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第1章 はじめまして幻想郷
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無事クエスト受注終了後、 5人は初心者の森へと向かって行った。
クエスト内容は、 初心者の森の最奥に居るウルフ30匹の討伐。
森は初心者向けではあるが、 奥に進むにつれてそのレベルが上がっていく。
1番最奥に居るフィールドボスは、 パーティ推奨レベル25フォレストウルフの討伐。
このフォレストウルフ討伐して、 エリアボスを倒した後に第二の街への扉が開くのだ。
草原から森へと入っていき足を取られながらも奥へと5人は進む。
出てくる敵はタクの一振りで倒されていき、 パーティを組む全員に少しずつ経験値が振り分けられる。
ピコン
『レベルが上がりました』
スイの頭上に出てくるレベルアップの表示に、 ファーレン以外の全員がおめでとうと声を掛ける。
パチパチパチと手を叩くリィンに困ったように笑いながら「いいんですかね…なんもしてないのに…」と呟くが、 最初はみんなそんなもんだ、 とグレンが頭をひとつ撫でた。
前を歩くファーレンは、 その様子を唇を噛みながら見ていた。
何もしないでレベルが上がる事にあまりいい顔をしていないようだ。
頭を振り気持ちを切り替えて前からくるフォレストウルフを必死に盾で押さえつける。
この不満はスイが相手だからだと、 ファーレン自身理解していない。
微妙な気持ちを抱えたまま、ファーレンは前を行くタクの後に続いた。
「ここが最奥になります。 ファーレンさん大丈夫ですか?」
リィンは、 ここまで来るにあたり前線に位置する場所にいるファーレンを気遣い声かける。
ファーレンのレベルより強いフィールドの敵に息を荒らげるファーレンは、何度もコクコクと頷いた。
ファーレン自身この最奥までは来たことがなかったのである。
自分より強い敵を盾で抑え、 時にはさばくファーレンは体力を著しく減らしていた。
しかし、 そのかいがあってタクと共に後衛を守りながら動くファーレンのレベルも10まで上がり、 スイのレベルも5まであがる。
所謂パワーレベリングが行われていた。
「………来るぞ、 構えろ」
ファーレンが、呼吸を整えている間にウルフが現れだした、その数五体。
周囲を囲うようにジリジリと近づくウルフに、 スイ以外の全員が武器を構える。
「スイさん、 武器出してください。」
「う、うん」
「大丈夫だ、 初クエストはちゃんとクリア出来る」
「安心してください、 ね?」
リィンに言われて初めて皆が武器を構えていることに気付いたスイは慌てて楽器を具現化した。
ドスンっ!と音を立てて地面に着けたハープがその存在感を見せつける。
イルカの大きなハープがスイの隣に現れ震える手でそれを掴むのをグレンがちらりと確認して、
「…完全後衛型か。リィン」
「わかってます」
一斉に襲い来るウルフにリィンは杖を掲げる。
「光の加護、 バリア!」
杖から発せられる光が体を包み込む。
これは光の加護。
光属性で複数回、 ランダムで敵の攻撃を無効化する高等魔術のひとつ。
そしてあわせてバリアを展開した。
「くっ!挑発!!」
大声を張り上げ言うファーレンはスキル挑発を発動させる。
壁役に必須のスキル、 注目を集めて一気にヘイトを集める技である。
これによりフォレストウルフは一斉にファーレンへと視線を向けた。
5体のうち1体はタクが斬り伏せ、残り4体のフォレストウルフがファーレンに走りよりガィンと音を鳴らして大楯に体当たりする。
「うわぁ!!!」
ウルフ4体の力に耐えきれず吹っ飛ばされるファーレンをリィンがすぐに回復。
その間にタクが走りより、もう一体をジャンプしながら切り伏せ、 グレンが周囲魔法を発動させて一気に追加で現れた8体のフォレストウルフを炎の渦に巻き込んだ。
「30匹だっけ?」
タクがウルフを切りつけながら言い、 グレンが小さく肯定の返事を返す。
「これで13匹、 あと半分ちょい!」
ザッシュと切る音が聞こえウルフの血液が宙を舞った。
その様子をスイはカタカタと震える手が白くなるくらいまで武器を握りしめてじっと見ている。
場を確認しながら回復などの支援を繰り返すリィンに、前線で剣を休みなく振るうタク。
吹き飛ばされながらもヘイトを取るファーレンに、巻き込まれないように声を掛けながら魔法を繰り出すグレン。
スイは、 リィンの隣でその様子を黙って見ていた。
手も足も出ない………私も戦えるんだろうか
