COALESCE!

狗嵜ネムリ

文字の大きさ
上 下
109 / 111
番外編、大雅の物語

しおりを挟む
 竜介の口の中で自身のそれが跳ね、熱い体液が迸るのを感じた。全身から力が抜けていく感覚。……なのに、体は疼いたままだ。
「仕事だったんじゃないのか? 随分量が多いな」
「……竜介。飲んだの」
 口を開けて見せる竜介に、大雅は「馬鹿」と呟いた。
「飲んだら駄目だって、山野さんが言ってた……」
「撮影では、な。今は違う」
「………」
 それなら。
 ベッドに手を付いて身を起こし、目を見て竜介に訴える。
「……それなら、ゴム無しで挿れて」
「大雅……」
 アヌスを使うセックスでは男女のそれより、受ける側以上に挿入する側のリスクが大きいということは大雅も分かっている。だからスキンは必須なのだ。
 断られたら大人しく従うつもりだった。怒られたら反省するフリくらいはしようと思った。
 だけど竜介は、……
「特別。……今日だけだぞ」
 大雅の頭を撫で、困ったように笑うだけだった。

「………」
「上、乗るか」
 竜介の上に向かい合う形で座る。──それは大雅にとって初めての体位だったが、不思議とどうすれば良いか身体は分かっているようだ。ゆっくりと下から貫かれる感覚に涙が零れたが、竜介はそんな大雅を見て静かに笑っていた。
「……っ、……」
「平気か」
「……ん、……うん」
「狭いな。めいっぱい締め付けてくる」
 低い声で囁かれ、堪らず大雅は竜介にしがみついた。
「は、ぁ……。いま、奥のとこ、……」
「何か良いのあったか?」
「……好き、かも……」
 探るように腰をくねらせてみるが、なかなか思う快楽が得られない。自分からこんなことをするのは初めてで少し恥ずかしいが、それ以上に竜介のそれを深いところで感じたくて、我慢できなかった。
「ん、……う……。良いとこ、分かんない」
「……大雅」
 しがみついていた腕を解かれ、至近距離で見つめ合う。月光に照らされた竜介の瞳が綺麗で思わず息を呑んだ、その瞬間。
「ああぁ……!」
「大雅っ、……」
 浮かせていた大雅のそこを、竜介が下から思い切り突き上げてきた。網膜に閃光が走り、大雅の腰から背中を鋭い稲妻が走って行く。
「ん、あぁ……!」
 それも一度だけじゃない。二度、三度、……繰り返し激しく大雅の中を突き上げながら、竜介が自重で大雅の体を倒してきた。
「や、やだ……竜介、なんで……」
「悪い、大雅。……止められねえ」
「あ──」

 強引な力で倒された大雅のそこへ、竜介が腰を打ち付ける。大きく開いた両脚は成すすべなく宙を蹴り、内股はこれ以上ないほど痙攣していた。
 何も考えられない。竜介のこと以外はもう、何も──
「りゅう、すけっ……」
「大雅……」
 上から落ちてくる汗すら愛おしくて、大雅は伸ばした両手で竜介の体を抱きしめた。
「俺達……直接、繋がってる」
「……ああ、そうだな」
 例え嘘であっても、明日になればお互い違う男と抱き合うことになっても、……
「好き、かも……」
 大雅は幸せだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

処理中です...