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第1章 はじめまして幻想郷
スイの覚醒
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食事が終わった後、彼女のゲーム熱に火がついたのかマシンガンの様に話し続けあかね。しかし翠は内容の半分も理解出来ていなく首をかしげながらも聞き、質問をする。
それに機嫌よく返答するあかぬと久々に過ごす時間はとても楽しかった。
満足した2人は早めに解散し、帰宅する。
まだ時刻は16時だ。
さっさと入浴して部屋着に着替えた翠は見慣れたVRを掴み、ムフフと笑って装着する。
「ゲートオープン!」
目が覚めた場所は、いつもの噴水広場ではなく前回ログアウトしたセーフティエリア。
あれ?っと一瞬思ったが街中以外でログアウトした場合、次ログインした時はその場に現れるんだった!と思い出す。
セーフティエリア以外でのログアウトは敵に襲われる可能性があります。
公式サイトに書いてたのを忘れてたなー、良かった。とスイは胸を撫で下ろした。
「ねぇ、君一人?」
急にスイに話しかける人がいた。
スイがログアウトした時に来たのだろうか男性2人に女性1人のパーティのようだ。
「俺たちさ、実は今回初めてここまで来たんだけど敵が強くて…良かったら一緒に戦ってくれないかな?」
チラチラとスイを見て言う男性2人に、一緒にいる女性はあからさまに不機嫌な表情をしている。
始めてきたと言う割には3人はしっかりと買ったであろう装備を身につけ初心者用ではない武器を握っている。
「すいません、したいことがありますので」
「!なにしたいの!?一緒にするよ!」
「いえ、結構です。」
「あ、クランにはどう!?入ってなかったら…「入ってますので」あ、そっか」
しつこく言い寄る2人に、女性プレイヤーはドンドンイラつく表情をしている。
「ねぇ。行こうよ!嫌がってるから!!」
「…わかったよ」
女性プレイヤーに引きづられる様にして離れた男性2人。
少し離れた場所まで来た3人は男性を置いて女性だけスイの所まで戻ってきた。
「可愛いからって調子乗んなよ、新人が」
小さく呟いて離れていった女性に、スイは表情を歪めた
「何も言ってないじゃん、私は」
不愉快な気持ちになりながらスイは森へと入っていく3人を見送った。
スキルをサッと確認してからスイも森へと足を向ける。
しっかりと楽器を握って歩いているが、スイはさっき見たステータスの一部が分からず首をかしげている
「スキルのパッシブ、アクティブってなんだろう…」
スキル説明の下に書かれているアクティブスキル、パッシブスキル。
入手した瞬間にオートで発動するパッシブに
操作して発動するアクティブ。
スイは、スキルの説明に出てきた言葉の説明が欲しいと、意味が無いのにパッシブと書かれている場所を何度もトントンと指でタッチする。
「…わからん!」
ステータス画面を消して顔を上げると、こちらに気付いた3匹のウサギが走る。
1匹はそのまま走り、
1匹は上にジャンプ
最後は前にジャンプと3匹が同時に違う動きで攻撃してきた。
「!一気にこないでよー!」
そのまま斜め後ろに走り、上にジャンプしたウサギを回避。
前にジャンプしたウサギは斜めに走ったため、木に激突…するかと思ったが、宙で一回転して木の幹に足をつけてスピードを殺した。
走るウサギは、スイがフルスイングした楽器によって吹き飛ばされる。
「ウサギの動きじゃないって!」
ひぃ!と言いながらまた走るスイを二匹のウサギが追いかける。
そのスピードはスイより早くあっという間に後に追いつかれた。
1匹がスイの腰に蹴りを食らわせ吹き飛ばす。
木の幹まで吹き飛ばされズルズルと座り込むと目の前には赤い目をしたうさぎさん。
ニヒルに笑ってる様に見えるのはスイの気の迷いだろうか。
「集団ウサギこえーよー!」
武器を前に構えてウサギの蹴りを防御した。
弦にウサギの足があたる。
スイはヤバい!と顔を青ざめさせた、弦なんて切れちゃうよ!
ばいぃぃぃぃぃいいん!
