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第1章 はじめまして幻想郷

変則クエスト12

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クエスト中の所をなぜか始まった模擬戦を終わらせて、最後のキメラ討伐に向かったスイたち。
スイは、通常と同じ後方支援をしながらも、回復や魔法職の護衛的立場に居ることが決まった。
どっちもヘイト取りやすいから助かるー!と笑って言ったセラニーチェ。
まかせてー!と笑ってスイが答えたら、クラメンがヒューヒューと囃し立てる。

「さーて…サクサク倒して…クエストおわらせるよー」

ナズナが棒読みに右手をグーにしてユルユルと腕を上げる。
ふわふわとスカートを翻してイズナに飛びついた。
ひゃーーー!!??
悲鳴が聞こえる。

「あと1匹ですよねー、何処にいるかなー」

クラーティアがナズナに絡まれてるイズナを見ると、必死に無表情のナズナの頬を押して離そうとしている。

「い、今は近くに、居ない、みたい!よ!!」

「そ、そうか…」

「わかった……」

イズナとナズナの様子に口をヒクヒクさせながらグレンとカガリが答えた。

結局、場所はわからない為出口に向かって歩くことにした。
隣にいたグレンを見上げる

「あの、グレンさん」

「「なんだ?」」

『…………………………??』

スイがグレンを呼ぶと、2箇所から返事が来て全員が振り返る。
スイの隣にいるグレンと、その少し前にいるグレン59。

「………あ、そういえば2人とも名前グレンですねー」

「……グレン?」

クラーティアが言うと、グレン59がじっとグレンを見る。
自分が歯が立たなかったキメラを軽々超火力で倒したグレンに眉を寄せていた。

「え?あなたもグレンって名前なんですか?凄い偶然ですね!」

グレンが答える前にリィンが手を合わせて言うと、グレン59はちょっと困ったように頷き、ティアラが肘でつんつんとつつく。

「………そうなのか、グレンの名前を気に入っているから、名前をつけた時既にいると言われて気になっていたんだ。」

グレン59がグレンの前まで近づき見る
身長はグレン59の方が高いため、グレンは軽く見上げる形になっていた。

「……グレン…さん、あとクラーティアのメンバーも。助けてくれて感謝する。」

グレン59が頭を下げると、仲間である3人も並んで頭を下げた。


「あー、気にすんな。クラーティアは仲間だから助けるのは当然だしお前らがいたからこのクエスト出来るんだからよ」

カガリが手を振って答える
ついでにフェアリーロードのリーダーだと伝えたカガリに、グレン59が頭を下げていた。

「いい仲間ですね」

「そうでしょー、自慢の仲間なんですよー」

ティアラがクラーティアに近づき言うと、クラーティアは満面の笑みで答えて聞いていたリィンとセラニーチェ、スイは嬉しそうに笑った。





そこから最後の一体、キメラが出てきたのは暫く歩いた後だった。
屋敷の1階に繋がる階段を目指して歩いていたスイたちの後ろに現れたキメラは今までの中で1番大きかった。
涎を垂らしてハァハァと息を吐くそれは背中に羽根があって飛んでいる。
ライオンをベースに出来ている体は巨体だが、その体を自由に浮かせているのだ。

「あら、居ましたね最後の一体。」

前衛メンバーが走りより、それぞれの武器を構えた瞬間。

どごぉぉぉぉぉおおん!!!

『……………………えぇー…』

回し蹴りの要領で振り回された楽器がクリーンヒット!!
ぶっとぶ空飛ぶキメラ!!
その上からジャンプ、構えられた楽器によって振り落とされた強烈な一撃!!

『………………えぇぇぇぇ…………』

2回の楽器の攻撃でキメラのゲージが赤まで変わっていた。
全員ドン引き、スイだけが真顔で武器を振りかざし

『…………………あぁぁぁぁぁぁ……………』








モザイクが掛かるレベルのキメラの姿はすぐに結晶に変わって消えた。
いい笑顔で振り向いたスイの頬にはキメラの返り血が付いていて、それに更にドン引きする皆さんたちにスイは気付かず楽器を軽々と持ち上げてブンブンと振る。

「…ねぇ、ただの打撃だったよね」

「あぁ、エンチャントなしのな」

「なんも底上げしなくてあれかよ、エグい…」

「そんなスイちゃんもイイ…」

『ブレねぇな、おい』

パタパタと走りより満面の笑みで来るスイに全員の表情が引き攣りながら迎えた。

「倒せました!………あ、レベル上がった!」

『…うん、おめでとー…』
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