。

これによりスイの戦力は減少、クリスティーナに言われたがスイは手に入れたもふもふを愛でるのに忙しくそんなのいい!と言いながら頬擦りしていた。
ちょっと煩わしそうな顔をしているもふもふに、ショックを受けるがすぐに機嫌を良くしたもふもふがヘレヘレしてるのを見て可愛さに砕け散った。

ペット飼育が増えたことで新たにペットショップとドッグランが増えることが決定。













公式イベント終了から5日がたった。
新たな仲間を手に入れたフェアリーロードは本格的なお宿の開業に乗り出した。
室内の整備やもふもふ広場も出来上がる。

入口正面に宿のカウンター、部屋の様子とその価格が表示されている。
その周囲には椅子とテーブルを置いて、カウンターから向かって左にもふもふ広場をかなりの範囲作った。
水飲み場は勿論ボールなどのおもちゃやお家
猫用爪とぎや登って遊ぶタワーなども完備。
敷きパッドを用意してお昼寝スペースも確保している。
これは全てのもふもふのための場所でちゃんと柵で囲われている。
現在はスイ、カガリ、セラニーチェの3匹がいる。

スイのもふもふは静かに座り歩くスイをずっと目で追っている。
コロコロ転がる時も有るがその視線はスイから離さない。
たまにもふもふを見ると目を輝かせ柵につかまり尻尾とお尻をブンブン振っている。
放置時間が長いと耐えきれずに奇声を上げてスイを呼び抱っこを求めた。
慌てて走りより抱っこするスイに全身擦り付けて喜びを表現する。

カガリのゴールデンレトリバー、茶太郎は敷きパッドがお気に入りでよくお昼寝をしている。
くるりと体を丸めて置いてあるクッションを枕にしているのだ。
あまり構って構ってはしないがまったりしている時にカガリが来た時はご主人様ウェルカム!と体を起こして飛びついてくる。
もふもふや、セラニーチェの猫よりも大きいが喧嘩なども無く、構ってと来る2匹と一緒に遊んでいる。
ちなみに茶太郎は飼ったら付けたい名前だったらしい。犬、白いが茶太郎で満足そうだ。

セラニーチェの猫、萌はまったりマイペース。
一人遊びも好きだし、みんなで遊ぶのも好き。
ご主人様大好きっ子の萌は抱っこがお気に入りだ。
猫の割にはどんくさく、運動神経があまり無いのか興味本位で動くがその後動けなくなる事が良くある。
1番のお気に入りのタワーはムズムズとお尻を動かし尻尾ゆらゆら
走り登るが途中でずりずりと落ちる。
1度上に乗せてあげるが自分で上がってないので不満気であった。
先日初めてタワーに登り嬉しさに尻尾ブンブンするが降りれなくなりニャンニャン泣き出す。
見かねた茶太郎ともふもふが近づき、茶太郎が伸び上がって萌の首元を噛み下ろしてあげた。
その後暫く二匹の側を離れなかった萌はニャンニャン泣きながら茶太郎のお腹に顔を埋めていた。


賑やかになったクランハウスをクラメン達はニヤニヤと笑いながら見ていた。


少し離れた場所には食堂がある。
カウンターの奥にはキッチンで、クリスティーナが使いやすい様に場所を動かしていた。
動かしているのはスイだが。
重い冷蔵庫も軽々抱え、全員ドン引きだが、スイ自身もドン引きである。

食堂も綺麗なテーブルと椅子、テーブルクロスも用意した。
食券は券を買う機械の設置、手渡しでクラメンに渡した後出来上がったら呼び出し。
まるでサービスエリアである。

種類も食べやすいものから凝ったものまで様々あり、リーズナブルに提供出来るように設定した。
お宿の食事との差を作るためでもある。
ちなみに、お客様のペットももふもふ広場で預かりOK、ペットと言ってもゲーム内のため衛生面は問題ないため一緒に食べることもできるが、その場合はペット嫌いも考慮して端の方限定である。

お宿の方も準備は万端。
元々出来てはいたが、それにペットスペースを作った。
勿論壊したら弁償はあるが、ペット飼育をちゃんとしたら問題ないだろう。



「もふー」

「きゃん!」

ヘレヘレとしているもふもふを抱き上げてみんなが集まる場所に行く。
傍らには茶太郎や萌も一緒だ。
それぞれのご主人様の元へ行った二匹はゴロニャンと甘えている。





「それじゃ、クランハウスの始動!!」

『おーーーー!!!』


スイはもふもふの手を握って上に上げた。
クランハウスの宿、【フェアリーガーデン】がとうとうオープンだ!!


カガリ率いるフェアリーロードはクランハウスから出てお宿の入口に立つ。
この日のために用意した看板は妖精と庭をモチーフにした木でできた看板で、風魔法を使い玄関上部につける。
その様子を見ていたプレイヤー達は顔を見合わせ近づいてきた。

「フェアリーガーデン?」

付いた看板を見て言ったプレイヤーに、スイは振り向き、もふもふの腕でクランハウスを指さした。

「私たちフェアリーロードが経営するお宿、フェアリーガーデンです!食事処もありまして、料理人はクリスティーナですよ!」

フリフリフリフリと手を動かすと、構ってもらっていると勘違いしたもふもふが尻尾をフリフリして頭を擦りつけてきた。
かわい!と撫でてから、今日からオープンです!と笑っていった。

「それじゃ、私行ってきますね」

「あ、私も行きますよ!」

クリスティーナの飯!?
まじかよ!!
え!?食うしかない!
宿っていったよな?泊まれるんだろ?
あのクソ火力のスイたんがいるクランの宿…
な、仲良くなれるかな……

ザワつく周囲から離れてスイとリィンは噴水広場へと歩き出した。
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