「…………へぇぃ?」
弦がまるでゴムのように弾いてウサギをはね飛ばした。
遠くに飛ばされたウサギにダメージは無いらしく、しっかり両足で着地している。
「………え?え?」
弦を触るがもちろんゴム製品なんかじゃない、しっかりと張られていて音を奏でさせた。
呆然と弦をひとつ弾いたが、ウサギの猛攻撃は止まってはいない。
近づくウサギから転がるように逃げたスイは、地面に座ったままうさぎをみる。
スイが背もたれにしていた木がウサギによって真っ二つに折れていた。
その有り得ない様子にポカンと口を開けていたが、目を光らせたうさぎがこちらを見た瞬間慌てて立ち上がる。
「……………だから、こんなのウサギじゃないってー!!!」
ウサギです。
スイは、楽器を振って目の前にいたウサギをなぎ倒し、駆け寄るウサギに向かって下からすくい上げるように楽器を振った。
上に飛ばされたウサギはそのまま空中で砕け散り消えていく。
落ちたドロップ品とお金を拾ってウサギこわい、ウサギこわい…と呟いた。
それに機嫌よく返答するあかぬと久々に過ごす時間はとても楽しかった。
満足した2人は早めに解散し、帰宅する。
まだ時刻は16時だ。
さっさと入浴して部屋着に着替えた翠は見慣れたVRを掴み、ムフフと笑って装着する。
「ゲートオープン!」
目が覚めた場所は、いつもの噴水広場ではなく前回ログアウトしたセーフティエリア。
あれ?っと一瞬思ったが街中以外でログアウトした場合、次ログインした時はその場に現れるんだった!と思い出す。
セーフティエリア以外でのログアウトは敵に襲われる可能性があります。
公式サイトに書いてたのを忘れてたなー、良かった。とスイは胸を撫で下ろした。
「ねぇ、君一人?」
急にスイに話しかける人がいた。
スイがログアウトした時に来たのだろうか男性2人に女性1人のパーティのようだ。
「俺たちさ、実は今回初めてここまで来たんだけど敵が強くて…良かったら一緒に戦ってくれないかな?」
チラチラとスイを見て言う男性2人に、一緒にいる女性はあからさまに不機嫌な表情をしている。
始めてきたと言う割には3人はしっかりと買ったであろう装備を身につけ初心者用ではない武器を握っている。
「すいません、したいことがありますので」
「!なにしたいの!?一緒にするよ!」
「いえ、結構です。」
「あ、クランにはどう!?入ってなかったら…「入ってますので」あ、そっか」
しつこく言い寄る2人に、女性プレイヤーはドンドンイラつく表情をしている。
「ねぇ。行こうよ!嫌がってるから!!」
「…わかったよ」
女性プレイヤーに引きづられる様にして離れた男性2人。
少し離れた場所まで来た3人は男性を置いて女性だけスイの所まで戻ってきた。
「可愛いからって調子乗んなよ、新人が」
小さく呟いて離れていった女性に、スイは表情を歪めた
「何も言ってないじゃん、私は」
不愉快な気持ちになりながらスイは森へと入っていく3人を見送った。
スキルをサッと確認してからスイも森へと足を向ける。
しっかりと楽器を握って歩いているが、スイはさっき見たステータスの一部が分からず首をかしげている
「スキルのパッシブ、アクティブってなんだろう…」
スキル説明の下に書かれているアクティブスキル、パッシブスキル。
入手した瞬間にオートで発動するパッシブに
操作して発動するアクティブ。
スイは、スキルの説明に出てきた言葉の説明が欲しいと、意味が無いのにパッシブと書かれている場所を何度もトントンと指でタッチする。
「…わからん!」
ステータス画面を消して顔を上げると、こちらに気付いた3匹のウサギが走る。
1匹はそのまま走り、
1匹は上にジャンプ
最後は前にジャンプと3匹が同時に違う動きで攻撃してきた。
「!一気にこないでよー!」
そのまま斜め後ろに走り、上にジャンプしたウサギを回避。
前にジャンプしたウサギは斜めに走ったため、木に激突…するかと思ったが、宙で一回転して木の幹に足をつけてスピードを殺した。
走るウサギは、スイがフルスイングした楽器によって吹き飛ばされる。
「ウサギの動きじゃないって!」
ひぃ!と言いながらまた走るスイを二匹のウサギが追いかける。
そのスピードはスイより早くあっという間に後に追いつかれた。
1匹がスイの腰に蹴りを食らわせ吹き飛ばす。
木の幹まで吹き飛ばされズルズルと座り込むと目の前には赤い目をしたうさぎさん。
ニヒルに笑ってる様に見えるのはスイの気の迷いだろうか。
「集団ウサギこえーよー!」
武器を前に構えてウサギの蹴りを防御した。
弦にウサギの足があたる。
スイはヤバい!と顔を青ざめさせた、弦なんて切れちゃうよ!
ばいぃぃぃぃぃいいん!
「…………へぇぃ?」
弦がまるでゴムのように弾いてウサギをはね飛ばした。
遠くに飛ばされたウサギにダメージは無いらしく、しっかり両足で着地している。
「………え?え?」
弦を触るがもちろんゴム製品なんかじゃない、しっかりと張られていて音を奏でさせた。
呆然と弦をひとつ弾いたが、ウサギの猛攻撃は止まってはいない。
近づくウサギから転がるように逃げたスイは、地面に座ったままうさぎをみる。
スイが背もたれにしていた木がウサギによって真っ二つに折れていた。
その有り得ない様子にポカンと口を開けていたが、目を光らせたうさぎがこちらを見た瞬間慌てて立ち上がる。
「……………だから、こんなのウサギじゃないってー!!!」
ウサギです。
スイは、楽器を振って目の前にいたウサギをなぎ倒し、駆け寄るウサギに向かって下からすくい上げるように楽器を振った。
上に飛ばされたウサギはそのまま空中で砕け散り消えていく。
落ちたドロップ品とお金を拾ってウサギこわい、ウサギこわい…と呟いた。
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