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第2章 水の都アクアエデンと氷の城

公式イベント概要とゲームマスター

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室内に響き渡った声は少年のもので、全員が顔を見渡した時外がざわざわと騒ぎ出した。
フェアリーロードのみんなも外に出ると、空は雲りどんよりとしている。

「なんだ?」

周囲にはプレイヤーは勿論NPCも外に出てきているのがわかる。
NPCにも不安な様子が見える事を確認したスイはイベントと気づいていない。

[やあプレイヤーの諸君、僕はそのゲームの開発者代理。ゲームマスターとでも呼んでよ。今回僕が皆の前に出てきたのはね、二週間後に開催される公式イベントの話のためだよ!]

曇っていた空が急に晴れて一人の少年が現れた。
肩まで伸ばした二色の髪に帽子をかぶり屈託のない表情で笑ってる

「あ、ゲーム内で発表があるって書いてたわよね」

セラニーチェがつぶやき周りがうなずいている。
加入ラッシュにスイの現状。そしてクリスティーナの迫力と衝撃に忘れ去られていた公式イベントの告知。
大事だから忘れないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!

[じゃ、みんなが待っている公式イベントの概要を発表するよ!イベントは雪合戦陣地取りゲーム!四つに分かれたチームでそれぞれの陣地の最奥にある大将を討伐して最後に残ったチームが優勝!そのチームには運営から報酬が配られるからね!]

○陣地は十字になっていてそれぞれ四つに分かれている。
○陣地の移動は自由だが、当然戦闘(雪合戦)になる
○フィールドには障害物などあり、また設置可能。
○攻撃は雪玉での攻撃で、一人につき5回当たったら戦闘不能になる。また、スタミナがなくなった時も戦闘不能となる。
○雪玉はフィールド内どこにでもあるため、移動中に入手。またバックへの収納は不可。
○雪玉での攻撃となるが、戦闘の仕方はそれぞれで考えて動くものとする。
○大将は各チーム1人決める事。
○大将討伐も同じく雪玉5回で戦闘不能となる。

[ルールは今伝えた通りだよ!早く大将を討伐できるように頑張ってね!あ、そうそう力が均等になるようにチーム編成はこっちで決めるよ。クランは基本1チームとして見るからバラしたりはしないけど希望は聞くからエントリーの時に希望者は書いてね。あと、優勝と関係なく個人とチーム用に貢献度の高い人には報酬を用意しているから楽しみにしててね!攻撃やサポートどちらでも貢献度に影響するよ!お知らせは以上、これは公式サイトのも掲載するから聞き逃した人は各自確認してね!じゃ、楽しいゲームライフを!!!またねーーー]

またね、と手を振ってあっという間に消えたゲームマスターに全員茫然。
とりあえずわかった情報を全員で確認するためにクランハウスへと戻っていった。





「まさかの雪合戦って…」

苦笑していうクラーティアに全員がつられたように苦笑する。

「まあ、陣地取りって言ってたし楽しそうじゃない?クラン単位で出れるみたいだしね」

「しっかし雪合戦かあ、戦力差の関係なんかなぁ武器での戦闘でないのはちょっと苦戦しそうだな」

タクが自分の武器である剣を見て言うのをスイは首を傾げてみていた。

「どうしたの?スイちゅわあああああん」

自分を見ていることに気付いたタクが顔をデレッと緩ませて聞いてきた。

「あの、なんで武器使っちゃダメなんですか?」

「え?だって雪合戦だろ?」

「……武器使っちゃダメって言ってなかったですよ…ね?」

スイの一言に全員がシーンとなった
確かに言ってない。しかも、障害物の使用も認められているのだ
戦闘不能の条件も雪玉5回のほかにスタミナ切れも入っている。

「攻撃も魔法も妨害で使えて、スタミナは回復できるのでは…報酬の貢献度ってここらへんかなって思ったんですけど…」

スイが考えながら言う中、全員が話すスイを見ている。
盲点!!!!!!!

「それだわ!確かに言ってないし禁止されてない!」

「ほかにもきっと同じように勘違いしてる人もいそうですよね」

「それなら炊き出しみたいにお料理を出してステータスあげるのもありじゃない?」

『なにそれおもしろい!!!!』

ほめられたぁぁぁとクネクネするクリスティーナは早速食べやすい食事考えないと!!と張り切っている。

「雪合戦が楽しみになってきたましたねー」

「暴れてやるのですよー」

クラーティアがわくわくしながら言うと、デオドールがのほほんと答えていた。

「雪合戦かぁ」

同じくわくわくしているスイに全員がほわわわんと笑った。






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