44 / 86
亜利馬、カメラを回して目も回す
8
しおりを挟む
「あ、……あ、う! もうイッちゃ、……イッちゃい、ます……!」
正面の大雅が俺のそこを扱きながら、ちらりと潤歩を見た。
「もうイくのかよ亜利馬、早漏小僧」
「だって、だって……こんなのっ!」
「亜利馬、俺の顔見ながらイッて」
大雅が目の前で柔らかく微笑む。涙で殆どぼやけているけど、俺は言われた通り大雅の綺麗な目を見つめながら体を震わせた。
「──ああぁっ!」
後ろから潤歩が腰をぐりぐり押し付けてきて、思わず大雅の体に抱き付いてしまう。背中が反り、反った分だけ突き出された胸の乳首を竜介と獅琉が愛撫する──俺の耳を犯しながら。
「はっ、あ……! あぁ、イ、く……!」
真上からカメラが寄ってきて、俺のとろ顔が二秒、三秒と収められていった。
「はあぁ、ぁ……」
「オッケーです!」
「お疲れ様です!」
全身から力が抜け、俺は大雅の方へぐったりと体を倒した。
「ほっぺた、リンゴみたい」
大雅が俺の頬にキスをする。俺はもう何かを言う力もない。恐らくここで画面には「亜利馬逆ドッキリ終了!」のテロップが出るのだろう。
「ほえ……」
「亜利馬、サプラーイズ!」
最後に獅琉が言って、四人がカメラに向かってガッツポーズを取る。
「………」
──もうドッキリ企画はこりごりだ。
「亜利馬。お菓子買ってきたけどどう? 新作マドレーヌだって」
「わっ、美味しそ──じゃなくて、要りませんっ!」
「亜利馬。お前が見たがってた映画、ワゴンで売ってたから買ってきてやったぞ」
「ほ、本当ですか竜介さん、──じゃなくて、要りません!」
その後しばらくはドッキリが怖くて、全てに対して警戒してしまう羽目になった。
「うーん、亜利馬の性格が捻じ曲がってしまった」
獅琉のぼやきにもツンとそっぽを向いて、自分で買ってきたお菓子を頬張る。
「よし、最後の手段だな。──亜利馬」
「何ですか」
竜介がスマホを操作し、画面を俺に見せる。
「ああぁぁぁあっ……!」
「どうだ、可愛いだろう? 三毛猫の赤ん坊が今度ウチに来ることになったんだ」
ブチ柄が入った、ふわふわの毛玉のかたまり。まん丸の大きな目でこちらを不思議そうに見ている、三毛猫の赤ちゃん──。
「家や先住猫に慣れたら、亜利馬にも抱かせてやるからな」
「うわあぁ、ありがとうございます竜介さんっ!」
ニカツと笑う竜介。
ホッと胸を撫で下ろしている獅琉。
かくして単純な俺は仔猫に免じて元の性格に戻ることにし、また平穏な俺達の毎日が戻ってきた。
後日竜介の家に行った際にドラ猫のコスプレをした潤歩が「俺が猫の赤ちゃんだぜ!」と飛び出してきて皆から総スカンを喰らうことになるのだが、それはまた別のお話。
正面の大雅が俺のそこを扱きながら、ちらりと潤歩を見た。
「もうイくのかよ亜利馬、早漏小僧」
「だって、だって……こんなのっ!」
「亜利馬、俺の顔見ながらイッて」
大雅が目の前で柔らかく微笑む。涙で殆どぼやけているけど、俺は言われた通り大雅の綺麗な目を見つめながら体を震わせた。
「──ああぁっ!」
後ろから潤歩が腰をぐりぐり押し付けてきて、思わず大雅の体に抱き付いてしまう。背中が反り、反った分だけ突き出された胸の乳首を竜介と獅琉が愛撫する──俺の耳を犯しながら。
「はっ、あ……! あぁ、イ、く……!」
真上からカメラが寄ってきて、俺のとろ顔が二秒、三秒と収められていった。
「はあぁ、ぁ……」
「オッケーです!」
「お疲れ様です!」
全身から力が抜け、俺は大雅の方へぐったりと体を倒した。
「ほっぺた、リンゴみたい」
大雅が俺の頬にキスをする。俺はもう何かを言う力もない。恐らくここで画面には「亜利馬逆ドッキリ終了!」のテロップが出るのだろう。
「ほえ……」
「亜利馬、サプラーイズ!」
最後に獅琉が言って、四人がカメラに向かってガッツポーズを取る。
「………」
──もうドッキリ企画はこりごりだ。
「亜利馬。お菓子買ってきたけどどう? 新作マドレーヌだって」
「わっ、美味しそ──じゃなくて、要りませんっ!」
「亜利馬。お前が見たがってた映画、ワゴンで売ってたから買ってきてやったぞ」
「ほ、本当ですか竜介さん、──じゃなくて、要りません!」
その後しばらくはドッキリが怖くて、全てに対して警戒してしまう羽目になった。
「うーん、亜利馬の性格が捻じ曲がってしまった」
獅琉のぼやきにもツンとそっぽを向いて、自分で買ってきたお菓子を頬張る。
「よし、最後の手段だな。──亜利馬」
「何ですか」
竜介がスマホを操作し、画面を俺に見せる。
「ああぁぁぁあっ……!」
「どうだ、可愛いだろう? 三毛猫の赤ん坊が今度ウチに来ることになったんだ」
ブチ柄が入った、ふわふわの毛玉のかたまり。まん丸の大きな目でこちらを不思議そうに見ている、三毛猫の赤ちゃん──。
「家や先住猫に慣れたら、亜利馬にも抱かせてやるからな」
「うわあぁ、ありがとうございます竜介さんっ!」
ニカツと笑う竜介。
ホッと胸を撫で下ろしている獅琉。
かくして単純な俺は仔猫に免じて元の性格に戻ることにし、また平穏な俺達の毎日が戻ってきた。
後日竜介の家に行った際にドラ猫のコスプレをした潤歩が「俺が猫の赤ちゃんだぜ!」と飛び出してきて皆から総スカンを喰らうことになるのだが、それはまた別のお話。
0
お気に入りに追加
100
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

俺が総受けって何かの間違いですよね?
彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。
17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。
ここで俺は青春と愛情を感じてみたい!
ひっそりと平和な日常を送ります。
待って!俺ってモブだよね…??
女神様が言ってた話では…
このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!?
俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!!
平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣)
女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね?
モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる