26 / 214
第1章 はじめまして幻想郷
友人とのひととき
しおりを挟む
Anotherfantasiaの世界で丸一日ハープを引き続けていた。とは言っても指力が足りないのか弾き続ける事は難しく、休み休みハープを奏でる。
そして夜、外で過ごすにはスイにはまだ難しいとセーフティエリアでログアウトした。
現実世界へと戻ってきた翠は、Tシャツのショートパンツ、カーディガンというラフな格好で外へと繰り出す。
突如連絡が来た友達とランチをするためだった。
「あ、おまたせー」
「お、翠来たねー」
何処に行くー?と話す2人は高校の同級生だった。
小さめの黒のリュックが真っ白のワンピースにはえる小さな身長の女の子であるその子は高坂あかねといった。
あかねは良く連絡してきては食事や遊びに翠を呼び出していた。
翠もあまり自分から家を出るタイプでは無いため、あかねからのお誘いは受けるようにしている。
「最近どーお?あんまり会ってなかったよね」
「最近?んー」
2人が入ったのは個室が用意されているパスタのお店。
水を口に含みながらあかねは翠に聞いてきた。
翠はメニューに視線を走らせながら最近…と言葉を詰まらせる。
「そうだねー、初めてゲームしてみたよ」
「あら、そうなの?宏くんの影響かな?」
ニコニコしながら言うあかねは、翠が決めたのに気づいて店員を呼んだ。
「宏?あー、宏とは別れたよ」
「………え?」
「お待たせ致しました、ご注文をどうぞ」
サラッと何でもないことのように言う翠に、聞き間違えたかとあかねは顔を上げた。
そのタイミングで来た店員に翠はメニューを指さしながら伝える
「ひき肉とナスの和風パスタにフォカッチャ。あかねは?」
「…あ、カルボナーラ、で」
「はい、ひき肉とナスの和風パスタと、フォカッチャ、カルボナーラですね。おあとご注文はよろしいでしょうか?」
「大丈夫です。」
「かしこまりました、少々お待ちください。」
丁寧に頭を下げて店員が離れたあと、あかねは翠に身を乗り出して聞いてきた
「なに!?なんで!?いつよ!?」
「え?別れたの?昨日だよ」
「えぇ!?だって、昨日は翠の誕生日でしょ!?誕生日ったら記念日って言ってたじゃん!」
あかねの迫力に瞬きを繰り返しながら頷く。
「よく覚えていたねー」
「まぁねー、って!違くて!!」
思わず笑っていうあかねは、すぐにブンブンと首を振り翠に詰め寄る。
「…まぁね、ほらAnotherfantasiaってゲームにハマってるじゃない?宏。連絡すらあんまりしないって」
「うん」
「だから、記念日の昨日は一切ゲーム禁止って言ってたのよね、話も禁止って。」
「うんうん」
お水を飲んでコトリとテーブルにコップを置く。
水滴がテーブルで溜まり手拭きで軽く拭いた
「まぁ、家行った瞬間ゲーム話爆発よね。そしてプレゼントとして渡してきたのがVR本体と、Anotherfantasiaのゲーム。昨日の昼からゲームの内容が変わるとかで本体間に合って良かったとすら言われたわ」
「……えぇ」
「指輪を買いに行く約束すらも覚えていたのに止められてさー」
コップをカタカタさせながら言う翠にあかねは呆然。
翠は宏が大好きだった。
楽しそうにゲームする容姿も話をするのも。
ただ、限度がある。
二人の時間を作らずにいて何が付き合っていると言えるだろうか。
「…しかもさー」
「うん?」
「あとからLINE来て見たんだけど、VR買ったから指輪買うお金無くなったってきてたのよー」
「………………最悪じゃん」
でしょ!!とコップをバンとテーブルに叩きつけた。
水がピチャンと跳ねる。
「お待たせいたしました」
出来たてのパスタとフォカッチャがことりと置かれ、翠は真ん中にフォカッチャを置く。
ちゃんとお互いの頼んだのが前に来て、2人は同時に頂きますと口にした。
そして夜、外で過ごすにはスイにはまだ難しいとセーフティエリアでログアウトした。
現実世界へと戻ってきた翠は、Tシャツのショートパンツ、カーディガンというラフな格好で外へと繰り出す。
突如連絡が来た友達とランチをするためだった。
「あ、おまたせー」
「お、翠来たねー」
何処に行くー?と話す2人は高校の同級生だった。
小さめの黒のリュックが真っ白のワンピースにはえる小さな身長の女の子であるその子は高坂あかねといった。
あかねは良く連絡してきては食事や遊びに翠を呼び出していた。
翠もあまり自分から家を出るタイプでは無いため、あかねからのお誘いは受けるようにしている。
「最近どーお?あんまり会ってなかったよね」
「最近?んー」
2人が入ったのは個室が用意されているパスタのお店。
水を口に含みながらあかねは翠に聞いてきた。
翠はメニューに視線を走らせながら最近…と言葉を詰まらせる。
「そうだねー、初めてゲームしてみたよ」
