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第1章 はじめまして幻想郷
変則クエスト10
しおりを挟む「……凄い……」
フェアリーロードの戦闘を見ていたファーチルがクランメンバーで話しているのを見ながら呟いた。
圧倒的な力を前に何も出来なかったのに、颯爽と現れた援軍が楽しそうに戦いながらもキメラ達を倒したのだ。
防戦一方だったクラーティアさえも超火力を放ちキメラを倒した。
ファーチルだけではなく、4人全員がその様子を見て呆然とする。
「これで終わりですね!」
ファーレンがニコニコ笑いながら言うと、ナズナが首を横に振った。
「ちがう、もう1匹いる。」
「今ので4体だものね」
イズナも頷きながら肯定する。
「あと1匹か、まぁ、大丈夫だろう」
「セラとリィンの壁があれば魔法も使い放題ですしねー」
「あ、スイさん凄かったですね!バフは強力だし、まさか接近戦まで出来るなんてびっくりしました!!」
リィンはスイの手を握って言うと、カガリがスイに近づき言葉を濁らせながらも謝罪の言葉を口にした。
「……あー、あのよ、悪かったな最初の時酷いこと言って…嫌な気持ちしただろ?随分頑張ったんだな、こんなに動けるようになって」
「スイちゃん、私もごめんなさい。職変更って好きで選んだのを変えろだなんて嫌だったでしょ……?」
「………あー、あの正直最初は何でこんなに言われるのかなー?って思ってました。でも、奏者の評価ってすごい低いんですね」
困ったように笑って言ったスイは、仕方ないのかなって思いましたと答えた。
「ただ、評価でしかわからなくてどうしてこんなに毛嫌いされているのか結局分からなかったんですよね」
それはスイがやっていないベータ時代の時の出来事が起因するので、スイが知らなくて当然。
掲示板とかでも出てるのは地雷職等だけで詳しい内容は書かれていなかった。
新しく始めたオープンからのプレイヤーは、ただ地雷職、不遇職とだけ情報を入手している。
ファーレンも地雷職という事だけがわかっている状態だった。
「……あー、詳しい話はまた後でな。クエストが終わった後にでもしよう。」
まだあと1匹いるから油断は出来ない。
スイは武器を握りしめて頷いた。
まだクエストはおわってないからね!
スイは意気込み残りの討伐に力が入る。
「あ、そうだ」
セラニーチェが急にスイの方を見ながらカガリを指さした。
「ねぇ、カガリに向かって思いっきり攻撃してみてくれるかな?」
「え!?」
急に言われた突拍子もない言葉にスイは目を丸くした。
あのデカいハープで?全力フルスイングを??
………………いやいやいやいやいや。
「だめですよ!」
ブンブンと首を横に振って言ったら、カガリが少し考えて盾をスイに向け構えた。
「よし。こい」
「いや!何がどうなってこうなった!?」
やる気満々のカガリに思わず突っ込むが、カガリがワクワクしてるのが表情でわかりスイはひぃ!と心の中で悲鳴をあげた。
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