顔面蒼白になり掛かっているスイを戦闘の状況を見ながら杖を振るリィンはしっかりと見ていた。
クエスト内容は、 初心者の森の最奥に居るウルフ30匹の討伐。
森は初心者向けではあるが、 奥に進むにつれてそのレベルが上がっていく。
1番最奥に居るフィールドボスは、 パーティ推奨レベル25フォレストウルフの討伐。
このフォレストウルフ討伐して、 エリアボスを倒した後に第二の街への扉が開くのだ。
草原から森へと入っていき足を取られながらも奥へと5人は進む。
出てくる敵はタクの一振りで倒されていき、 パーティを組む全員に少しずつ経験値が振り分けられる。
ピコン
『レベルが上がりました』
スイの頭上に出てくるレベルアップの表示に、 ファーレン以外の全員がおめでとうと声を掛ける。
パチパチパチと手を叩くリィンに困ったように笑いながら「いいんですかね…なんもしてないのに…」と呟くが、 最初はみんなそんなもんだ、 とグレンが頭をひとつ撫でた。
前を歩くファーレンは、 その様子を唇を噛みながら見ていた。
何もしないでレベルが上がる事にあまりいい顔をしていないようだ。
頭を振り気持ちを切り替えて前からくるフォレストウルフを必死に盾で押さえつける。
この不満はスイが相手だからだと、 ファーレン自身理解していない。
微妙な気持ちを抱えたまま、ファーレンは前を行くタクの後に続いた。
「ここが最奥になります。 ファーレンさん大丈夫ですか?」
リィンは、 ここまで来るにあたり前線に位置する場所にいるファーレンを気遣い声かける。
ファーレンのレベルより強いフィールドの敵に息を荒らげるファーレンは、何度もコクコクと頷いた。
ファーレン自身この最奥までは来たことがなかったのである。
自分より強い敵を盾で抑え、 時にはさばくファーレンは体力を著しく減らしていた。
しかし、 そのかいがあってタクと共に後衛を守りながら動くファーレンのレベルも10まで上がり、 スイのレベルも5まであがる。
所謂パワーレベリングが行われていた。
「………来るぞ、 構えろ」
ファーレンが、呼吸を整えている間にウルフが現れだした、その数五体。
周囲を囲うようにジリジリと近づくウルフに、 スイ以外の全員が武器を構える。
「スイさん、 武器出してください。」
「う、うん」
「大丈夫だ、 初クエストはちゃんとクリア出来る」
「安心してください、 ね?」
リィンに言われて初めて皆が武器を構えていることに気付いたスイは慌てて楽器を具現化した。
ドスンっ!と音を立てて地面に着けたハープがその存在感を見せつける。
イルカの大きなハープがスイの隣に現れ震える手でそれを掴むのをグレンがちらりと確認して、
「…完全後衛型か。リィン」
「わかってます」
一斉に襲い来るウルフにリィンは杖を掲げる。
「光の加護、 バリア!」
杖から発せられる光が体を包み込む。
これは光の加護。
光属性で複数回、 ランダムで敵の攻撃を無効化する高等魔術のひとつ。
そしてあわせてバリアを展開した。
「くっ!挑発!!」
大声を張り上げ言うファーレンはスキル挑発を発動させる。
壁役に必須のスキル、 注目を集めて一気にヘイトを集める技である。
これによりフォレストウルフは一斉にファーレンへと視線を向けた。
5体のうち1体はタクが斬り伏せ、残り4体のフォレストウルフがファーレンに走りよりガィンと音を鳴らして大楯に体当たりする。
「うわぁ!!!」
ウルフ4体の力に耐えきれず吹っ飛ばされるファーレンをリィンがすぐに回復。
その間にタクが走りより、もう一体をジャンプしながら切り伏せ、 グレンが周囲魔法を発動させて一気に追加で現れた8体のフォレストウルフを炎の渦に巻き込んだ。
「30匹だっけ?」
タクがウルフを切りつけながら言い、 グレンが小さく肯定の返事を返す。
「これで13匹、 あと半分ちょい!」
ザッシュと切る音が聞こえウルフの血液が宙を舞った。
その様子をスイはカタカタと震える手が白くなるくらいまで武器を握りしめてじっと見ている。
場を確認しながら回復などの支援を繰り返すリィンに、前線で剣を休みなく振るうタク。
吹き飛ばされながらもヘイトを取るファーレンに、巻き込まれないように声を掛けながら魔法を繰り出すグレン。
スイは、 リィンの隣でその様子を黙って見ていた。
手も足も出ない………私も戦えるんだろうか
顔面蒼白になり掛かっているスイを戦闘の状況を見ながら杖を振るリィンはしっかりと見ていた。
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