「あら、そうなの?宏くんの影響かな?」
ニコニコしながら言うあかねは、翠が決めたのに気づいて店員を呼んだ。
「宏?あー、宏とは別れたよ」
「………え?」
「お待たせ致しました、ご注文をどうぞ」
サラッと何でもないことのように言う翠に、聞き間違えたかとあかねは顔を上げた。
そのタイミングで来た店員に翠はメニューを指さしながら伝える
「ひき肉とナスの和風パスタにフォカッチャ。あかねは?」
「…あ、カルボナーラ、で」
「はい、ひき肉とナスの和風パスタと、フォカッチャ、カルボナーラですね。おあとご注文はよろしいでしょうか?」
「大丈夫です。」
「かしこまりました、少々お待ちください。」
丁寧に頭を下げて店員が離れたあと、あかねは翠に身を乗り出して聞いてきた
「なに!?なんで!?いつよ!?」
「え?別れたの?昨日だよ」
「えぇ!?だって、昨日は翠の誕生日でしょ!?誕生日ったら記念日って言ってたじゃん!」
あかねの迫力に瞬きを繰り返しながら頷く。
「よく覚えていたねー」
「まぁねー、って!違くて!!」
思わず笑っていうあかねは、すぐにブンブンと首を振り翠に詰め寄る。
「…まぁね、ほらAnotherfantasiaってゲームにハマってるじゃない?宏。連絡すらあんまりしないって」
「うん」
「だから、記念日の昨日は一切ゲーム禁止って言ってたのよね、話も禁止って。」
「うんうん」
お水を飲んでコトリとテーブルにコップを置く。
水滴がテーブルで溜まり手拭きで軽く拭いた
「まぁ、家行った瞬間ゲーム話爆発よね。そしてプレゼントとして渡してきたのがVR本体と、Anotherfantasiaのゲーム。昨日の昼からゲームの内容が変わるとかで本体間に合って良かったとすら言われたわ」
「……えぇ」
「指輪を買いに行く約束すらも覚えていたのに止められてさー」
コップをカタカタさせながら言う翠にあかねは呆然。
翠は宏が大好きだった。
楽しそうにゲームする容姿も話をするのも。
ただ、限度がある。
二人の時間を作らずにいて何が付き合っていると言えるだろうか。
「…しかもさー」
「うん?」
「あとからLINE来て見たんだけど、VR買ったから指輪買うお金無くなったってきてたのよー」
「………………最悪じゃん」
でしょ!!とコップをバンとテーブルに叩きつけた。
水がピチャンと跳ねる。
「お待たせいたしました」
出来たてのパスタとフォカッチャがことりと置かれ、翠は真ん中にフォカッチャを置く。
ちゃんとお互いの頼んだのが前に来て、2人は同時に頂きますと口にした。
46
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO
無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。
名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。
小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。
特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。
姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。
ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。
スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。
そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
左遷でしたら喜んで! 王宮魔術師の第二の人生はのんびり、もふもふ、ときどきキノコ?
みずうし
ファンタジー
旧題:左遷でしたら喜んで! 〜首席魔術師、念願の辺境スローライフを目指す〜
第二回次世代ファンタジーカップ大賞受賞作
王宮魔術師。それは魔術師界のトップに位置し、互いを蹴落とし合い高みを目指すエリート集団である。
その首席魔術師でありながら、利益重視な上層部にうんざりしていた主人公は、ついに訳あって上司に頭突きをかまし、左遷されることになってしまう。
......が、金や出世に別に興味もない主人公にとっては逆にありがたく、喜んで辺境に向かうことにした。
左遷?それって辺境でのんびり研究し放題ってことですよね?
これはそんな左遷魔術師が、辺境の村で変わり者を介護したり、魔術を極めたり、もふもふと戯れたり、弟子を取ったり、エルフと交流したりする話。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる