30 / 198
第1章 はじめまして幻想郷
3
しおりを挟む
なんとかセーフティエリアまで戻ったスイは汚れるのも気にしないで地面に大の字に倒れ込んだ。
息切れが中々治らず、楽器も放り出して胸を上下させる。
無我夢中でセーフティエリアを目指して走ったスイ、無意識にだが演奏しながら戦い逃げ切ってきたのだ。
「はぁ、やれば出来る…」
起きあがり木片に座り直す。
楽器を抱えて喉乾いたなー…と呟いた。
回復薬の瓶の蓋を開けてゴクッと喉を鳴らす。
爽やかな味が広がりホッと息を付き、体力も全回復、休憩した為疲れも取れた。
ぐっ…と伸びをして楽器を持ち直し立ち上がろうとした時、楽器の耐久値が落ちている事に気づく。42/100となっていてかなり減っていることがわかった。
もう一度座り直しまじまじと見てから
「あ、これはヤバいやつかな?」
と、呟いた。
えーっと、とステータスを出して耐久値回復、上昇を見てみる。
思った通り、武器や楽器防具など耐久値を上げる為のもの。
ステータスを消して楽器を持ち直し、頭の中でスキル、耐久値回復、上昇と唱えた。
「わっ!」
自身から光が溢れてきて、それが楽器にどんどん集まっていく。
全部楽器に吸い込まれたあと、スイは楽器のステータスを見て目を見開いた。
101/101 +1
「…上がった、てか増えた。」
確かに上昇してる。
なるほど、使い勝手良さそうと頷いてスイは立ち上がり又森へと向かって歩き出した。
あれからAnotherfantasiaの世界で三日間、スイはずっと1人で森に篭っていた。
もちろん空腹ゲージがある為何度か街に帰っては居たが、途中から道具袋に入れ持ち歩ける事に気づきそれからは買いだめして森から出ることなくひたすらレベル上げに力を入れたのだった。
スイ 奏者Lv16
称号・初心者奏者
体力310
攻撃力0(+8583)
防御350
スピード280
腕力32670
指力603
響かせ512(+1150)
演奏Lv12
lucky972
スキル【魅了Lv2、耐久値回復.向上Lv5、演奏短縮 Lv4、効果上昇 Lv3、拡声器Lv1、音楽補正Lv4、スタミナ減少軽減Lv3作曲Lv3スキルレベル上昇Lv2、クールタイム短縮Lv3】
新しく増えたのがスキルレベル上昇とクールタイム短縮。
スイはスキル欄から今欲しいものを選んで手に入れ戦いを続けていた。
一気に上がったレベルの為、中腹よりも奥を前より楽には倒せるようになってきた時だった。
「ゆ………油断した、くやしいぃ」
他種族の敵が複数現れ倒す事も逃げることも出来ずに死に戻りしたスイ。
無様にも地面に倒れたまま呟き、ゆっくりと体を起こす。
はぁ、と息を吐き出して立ち上がろうとする。
久しぶりの死に戻りにテンションがダダ下がりだ。
「だ、大丈夫?」
そんなスイの様子に気づい少女が控えめに声を掛けた。
少し屈んでスイの後頭部を見る女性の視線に気づいて慌てて顔を上げると、ブラウンの髪を揺らしながら聞いてきた少女の顔を見る。
アリアだった。キラリと指輪が光り、その手で髪を耳にかける。
「あ、はい。大丈夫です。」
アリアに手を貸してもらい立ち上がったスイは、お礼を言いアリアを見る。
「わぁ、可愛い!作りこんでるねー!」
手を叩いて言うアリアに、曖昧にお礼を言うとボロボロの服を指で摘まれた。
「これ、初期装備よね」
「はい」
「お金に余裕があるなら装備整えた方がいいよ、防御力とか格段に上がるから。そのままならすぐ死んじゃう」
アリアの言葉に自身を見る。
汚れはいつの間にか無くなり最初と同じ真っ白のワンピース。
「防具屋にもあるけど、露店に掘り出し物とか安価で売ってたりするし、服とかアクセとか一緒に見れるからおすすめだよ」
「わかりました、ありがとうございます」
「うん!じゃあ、またどこかで会ったら!」
手を振って離れていくアリア。
必要最低限しか話さなかったこのアリアが、後に宏であるアーサーのクランメンバーである事を知るがそれはまだ先の話である。
「装備かぁ…」
自分が来ている真っ白なワンピースを見てから周囲を見る。
確かに、今初めてログインしたばかりの新規ユーザーらしき人以外初心者装備の人はいない。
少し迷ったあと、スイは露店へと向か売ことにした。
