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ハストゥーレ交換条件の提供品相談
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ハストゥーレ交換条件の提供品相談
「………………で、私を呼んだお話聞いていませんでした」
可愛らしい自分の奴隷であるフェンネルとハストゥーレを存分に愛で尽くした芽依は、温かな紅茶を飲んで咳払いをしてから、ようやく本題に触れた。
そんな芽依に苦笑しているアリステア。
2人の領主そっちのけで自分の奴隷を可愛い可愛いと愛でるのも芽依くらいだろう。
「…………以前にも話したが、ガイウスの食事情はかなり厳しい事になっている。食事量が他よりも多く、しかし食料難で食べ物がない。肉や魚といった庭に直結しない物も、野菜不足により満腹感が得られずどうしても食べ尽くしてしまう。今は一日一食にしてどうにかやり過ごしてはいるが……先程の私のように皆が食べる為、明日の食料も厳しい状況なのだ」
一日一食……と呟いた芽依は眉をひそめて考え込む。
そんな芽依をじっと見てから、ギルベルトは頭を下げた。
「すまない、ハストゥーレとの交換の対価に示している食材の提供量を増やしては貰えないだろうか。その代わりにこの白もやろうと思っている」
背中を押されて女性が前のめりになるのを芽依は見てから、ハストゥーレを見ると普段見られなくなった無表情で白の奴隷の女性を見ている。
「……メイちゃん」
「うん」
くいっと服を引っ張られた芽依は頷きアリステアを見た。
「アリステア様、現在の食材支援について私からは何も言えませんが、対価の食材についてはお話してもよろしいのでしょうか」
「ああ、これは2人の間の契約だから私からは何も言わないぞ」
アリステアの言葉に頷いた芽依は、ギルベルトを見る。
「まず、確認をさせてください。食材提供は勿論しますが、増量となった場合期間はどれ程ですか?」
「ずっとだ。その対価にこれをやろうと思っている」
ピクリと反応するハストゥーレを見てから、またギルベルトを見る。
「先に結論を言わせて頂きます。食材提供の増量について、短期間で量の調節もこちらで出来るなら構いません。しかし、この先ずっととなるのは無理です」
「何故だ」
「これが契約だからです。ハス君を譲り受けた時点で私には食材提供の義務が発生します。それはシロアリの脅威があろうがなかろうが発生します。今回は大丈夫でしたが、いつ何時復旧困難な状況に陥るかわかりません。さらに、箱庭支援をしてくれたヘルキャットへの食材提供もあります。まかり間違って食材が用意出来なくなった時の私への被害が大き過ぎます」
「……………………もし無理ならハストゥーレを返却して」
「それは無理です」
「…………………………」
「私がこれ以上無理だと言ったのは、ハス君を守る為です。私の家族を守る為です。身の丈にあわない契約をして、その結果身を滅ぼすのは私だけではありません。確実に守りきれる量しか私は抱えられません。その線引きは慎重なくらいでもいいと思っています」
芽依はまっすぐギルベルトを見ながら言い、白の奴隷の女性を見た。
「……私には、ハス君とフェンネルさんをメディさんと2人で抱えるのでたぶんいっぱいです。契約の上で受け取ってしまっては、ハス君もお姉さんも取りこぼしてしまうかもしれない。それだけは回避しないといけませんから」
ニコッと笑って言った芽依を静かに見つめる女性。
そうすると、ギルベルトは眉を寄せた。
「………………わかった。しかし、そうなると食料が……」
芽依は女性からギルベルトに視線を移すと、女性はハストゥーレを見た。
嬉しそうに笑って芽依を見ている自分と同じ白の奴隷。
ハストゥーレはすぐに話しかけられたフェンネルとコソコソ何かを話している。
そして、自然と笑みを浮かべて口元に手を当ててた。
1年前まで同じギルベルトに仕えていた白の奴隷の変貌に、女性は表情に出さないが彼女の持ち得る感情全てが驚愕に満ちていた。
「………………今も食材がたりないんですよね」
「足りない」
「予定通りカナンクル時期に提供するとして、どれくらい持ちますか?」
「一日一食を続けてギリギリ…………3ヶ月だな」
「3ヶ月……?!」
思っていた以上に短い。
しかも一日一食で、だ。
眉を寄せて考え込む、これでは多少増やしたとしても数日増えるくらいではないか。
だからこそ、白の奴隷をもう1人追加して倍の量を欲しがったのだろうと予想を立てる。
「アリステア様、カテリーデンの販売開始はいつになりますか?」
「早くて来年……そうだな、春くらいか」
「思っていたよりも早いですね!……では……まずは通常量をお渡しします。さらに3ヶ月後……出来たらカテリーデン再開時期に追加を提供します。その変わり、約束をしてください。今後何度も追加を提供出来るとは言いきれません。ですので、そちらで庭の拡大をしてください。出来るだけ自分達の食料を自分達で確保して欲しいのです」
「………………それは」
「庭をしたくない等そちらの言い分ははっきりいって私には関係ありません。言ってしまえば、私はハス君の契約分さえ払えば問題ないのですから。私の優先は私の大切な家族、アリステア様達、そしてドラムストです。大事なハス君を渡してくださった貴方だから出来る範囲は手を貸しますけれど、自分達で努力せずに全てを私で賄うなどはしないでください…………忘れないで下さいね」
「……………………わ、わかった」
芽依の力強い言葉に頷くギルベルト。
ガイウス領の備蓄が少ないのは食べる量と比例していないのもあるが、庭の数の問題も確かにある。
自らの足りない部分を指摘されて唸り声を上げるギルベルトに芽依は、ふっと目をやわらげた。
「あと、今回の量は多めに渡します。ですから、なるべく1日3食、少なくても2食は食べてください。じゃないと先程みたいに反動で余計に食べますよ」
「そ…………そうだな」
食べている姿を見られていた事に恥じたギルベルトは言葉を濁らせながらも返事を返した。
「…………あと、お姉さん食べていますか?さっきも食べていないですよね」
「食べてないな。それに、今奴隷は2日に1食だ」
「………………………………は?」
よく見たら服に隠れているが、白の女性はガリガリに痩せている。
カッ!と顔を熱くさせて眉を上げた芽依はギルベルトに怒鳴った。
「貴方が食べている場合ではないでしょう!!ならなおのこと、さっき食べさせて下さいよ!!」
「あ……ああ」
「お姉さん!大丈夫?!何が食べれそうかな?いきなり食べたらお腹びっくりしちゃうかな」
女性の腕に触れると、予想以上に細った。
2日に1回と言っているが、その量は満足いくものでは無いのだろう。
すぐさま箱庭を出して中を見ると、メディトークが作った作り置きも備蓄されている。
フェンネルとハストゥーレも一緒に覗き込み指を指した。
「まずは野菜ジュースか……ゼリーでもいいかな」
「野菜ジュースの方が栄養も有りますしよろしいのではないですか?」
「あとはお粥とかかな、卵がゆ?」
「食べれそうなら雑炊とかの方がいいよね」
指さしこれかな?腹持ち良くないよ、すぐお腹空くよね、と3人で話をしている姿をギルベルトは口を開けて見ていた。
「………………なんなんだ、これは」
奴隷と意見を交わしあい選ぶ芽依を、それを当然として話す2人をギルベルトは信じられないと見ていた。
アリステアはもう見慣れたもので、手際よく片付けをしている。
「悪いが私は仕事に戻る。この部屋の滞在時間は気にしなくていいからゆっくり食べさせてやるといい」
「ありがとうございます。これ、皆さんに」
箱庭からゼリーの入った箱を3段渡されて苦笑したアリステアは頷き、礼を言って仕事に戻って行った。
「………………さあ、とりあえずこれを飲んでください。フェンネルさんの野菜ジュースです。美味しいですよ」
「…………」
ギルベルトを見て確認する女性に、頷いて返事を返した。
「…………良い、マイヤ食べなさい」
「はい」
小さく透き通った声が聞けえてきた。
しゃべった!と顔を上げた芽依は、ジュースを飲む女性、マイヤを見る。
「美味しい?飲める?」
「……………………」
「質問には答えなさい」
「はい……飲めます」
「…………………………飲める、か」
きっと今までも、美味しい不味いといった概念の外側で食事をしていたのだろう、腹を満す為だけに。
「………………お姉さんにも、楽しいや嬉しい、美味しいが分かるようになるといいね」
