45 / 214
第1章 はじめまして幻想郷
変則クエスト10
しおりを挟む「……凄い……」
フェアリーロードの戦闘を見ていたファーチルがクランメンバーで話しているのを見ながら呟いた。
圧倒的な力を前に何も出来なかったのに、颯爽と現れた援軍が楽しそうに戦いながらもキメラ達を倒したのだ。
防戦一方だったクラーティアさえも超火力を放ちキメラを倒した。
ファーチルだけではなく、4人全員がその様子を見て呆然とする。
「これで終わりですね!」
ファーレンがニコニコ笑いながら言うと、ナズナが首を横に振った。
「ちがう、もう1匹いる。」
「今ので4体だものね」
イズナも頷きながら肯定する。
「あと1匹か、まぁ、大丈夫だろう」
「セラとリィンの壁があれば魔法も使い放題ですしねー」
「あ、スイさん凄かったですね!バフは強力だし、まさか接近戦まで出来るなんてびっくりしました!!」
リィンはスイの手を握って言うと、カガリがスイに近づき言葉を濁らせながらも謝罪の言葉を口にした。
「……あー、あのよ、悪かったな最初の時酷いこと言って…嫌な気持ちしただろ?随分頑張ったんだな、こんなに動けるようになって」
「スイちゃん、私もごめんなさい。職変更って好きで選んだのを変えろだなんて嫌だったでしょ……?」
「………あー、あの正直最初は何でこんなに言われるのかなー?って思ってました。でも、奏者の評価ってすごい低いんですね」
困ったように笑って言ったスイは、仕方ないのかなって思いましたと答えた。
「ただ、評価でしかわからなくてどうしてこんなに毛嫌いされているのか結局分からなかったんですよね」
それはスイがやっていないベータ時代の時の出来事が起因するので、スイが知らなくて当然。
掲示板とかでも出てるのは地雷職等だけで詳しい内容は書かれていなかった。
新しく始めたオープンからのプレイヤーは、ただ地雷職、不遇職とだけ情報を入手している。
ファーレンも地雷職という事だけがわかっている状態だった。
「……あー、詳しい話はまた後でな。クエストが終わった後にでもしよう。」
まだあと1匹いるから油断は出来ない。
スイは武器を握りしめて頷いた。
まだクエストはおわってないからね!
スイは意気込み残りの討伐に力が入る。
「あ、そうだ」
セラニーチェが急にスイの方を見ながらカガリを指さした。
「ねぇ、カガリに向かって思いっきり攻撃してみてくれるかな?」
「え!?」
急に言われた突拍子もない言葉にスイは目を丸くした。
あのデカいハープで?全力フルスイングを??
………………いやいやいやいやいや。
「だめですよ!」
ブンブンと首を横に振って言ったら、カガリが少し考えて盾をスイに向け構えた。
「よし。こい」
「いや!何がどうなってこうなった!?」
やる気満々のカガリに思わず突っ込むが、カガリがワクワクしてるのが表情でわかりスイはひぃ!と心の中で悲鳴をあげた。
45
お気に入りに追加
126
あなたにおすすめの小説

あまたある産声の中で‼~『氏名・使命』を奪われた最凶の男は、過去を追い求めない~
最十 レイ
ファンタジー
「お前の『氏名・使命』を貰う」
力を得た代償に己の名前とすべき事を奪われ、転生を果たした名も無き男。
自分は誰なのか? 自分のすべき事は何だったのか? 苦悩する……なんて事はなく、忘れているのをいいことに持前のポジティブさと破天荒さと卑怯さで、時に楽しく、時に女の子にちょっかいをだしながら、思いのまま生きようとする。
そんな性格だから、ちょっと女の子に騙されたり、ちょっと監獄に送られたり、脱獄しようとしてまた捕まったり、挙句の果てに死刑にされそうになったり⁈
身体は変形と再生を繰り返し、死さえも失った男は、生まれ持った拳でシリアスをぶっ飛ばし、己が信念のもとにキメるところはきっちりキメて突き進む。
そんな『自由』でなければ勝ち取れない、名も無き男の生き様が今始まる!
※この作品はカクヨムでも投稿中です。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

私は聖女(ヒロイン)のおまけ
音無砂月
ファンタジー
ある日突然、異世界に召喚された二人の少女
100年前、異世界に召喚された聖女の手によって魔王を封印し、アルガシュカル国の危機は救われたが100年経った今、再び魔王の封印が解かれかけている。その為に呼ばれた二人の少女
しかし、聖女は一人。聖女と同じ色彩を持つヒナコ・ハヤカワを聖女候補として考えるアルガシュカルだが念のため、ミズキ・カナエも聖女として扱う。内気で何も自分で決められないヒナコを支えながらミズキは何とか元の世界に帰れないか方法を探す。
異世界に来たようですが何も分かりません ~【買い物履歴】スキルでぼちぼち生活しています~
ぱつきんすきー
ファンタジー
突然「神」により異世界転移させられたワタシ
以前の記憶と知識をなくし、右も左も分からないワタシ
唯一の武器【買い物履歴】スキルを利用して異世界でぼちぼち生活
かつてオッサンだった少女による、異世界生活のおはなし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる