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第二章 洞窟の聖地
第47話 悩める迷宮令嬢
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■沖永良部島 大樹ダンジョン 闇の迷路 セーフエリア
——数十分前
通信が回復した時、セーフエリアに訪れていた”迷宮令嬢”キャサリン・スメラギのDphoneにメッセージ受信の連絡が入る。
宛名はキャサリンが支部長をしているDAIの本社からの連絡だった。
ガメリアにあるDAI本社からの連絡は珍しいので、受け取ったキャサリンは首をかしげる。
「あら、本社から? 何でしょうか……」
メッセージの内容を確認したキャサリンの顔が青くなった。
同じようにメッセージを受け取っていた配下の二人は冷静に中身を確認すると互いにうなずきあう。
「ここからは我々の仕事になる。指揮権を返して貰うぞ」
「でも、こんなのあんまりですわ! ロドリコ大佐、この話は聞かなかったことにできませんの?」
キャサリンはロドリゴに食って掛かった。
だが、ロドリゴは有無を言わせない態度で無視を行う。
「それはできない。ガメリア大統領直々の命令だ。この大樹ダンジョンを残していてはガメリア本土にも影響が出かねない。破壊もしくは、ダンジョンコアでの登録の優先権を貰う」
その時、ダンジョンが揺れた。
ダンジョンへの攻撃がはじまったということである。
外部からの攻撃にダンジョンがどうなるかはわからない。
洞窟類であれば埋めたという話もでたことはあるが、このように外部にできているダンジョンがどうなるかなんて誰も試してはいないのだ。
「だからと言って、ダンジョンの破壊を自国以外でやるなんてあんまりですわ!」
「違うな、自国以外だからやれるんだ」
ロドリゴとは別の男が答えた。
実験台として、この大樹ダンジョンが使われていることはキャサリンにもわかる。
『おい、スメラギ。足の速いもので先行するから、お前も来てくれ』
「いいチャンスじゃないか、スコップ野郎と一緒にダンジョンを進み、ダンジョンコアの権利を得るんだ」
「わかりましたわ……」
ロドリゴの言葉にキャサリンは渋々と頷くことしかできなかった。
ダンジョンコアの初回登録の権利にはいろいろあるというのは以前に打ち上げ時にサグルから聞いている。
それをもちろん報告したし、それで祖国ガメリアのダンジョン攻略が進めばいいと思っていた。
(わたくしの半分はこの日本のもの……だからこそ、悩んでしまいますわ)
一人で悩んでいても答えはでないことだが、ここで断っても利になることはない。
ならばと、キャサリンはサグルの方へ向かった。
解決できるとすれば、彼だけだと信じているから……。
——数十分前
通信が回復した時、セーフエリアに訪れていた”迷宮令嬢”キャサリン・スメラギのDphoneにメッセージ受信の連絡が入る。
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「あら、本社から? 何でしょうか……」
メッセージの内容を確認したキャサリンの顔が青くなった。
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「ここからは我々の仕事になる。指揮権を返して貰うぞ」
「でも、こんなのあんまりですわ! ロドリコ大佐、この話は聞かなかったことにできませんの?」
キャサリンはロドリゴに食って掛かった。
だが、ロドリゴは有無を言わせない態度で無視を行う。
「それはできない。ガメリア大統領直々の命令だ。この大樹ダンジョンを残していてはガメリア本土にも影響が出かねない。破壊もしくは、ダンジョンコアでの登録の優先権を貰う」
その時、ダンジョンが揺れた。
ダンジョンへの攻撃がはじまったということである。
外部からの攻撃にダンジョンがどうなるかはわからない。
洞窟類であれば埋めたという話もでたことはあるが、このように外部にできているダンジョンがどうなるかなんて誰も試してはいないのだ。
「だからと言って、ダンジョンの破壊を自国以外でやるなんてあんまりですわ!」
「違うな、自国以外だからやれるんだ」
ロドリゴとは別の男が答えた。
実験台として、この大樹ダンジョンが使われていることはキャサリンにもわかる。
『おい、スメラギ。足の速いもので先行するから、お前も来てくれ』
「いいチャンスじゃないか、スコップ野郎と一緒にダンジョンを進み、ダンジョンコアの権利を得るんだ」
「わかりましたわ……」
ロドリゴの言葉にキャサリンは渋々と頷くことしかできなかった。
ダンジョンコアの初回登録の権利にはいろいろあるというのは以前に打ち上げ時にサグルから聞いている。
それをもちろん報告したし、それで祖国ガメリアのダンジョン攻略が進めばいいと思っていた。
(わたくしの半分はこの日本のもの……だからこそ、悩んでしまいますわ)
一人で悩んでいても答えはでないことだが、ここで断っても利になることはない。
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