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狗嵜ネムリ

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番外編、大雅の物語

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「大雅」
 低い声で名前を呼ばれ、同時に中の下着ごと部屋着のズボンを下ろされる。反応しているそれを見られたくなくて手で隠すと、竜介が笑った。
「隠してたら触れねえだろ」
「……見ないで」
「分かった、見ねえから」
 竜介に腕を掴まれ、ゆっくりとそこから離される。代わりに竜介の手があてがわれた瞬間、大雅の頬がカッと熱くなった。形を確かめるように握られ、撫でられて、……これでは見られているのと一緒だ。
「ん、や……やだ、竜介っ……」
「嫌じゃねえのは分かってる。恥ずかしいことじゃねえさ、男なら皆同じだ」
「……で、でも……」
「ほれ」
 竜介が自分でベルトを外し、ジーンズを下ろして見せた。
「あ……」
 露出したそれは大雅の方を向き、屹立している。竜介の男の証──。もともと他人の性器なんて興味は無いのに、何故だか竜介のそれだけは触れたくて堪らない。
「見られたくねえけど、俺のは見るんだな」
「や、……違うっ……」
 シャツを脱ぎながら笑う竜介。恥ずかしくて堪らず、大雅は寝たままの恰好で顔を背けて目を伏せた。

「綺麗だぜ、大雅」
「………」
 上から見下ろす形で、竜介が全裸になった大雅を見つめている。
「お前のこの姿が大勢の目に触れるって思うと、少し妬けるな」
「え……」
「でも、今だけ俺の物だ」
 それは芝居がかった「台詞」だったが、それでも大雅は嬉しかった。体の芯に感じる喜びが涙となって体外に溢れ出てくる。
 悟られないように軽く目元を拭い、大雅は顔を背けたまま視線だけを竜介に向けた。
「……今だけ恋人なんだから、好きにしてよ。竜介」
「大雅、……」
 可愛くない言い方をしてしまったが、それは自分の本心だ。余計なことは喋らず、考える余裕すらなくなるほどに、ただもう思い切り貪られたい……
「っ──!」
 きつく唇を噛み、体を強張らせる。竜介の唇が大雅のそれに被せられるその瞬間の衝撃は、何度経験しても慣れることができないのだ。不意の熱に包まれて逃げ場のなくなった自分のそれに、竜介の舌と唾液がねっとりと絡み付いてくる──耐えられる訳がなかった。
「あっ、……、ん、ぁ……! やっ、竜介、やだ……」
 普段の自分からは考えられないほどの高い声。それだけで、本当は嫌がっていないことなど竜介にはとっくに伝わっている。
「い、や……。そこ、やだっ……」
 自然と腰が揺れてしまう。息も荒くなり、視界も潤んでしまう。
「は、ぁっ……あぁっ、……」
 拒絶の声は既に甘い喘ぎに変わっていた。竜介の頭が上下するたび、大雅の声も大きくなって行く。その究極の愛撫は大雅の理性を壊すのに充分すぎる破壊力を持っていた。
「出、る……かも。竜介、だめ……」
「ん」
「放して、竜介……」
 せり上がってくる感覚に身悶えながら訴えるも、竜介は大雅のそれを咥えたまま離さない。
「竜介っ、……!」
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