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亜利馬、AVモデルになる
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「びっくりした。まさか鼻血出ちゃうとは……」
獅琉が雑誌で俺を仰ぎながら新しいティッシュを渡してくれた。幸いテーブルや床を汚さずに済んだが、カシミアの高級ティッシュは大量に使ってしまったみたいだ。血の付いたそれをテーブルに置くのも気が引けて、手の中でぎゅっと握りしめる。
「面白い奴だな、お前」
嬉しそうに笑う潤歩が俺の手から丸まったティッシュを取り、ゴミ箱に捨ててくれた。
「す、すみません……」
「ちょっと横になる? ベッド使ってもいいよ」
「平気です……血も止まったみたいなので」
「そんじゃ、エロい話の続きしようぜ」
「やめなよ。また亜利馬がのぼせちゃうって」
「ていうか、こんなんで大丈夫なのかよ? 仕事できんのか、こいつ」
潤歩が人差し指で俺の頬をぐっと押す。
確かにこんな調子では仕事にならないかもしれない。バラエティ番組では多少エッチな話もするかもしれないし、グラビア美女と接する機会もあるだろうし。
「慣れるしかないよね」
獅琉が不安そうに言って、俺の頭を撫でた。その手の動きがまた絶妙に心地好く、目がトロンとしてしまう。
そのまま俺の頭を撫でながら、獅琉が潤歩に言った。
「潤歩。俺達の仕事にも関わってくることだから、もうバラすよ?」
潤歩が意味ありげな笑みでそれに頷き、頭の後ろで両手を組む。
「亜利馬。よく聞いてね。気を確かにね」
「は、はい。何ですか……?」
「俺達の仕事は、AVモデルだよ」
「……うん?」
獅琉の綺麗な目がじっと俺を見つめている。言葉の意味が理解できなくてその目を見つめ返すと、獅琉が形の良い唇を開いてもう一度言った。
「俺達の仕事はAV。裸になって、男同士でセックスするの」
「………」
「もっと具体的に言うとだなぁ」
固まった俺を見て、潤歩が更に説明する。
「野郎同士でキスして舌絡ませたり、体中べろべろ舐めたり勃起したモンしゃぶったり、それをケツに突っ込んでがつがつ掘ったりするってことだ。ちなみに今言ったヤツはノーマルのプレイな。もっとやべえのやる時もある」
「………」
「例えば俺と獅琉で、お前のハズカシイ所を揉んだり吸ったり舐めたりとか、な」
「………」
鼻に詰めたティッシュの先が生温かくなる。
「ウチは五人グループだから、最大で5Pなんてこともあるかもな。お前を縛り付けて四人がかりで攻めたり、その逆もあるかもな」
「っ……!」
「亜利馬っ!」
そこで俺の意識は途切れた。
*
「亜利馬。大丈夫?」
次に目が覚めた時、そこは柔らかなベッドの上だった。知らない天井──枕からは獅琉がつけている香水のいい匂いがする。
俺は獅琉のベッドに寝かされていた。
「獅琉、さん……」
「起きなくていいよ。じっとしてて」
「すみません、何から何まで迷惑かけて……」
「いいって、潤歩がわざとやったんだから。……でも亜利馬、びっくりしただろ。やっぱAVだって知らなかった?」
「……はい」
分からない。もしかしたらスカウトされた時点でそう言われたのかもしれない。「アイドル」という言葉しか頭になくて、他のことなんて全然聞いてなかったような気もする。
「何か騙したみたいだけど、俺もこんなケース初めてでさ。スカウトでも応募でも、ちゃんと仕事内容を理解した子しか来ないから……」
「………」
「山野さんに言って、辞めさせてもらう? 今ならまだ間に合うよ」
「………」
獅琉が雑誌で俺を仰ぎながら新しいティッシュを渡してくれた。幸いテーブルや床を汚さずに済んだが、カシミアの高級ティッシュは大量に使ってしまったみたいだ。血の付いたそれをテーブルに置くのも気が引けて、手の中でぎゅっと握りしめる。
「面白い奴だな、お前」
嬉しそうに笑う潤歩が俺の手から丸まったティッシュを取り、ゴミ箱に捨ててくれた。
「す、すみません……」
「ちょっと横になる? ベッド使ってもいいよ」
「平気です……血も止まったみたいなので」
「そんじゃ、エロい話の続きしようぜ」
「やめなよ。また亜利馬がのぼせちゃうって」
「ていうか、こんなんで大丈夫なのかよ? 仕事できんのか、こいつ」
潤歩が人差し指で俺の頬をぐっと押す。
確かにこんな調子では仕事にならないかもしれない。バラエティ番組では多少エッチな話もするかもしれないし、グラビア美女と接する機会もあるだろうし。
「慣れるしかないよね」
獅琉が不安そうに言って、俺の頭を撫でた。その手の動きがまた絶妙に心地好く、目がトロンとしてしまう。
そのまま俺の頭を撫でながら、獅琉が潤歩に言った。
「潤歩。俺達の仕事にも関わってくることだから、もうバラすよ?」
潤歩が意味ありげな笑みでそれに頷き、頭の後ろで両手を組む。
「亜利馬。よく聞いてね。気を確かにね」
「は、はい。何ですか……?」
「俺達の仕事は、AVモデルだよ」
「……うん?」
獅琉の綺麗な目がじっと俺を見つめている。言葉の意味が理解できなくてその目を見つめ返すと、獅琉が形の良い唇を開いてもう一度言った。
「俺達の仕事はAV。裸になって、男同士でセックスするの」
「………」
「もっと具体的に言うとだなぁ」
固まった俺を見て、潤歩が更に説明する。
「野郎同士でキスして舌絡ませたり、体中べろべろ舐めたり勃起したモンしゃぶったり、それをケツに突っ込んでがつがつ掘ったりするってことだ。ちなみに今言ったヤツはノーマルのプレイな。もっとやべえのやる時もある」
「………」
「例えば俺と獅琉で、お前のハズカシイ所を揉んだり吸ったり舐めたりとか、な」
「………」
鼻に詰めたティッシュの先が生温かくなる。
「ウチは五人グループだから、最大で5Pなんてこともあるかもな。お前を縛り付けて四人がかりで攻めたり、その逆もあるかもな」
「っ……!」
「亜利馬っ!」
そこで俺の意識は途切れた。
*
「亜利馬。大丈夫?」
次に目が覚めた時、そこは柔らかなベッドの上だった。知らない天井──枕からは獅琉がつけている香水のいい匂いがする。
俺は獅琉のベッドに寝かされていた。
「獅琉、さん……」
「起きなくていいよ。じっとしてて」
「すみません、何から何まで迷惑かけて……」
「いいって、潤歩がわざとやったんだから。……でも亜利馬、びっくりしただろ。やっぱAVだって知らなかった?」
「……はい」
分からない。もしかしたらスカウトされた時点でそう言われたのかもしれない。「アイドル」という言葉しか頭になくて、他のことなんて全然聞いてなかったような気もする。
「何か騙したみたいだけど、俺もこんなケース初めてでさ。スカウトでも応募でも、ちゃんと仕事内容を理解した子しか来ないから……」
「………」
「山野さんに言って、辞めさせてもらう? 今ならまだ間に合うよ」
「………」
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