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第1章 はじめまして幻想郷

変則クエスト13

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討伐目標の五体を倒したスイたちは、依頼人である屋敷の主人の元へと向かった。
長い地下を歩き1階に繋がる階段をリズミカルに上がる。

「やっと地下から出れますね!」

「ちょっとジメジメしてたものねー」

女性プレイヤーの皆がほっとしたように口々に言い、1階へと向かった。


「やぁ、お疲れ様。…………………ペットへの食事は失敗したようだね、せっかくあそこまで育てたんだがなぁ」

1階の最初に集まった部屋で、同じように椅子に座るこの屋敷の主人カウダークは笑いながら言った。

「…………よく笑って言えますねぇ?」

「うん?食事に君たちを用意したことかい?別にいいじゃないか!君たちは私たちと違って死んでも生き返るじゃないか!」

しかし、可愛いペットがいなくなったから、新しいペットを作らないとなぁ……
そんな不穏な言葉を綴るカウダークに、全員が顔を顰めていた。

「いやいや、しかしこのクエストはクリアとなった。
さぁ、報酬だ!」

全員に渡された多額の資金に、それぞれの職種に合った高位の武器だった。
武器は重さの感じない箱に入れられている。
大きさは皆同じで、武器の大きさに関わらず箱に収納出来るようだ。
プレゼントBOXと表示されている。
それぞれの資金とプレゼントBOXをしまい、カウダークを見る。

「いやはや、今回は食事はむりだったが、またよろしく頼むよ」

『二度と受けねーよ!!!』

おとといきやがれー!!という勢いで全員屋敷から飛び出したのだった。










「…………はぁ、ひっどいクエストだったわねぇ…」

「まったくだな」

噴水広場に着いた。
セラニーチェがため息を吐きながらベンチに座る。
ちょっと噴水の水が跳ねて頬を濡らした。

「…まぁ、金は助かるがなぁ」

ジャラリとお金の入った袋を持つカガリはちょっとニヤニヤ笑っている。

全員に配られたそのお金と武器にホクホクと笑ってしまう。
渡されたお金で目標のクランハウスは手に入れれそうだし、リンドーたちは武器は手に入ったから、装備を新調すると喜んでいた。
特にグレン59やリンドーは武器破壊されているので嬉しさ倍増である。

「…うーん、武器かぁ」

「どうしたんですか?」

「武器嬉しくないー?」

箱をじっと見るスイに、リィンとクラーティアが首を傾げるとスイはいいえ、違うんですと答えた。

「嬉しいんですけど、買ったばかりのこのイルカさん気に入ってるし、この新しい武器接近攻撃出来るのかなぁ…と」

まだ箱を開けていないため中身はわからない。
プレゼントBOXは完全ランダムらしいが、今回は高位武器が出るのは確定しているようだから損は無いとカガリは言った。

「レベルが上がると、武器重複とか武器入れ替えスキルが取れるらしいから良い武器なら持っておくのがいいと思うのですよー」

ふわりと笑って言ったのは、ハンマーを持って無表情で戦っていた女性だった。
纏めていた髪を解いて腰までのゆるふわウエーブを背中に流す。

あまりにも戦闘の時との違いにスイとファーレン、そしてリンドーたちは目を見開かせた。

「あらあら、どうしたのかしらー?」

頬に手を当ててうふふ、と笑うその女性はニコニコと笑っている。
あの中性的な雰囲気は一切なかった。


「ギャップモエー………ってやつ?」

「ナズナ、ちょっと違う」

「………違う?」

ナズナが女性の腰にくっついて言うと、イズナが手を振った
女性はあらあらーと言いながらもナズナをぎゅーっと抱きしめる。

「あいかわらず、デオドールのおっぱいは最高」

女性、デオドールが抱きしめた事により押し付けられる胸に、ナズナが親指を立てた。
そして、キラリと光る目でスイを見る

「スイのおっぱいも………よさそう」

「お、おぉう、予想外の壊れキャラ…」

スイは苦笑しながらも、次はスイと言うナズナを見ていた。





こうして、変則クエストは終了した。
リンドー達とはフレンド登録をして強くなるからまた共闘したいとの希望にみんな笑って頷いていた。
次は足を引っ張らない、たたかってやる!と闘志を燃やして別れていった。

そしてスイたちはクランハウスを手に入れる為に次の街を目指す。
ボス戦を控えている今、少しの休憩と物資の補給が必要な為、1度ログアウトする事にきめた。





よっし、次はボス戦!
頑張るぞー!!
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