ジュースを飲みきったマイヤの手に温かな雑炊を持たせながら芽依は眉を下げて笑った。
「………………で、私を呼んだお話聞いていませんでした」
可愛らしい自分の奴隷であるフェンネルとハストゥーレを存分に愛で尽くした芽依は、温かな紅茶を飲んで咳払いをしてから、ようやく本題に触れた。
そんな芽依に苦笑しているアリステア。
2人の領主そっちのけで自分の奴隷を可愛い可愛いと愛でるのも芽依くらいだろう。
「…………以前にも話したが、ガイウスの食事情はかなり厳しい事になっている。食事量が他よりも多く、しかし食料難で食べ物がない。肉や魚といった庭に直結しない物も、野菜不足により満腹感が得られずどうしても食べ尽くしてしまう。今は一日一食にしてどうにかやり過ごしてはいるが……先程の私のように皆が食べる為、明日の食料も厳しい状況なのだ」
一日一食……と呟いた芽依は眉をひそめて考え込む。
そんな芽依をじっと見てから、ギルベルトは頭を下げた。
「すまない、ハストゥーレとの交換の対価に示している食材の提供量を増やしては貰えないだろうか。その代わりにこの白もやろうと思っている」
背中を押されて女性が前のめりになるのを芽依は見てから、ハストゥーレを見ると普段見られなくなった無表情で白の奴隷の女性を見ている。
「……メイちゃん」
「うん」
くいっと服を引っ張られた芽依は頷きアリステアを見た。
「アリステア様、現在の食材支援について私からは何も言えませんが、対価の食材についてはお話してもよろしいのでしょうか」
「ああ、これは2人の間の契約だから私からは何も言わないぞ」
アリステアの言葉に頷いた芽依は、ギルベルトを見る。
「まず、確認をさせてください。食材提供は勿論しますが、増量となった場合期間はどれ程ですか?」
「ずっとだ。その対価にこれをやろうと思っている」
ピクリと反応するハストゥーレを見てから、またギルベルトを見る。
「先に結論を言わせて頂きます。食材提供の増量について、短期間で量の調節もこちらで出来るなら構いません。しかし、この先ずっととなるのは無理です」
「何故だ」
「これが契約だからです。ハス君を譲り受けた時点で私には食材提供の義務が発生します。それはシロアリの脅威があろうがなかろうが発生します。今回は大丈夫でしたが、いつ何時復旧困難な状況に陥るかわかりません。さらに、箱庭支援をしてくれたヘルキャットへの食材提供もあります。まかり間違って食材が用意出来なくなった時の私への被害が大き過ぎます」
「……………………もし無理ならハストゥーレを返却して」
「それは無理です」
「…………………………」
「私がこれ以上無理だと言ったのは、ハス君を守る為です。私の家族を守る為です。身の丈にあわない契約をして、その結果身を滅ぼすのは私だけではありません。確実に守りきれる量しか私は抱えられません。その線引きは慎重なくらいでもいいと思っています」
芽依はまっすぐギルベルトを見ながら言い、白の奴隷の女性を見た。
「……私には、ハス君とフェンネルさんをメディさんと2人で抱えるのでたぶんいっぱいです。契約の上で受け取ってしまっては、ハス君もお姉さんも取りこぼしてしまうかもしれない。それだけは回避しないといけませんから」
ニコッと笑って言った芽依を静かに見つめる女性。
そうすると、ギルベルトは眉を寄せた。
「………………わかった。しかし、そうなると食料が……」
芽依は女性からギルベルトに視線を移すと、女性はハストゥーレを見た。
嬉しそうに笑って芽依を見ている自分と同じ白の奴隷。
ハストゥーレはすぐに話しかけられたフェンネルとコソコソ何かを話している。
そして、自然と笑みを浮かべて口元に手を当ててた。
1年前まで同じギルベルトに仕えていた白の奴隷の変貌に、女性は表情に出さないが彼女の持ち得る感情全てが驚愕に満ちていた。
「………………今も食材がたりないんですよね」
「足りない」
「予定通りカナンクル時期に提供するとして、どれくらい持ちますか?」
「一日一食を続けてギリギリ…………3ヶ月だな」
「3ヶ月……?!」
思っていた以上に短い。
しかも一日一食で、だ。
眉を寄せて考え込む、これでは多少増やしたとしても数日増えるくらいではないか。
だからこそ、白の奴隷をもう1人追加して倍の量を欲しがったのだろうと予想を立てる。
「アリステア様、カテリーデンの販売開始はいつになりますか?」
「早くて来年……そうだな、春くらいか」
「思っていたよりも早いですね!……では……まずは通常量をお渡しします。さらに3ヶ月後……出来たらカテリーデン再開時期に追加を提供します。その変わり、約束をしてください。今後何度も追加を提供出来るとは言いきれません。ですので、そちらで庭の拡大をしてください。出来るだけ自分達の食料を自分達で確保して欲しいのです」
「………………それは」
「庭をしたくない等そちらの言い分ははっきりいって私には関係ありません。言ってしまえば、私はハス君の契約分さえ払えば問題ないのですから。私の優先は私の大切な家族、アリステア様達、そしてドラムストです。大事なハス君を渡してくださった貴方だから出来る範囲は手を貸しますけれど、自分達で努力せずに全てを私で賄うなどはしないでください…………忘れないで下さいね」
「……………………わ、わかった」
芽依の力強い言葉に頷くギルベルト。
ガイウス領の備蓄が少ないのは食べる量と比例していないのもあるが、庭の数の問題も確かにある。
自らの足りない部分を指摘されて唸り声を上げるギルベルトに芽依は、ふっと目をやわらげた。
「あと、今回の量は多めに渡します。ですから、なるべく1日3食、少なくても2食は食べてください。じゃないと先程みたいに反動で余計に食べますよ」
「そ…………そうだな」
食べている姿を見られていた事に恥じたギルベルトは言葉を濁らせながらも返事を返した。
「…………あと、お姉さん食べていますか?さっきも食べていないですよね」
「食べてないな。それに、今奴隷は2日に1食だ」
「………………………………は?」
よく見たら服に隠れているが、白の女性はガリガリに痩せている。
カッ!と顔を熱くさせて眉を上げた芽依はギルベルトに怒鳴った。
「貴方が食べている場合ではないでしょう!!ならなおのこと、さっき食べさせて下さいよ!!」
「あ……ああ」
「お姉さん!大丈夫?!何が食べれそうかな?いきなり食べたらお腹びっくりしちゃうかな」
女性の腕に触れると、予想以上に細った。
2日に1回と言っているが、その量は満足いくものでは無いのだろう。
すぐさま箱庭を出して中を見ると、メディトークが作った作り置きも備蓄されている。
フェンネルとハストゥーレも一緒に覗き込み指を指した。
「まずは野菜ジュースか……ゼリーでもいいかな」
「野菜ジュースの方が栄養も有りますしよろしいのではないですか?」
「あとはお粥とかかな、卵がゆ?」
「食べれそうなら雑炊とかの方がいいよね」
指さしこれかな?腹持ち良くないよ、すぐお腹空くよね、と3人で話をしている姿をギルベルトは口を開けて見ていた。
「………………なんなんだ、これは」
奴隷と意見を交わしあい選ぶ芽依を、それを当然として話す2人をギルベルトは信じられないと見ていた。
アリステアはもう見慣れたもので、手際よく片付けをしている。
「悪いが私は仕事に戻る。この部屋の滞在時間は気にしなくていいからゆっくり食べさせてやるといい」
「ありがとうございます。これ、皆さんに」
箱庭からゼリーの入った箱を3段渡されて苦笑したアリステアは頷き、礼を言って仕事に戻って行った。
「………………さあ、とりあえずこれを飲んでください。フェンネルさんの野菜ジュースです。美味しいですよ」
「…………」
ギルベルトを見て確認する女性に、頷いて返事を返した。
「…………良い、マイヤ食べなさい」
「はい」
小さく透き通った声が聞けえてきた。
しゃべった!と顔を上げた芽依は、ジュースを飲む女性、マイヤを見る。
「美味しい?飲める?」
「……………………」
「質問には答えなさい」
「はい……飲めます」
「…………………………飲める、か」
きっと今までも、美味しい不味いといった概念の外側で食事をしていたのだろう、腹を満す為だけに。
「………………お姉さんにも、楽しいや嬉しい、美味しいが分かるようになるといいね」
ジュースを飲みきったマイヤの手に温かな雑炊を持たせながら芽依は眉を下げて笑った。
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