ご飯も食べようかなー、と考えながら。
息切れが中々治らず、楽器も放り出して胸を上下させる。
無我夢中でセーフティエリアを目指して走ったスイ、無意識にだが演奏しながら戦い逃げ切ってきたのだ。
「はぁ、やれば出来る…」
起きあがり木片に座り直す。
楽器を抱えて喉乾いたなー…と呟いた。
回復薬の瓶の蓋を開けてゴクッと喉を鳴らす。
爽やかな味が広がりホッと息を付き、体力も全回復、休憩した為疲れも取れた。
ぐっ…と伸びをして楽器を持ち直し立ち上がろうとした時、楽器の耐久値が落ちている事に気づく。42/100となっていてかなり減っていることがわかった。
もう一度座り直しまじまじと見てから
「あ、これはヤバいやつかな?」
と、呟いた。
えーっと、とステータスを出して耐久値回復、上昇を見てみる。
思った通り、武器や楽器防具など耐久値を上げる為のもの。
ステータスを消して楽器を持ち直し、頭の中でスキル、耐久値回復、上昇と唱えた。
「わっ!」
自身から光が溢れてきて、それが楽器にどんどん集まっていく。
全部楽器に吸い込まれたあと、スイは楽器のステータスを見て目を見開いた。
101/101 +1
「…上がった、てか増えた。」
確かに上昇してる。
なるほど、使い勝手良さそうと頷いてスイは立ち上がり又森へと向かって歩き出した。
あれからAnotherfantasiaの世界で三日間、スイはずっと1人で森に篭っていた。
もちろん空腹ゲージがある為何度か街に帰っては居たが、途中から道具袋に入れ持ち歩ける事に気づきそれからは買いだめして森から出ることなくひたすらレベル上げに力を入れたのだった。
スイ 奏者Lv16
称号・初心者奏者
体力310
攻撃力0(+8583)
防御350
スピード280
腕力32670
指力603
響かせ512(+1150)
演奏Lv12
lucky972
スキル【魅了Lv2、耐久値回復.向上Lv5、演奏短縮 Lv4、効果上昇 Lv3、拡声器Lv1、音楽補正Lv4、スタミナ減少軽減Lv3作曲Lv3スキルレベル上昇Lv2、クールタイム短縮Lv3】
新しく増えたのがスキルレベル上昇とクールタイム短縮。
スイはスキル欄から今欲しいものを選んで手に入れ戦いを続けていた。
一気に上がったレベルの為、中腹よりも奥を前より楽には倒せるようになってきた時だった。
「ゆ………油断した、くやしいぃ」
他種族の敵が複数現れ倒す事も逃げることも出来ずに死に戻りしたスイ。
無様にも地面に倒れたまま呟き、ゆっくりと体を起こす。
はぁ、と息を吐き出して立ち上がろうとする。
久しぶりの死に戻りにテンションがダダ下がりだ。
「だ、大丈夫?」
そんなスイの様子に気づい少女が控えめに声を掛けた。
少し屈んでスイの後頭部を見る女性の視線に気づいて慌てて顔を上げると、ブラウンの髪を揺らしながら聞いてきた少女の顔を見る。
アリアだった。キラリと指輪が光り、その手で髪を耳にかける。
「あ、はい。大丈夫です。」
アリアに手を貸してもらい立ち上がったスイは、お礼を言いアリアを見る。
「わぁ、可愛い!作りこんでるねー!」
手を叩いて言うアリアに、曖昧にお礼を言うとボロボロの服を指で摘まれた。
「これ、初期装備よね」
「はい」
「お金に余裕があるなら装備整えた方がいいよ、防御力とか格段に上がるから。そのままならすぐ死んじゃう」
アリアの言葉に自身を見る。
汚れはいつの間にか無くなり最初と同じ真っ白のワンピース。
「防具屋にもあるけど、露店に掘り出し物とか安価で売ってたりするし、服とかアクセとか一緒に見れるからおすすめだよ」
「わかりました、ありがとうございます」
「うん!じゃあ、またどこかで会ったら!」
手を振って離れていくアリア。
必要最低限しか話さなかったこのアリアが、後に宏であるアーサーのクランメンバーである事を知るがそれはまだ先の話である。
「装備かぁ…」
自分が来ている真っ白なワンピースを見てから周囲を見る。
確かに、今初めてログインしたばかりの新規ユーザーらしき人以外初心者装備の人はいない。
少し迷ったあと、スイは露店へと向か売ことにした。
ご飯も食べようかなー、と考えながら。
45
お気に入りに追加
116
あなたにおすすめの小説
VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。
動物大好きな子が動物と遊んでいたらいつの間にか最強に!!!!
常光 なる
ファンタジー
これは生き物大好きの一ノ瀬夜月(いちのせ ないと)が有名なVRMMOゲーム
Shine stay Onlineというゲームで
色々な生き物と触れて和気あいあいとする
ほのぼの系ストーリー
のはずが夜月はいつの間にか有名なプレーヤーになっていく…………
豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO
無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。
名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。
小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。
特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。
姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。
ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。
スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。
そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。
インフィニティ・オンライン~ネタ職「商人」を選んだもふもふワンコは金の力(銭投げ)で無双する~
黄舞
SF
無数にあるゲームの中でもβ版の完成度、自由度の高さから瞬く間に話題を総ナメにした「インフィニティ・オンライン」。
貧乏学生だった商山人志はゲームの中だけでも大金持ちになることを夢みてネタ職「商人」を選んでしまう。
攻撃スキルはゲーム内通貨を投げつける「銭投げ」だけ。
他の戦闘職のように強力なスキルや生産職のように戦闘に役立つアイテムや武具を作るスキルも無い。
見た目はせっかくゲームだからと選んだもふもふワンコの獣人姿。
これもモンスターと間違えられやすいため、PK回避で選ぶやつは少ない!
そんな中、人志は半ばやけくそ気味にこう言い放った。
「くそっ! 完全に騙された!! もういっその事お前らがバカにした『商人』で天下取ってやんよ!! 金の力を思い知れ!!」
一度完結させて頂きましたが、勝手ながら2章を始めさせていただきました
毎日更新は難しく、最長一週間に一回の更新頻度になると思います
また、1章でも試みた、読者参加型の物語としたいと思っています
具体的にはあとがき等で都度告知を行いますので奮ってご参加いただけたらと思います
イベントの有無によらず、ゲーム内(物語内)のシステムなどにご指摘を頂けましたら、運営チームの判断により緊急メンテナンスを実施させていただくことも考えています
皆様が楽しんで頂けるゲーム作りに邁進していきますので、変わらぬご愛顧をよろしくお願いしますm(*_ _)m
吉日
運営チーム
大変申し訳ありませんが、諸事情により、キリが一応いいということでここで再度完結にさせていただきます。
最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職
鎌霧
ファンタジー
『To The World Road』
倍率300倍の新作フルダイブ系VRMMOの初回抽選に当たり、意気揚々と休暇を取りβテストの情報を駆使して快適に過ごそうと思っていた。
……のだが、蓋をひらけば選択した職業は調整入りまくりで超難易度不遇職として立派に転生していた。
しかしそこでキャラ作り直すのは負けた気がするし、不遇だからこそ使うのがゲーマーと言うもの。
意地とプライドと一つまみの反骨精神で私はこのゲームを楽しんでいく。
小説家になろう、カクヨムにも掲載
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる