37 / 64
#5 エロス&インテリジェンス
8
しおりを挟む
「ほ、炎樽っ? 来るんじゃねえ!」
去年の俺の一〇〇メートル走の最高記録は十四秒くらいだったけれど、今は違う。十秒切ってるのではと思うほど速く走れる。まるで風になったよう。体重がなくなったみたいだ。
たった今思い出した。このゲームはマルチプレイが可能で、二人協力での攻略ができるんだ──。
「天和、これを!」
人生初の二段ジャンプとブロックの側面蹴りを繰り出しながら天和の元へ辿り着いた俺は、かけていた眼鏡を外して天和に手渡した。
「夢魔印の眼鏡だ。かければ視力低下が無効になる」
「だ、だけどそれだとお前が……!」
「いいから早くっ!」
途端に視界がぼやけ始め、ただでさえ見づらいドット絵のシャックスがますます歪んで見える。
だけど、これでいい。天和がやられる所を見るより、俺がやられた方がいい。
「──わっ!」
思ったその時、体が宙に浮く感覚があって俺はぼやけた天和の顔を見上げた。吹く風が頬に当たる。至近距離で天和の息使いが聞こえる。俺は天和に横抱きにされ、ブロックからブロックを飛んでいた。
「お、下ろしていいって! 天和! 俺は大丈夫だから!」
「黙ってろ」
シャックスが大きく跳躍するのが見えた。耳をつんざくほどの轟音。今さっき立っていた足場が全て破壊され、衝撃に地面が揺れる。
新たなブロックを駆けあがり頂上へ立った天和が、俺の耳元で叫んだ。
「行くぞ!」
「うんっ……!」
組んだ手と手に力が溜まっていく感覚。最後の一撃。これは、天和と俺の合体技。
「行けえぇ──っ!」
光のスクリーンが目の前を覆ったかのように、ぼやけていてもその強烈な眩しさを感じ取ることができる。ごうごうと響く衝撃が俺と天和の体を包み込み、向こう側のブロックもグラフィックの地面も角ばった雲も全て、放たれた俺達の光と炎の衝撃波で勢いよく吹き飛んで行く。
シャックスのコアに直撃した最後の一発。ひび割れたコアが粉々に弾け飛んだ瞬間、悪魔の断末魔が青空に響き渡った。
「あ……」
俺達の足場になっていたブロックもいつの間にか吹き飛んでいたらしい。それでも落下の速度は緩く、天和が俺を抱きかかえたままふわふわと滑空し、数秒の後に地面へ着地した。
「炎樽」
「天和……」
間近に天和の顔が見える。赤縁の眼鏡をかけた、普段より少し知的に見える天和が俺を見ている。
屋上も元通り、まるで何事もなかったかのように辺りは静かだ。遠くに聞こえるのは校庭で騒いでいる生徒達の声か。青空に浮かぶ雲も綿あめのように丸い。
「戻った……。天和。全クリしたんだ! 全部見える!」
「はあ。すげえ疲れた……」
俺達は屋上の地面で大の字に寝転がり、お互いに深呼吸を繰り返した。
「そ、そうだ。マカ……大丈夫か、マカ!」
フェンスの近くで寝ていたマカロがのっそりと起き上がり、大きなあくびをして目を擦る。
「終わった? クリアできたの、ほたる」
「ああ、出来たよ! 天和が協力してくれた! マカもマジでありがとう!」
その小さな体を思い切り抱きしめると、マカロが苦しそうな声をあげた。
「取り敢えず終わったんだな。腹減っただろ炎樽。飯買ってきてやる」
「ありがとう、天和。……また助けてもらって……」
気にするな、の笑みを残して天和が屋上を出て行った。幾度も目にしてきたその後ろ姿はやはり男らしく大きくて、天和がいなかったらとっくに学園生活内でバッドエンドを迎えていただろうなと思う。
「ほたるの呪いが解けて良かった。おれも頑張った甲斐があったぞ!」
「でも、これから攻略サイト作ろうとか思ってたんだけど……ラスボスがあんな感じで出てくるんじゃまとめようがないよなぁ……」
そもそもあのラスボスバトルが現実だったのかどうかも分からない。あれだけの巨大な悪魔が暴れたのに、他の生徒達や近隣住民には全く気付かれていなかったみたいだし。
やっぱり現実がゲーム化したんじゃなくて、俺達がゲームの中に入っていたという方が正しいのだろう。
「おれ寝てたから分からないけど、画面からシャックス出てきたか?」
「ああ、凄いでっかいのが出てきた。毎回あんなのと戦うようにできてるってことなのか?」
ううん、とマカロが笑って首を振る。
「ラスボスに辿り着いたのって、多分おれ達が初めてなんだと思う。画面見せて」
消さずにそのまま置いておいたゲーム画面をマカロと一緒に覗き込むと、そこには真っ暗な中にウィンドウだけが表示されていた。中の文字はこうだ。
『シャックスはたおされた! 呪いはとかれ、全ての人間に 平和がもどった!』。
「これで大丈夫だと思う。誰か一人でも全クリすれば全プレイヤーの視力が戻るシステムなんだよ」
「ていうことは、一件落着ってこと?」
「ああ! ゲームそのものの呪いが解かれたから、もう被害に遭うひともいないと思う!」
良かった、と心の底から溜息が出た。ゲームでこんなに疲れたのは初めてだ。
それにしても俺達がクリアしなかったら、俺があのゲームと出会っていなかったらと考えると恐ろしくなる。こうしている今も別の悪魔から気付かれないうちに「何か」を奪われているのかもしれないと思うと……
「悪魔も人間の世界でビジネスしてるのかな。マカロも夢魔印の道具って金出して買ってるんだろ?」
「うん。今はタップ一つでラクラク注文できるから便利になったぞ」
「こっちの世界とほぼ同じ文明だな。そういえばサバラがくれたあの眼鏡も、何かスマホで買ってたなぁ……」
力無く笑って、はたと気付く。
「天和に眼鏡かけさせたままだ……」
呟いた瞬間、屋上のドアが音を立てて開け放たれた。驚いて顔を向けた先、入り口ではパンの入ったビニール袋を手に下げた天和が、肩で息をしながら俺達を睨んでいる。
「た、天和……おかえり」
「………」
「あ、あの。ちょっと聞くけど」
「……炎樽……」
荒い呼吸。半笑いの口元。そして──赤縁眼鏡の奥でぎらつく目。
俺は咄嗟に両手で自分の体を隠し、訊いた。
「もしかして、テンプルのとこのボタン、押した……?」
「炎樽ウウゥアァアァ──ッ!」
「や、やっぱり……!」
ある意味では悪魔よりも恐ろしいこの鬼とのバトルは、一体いつまで続くのか。
捕まったら最後。俺は全力で屋上内を駆け回りながら、この鬼から逃げる力を与えてくれと見えない悪魔に祈り続けた。
去年の俺の一〇〇メートル走の最高記録は十四秒くらいだったけれど、今は違う。十秒切ってるのではと思うほど速く走れる。まるで風になったよう。体重がなくなったみたいだ。
たった今思い出した。このゲームはマルチプレイが可能で、二人協力での攻略ができるんだ──。
「天和、これを!」
人生初の二段ジャンプとブロックの側面蹴りを繰り出しながら天和の元へ辿り着いた俺は、かけていた眼鏡を外して天和に手渡した。
「夢魔印の眼鏡だ。かければ視力低下が無効になる」
「だ、だけどそれだとお前が……!」
「いいから早くっ!」
途端に視界がぼやけ始め、ただでさえ見づらいドット絵のシャックスがますます歪んで見える。
だけど、これでいい。天和がやられる所を見るより、俺がやられた方がいい。
「──わっ!」
思ったその時、体が宙に浮く感覚があって俺はぼやけた天和の顔を見上げた。吹く風が頬に当たる。至近距離で天和の息使いが聞こえる。俺は天和に横抱きにされ、ブロックからブロックを飛んでいた。
「お、下ろしていいって! 天和! 俺は大丈夫だから!」
「黙ってろ」
シャックスが大きく跳躍するのが見えた。耳をつんざくほどの轟音。今さっき立っていた足場が全て破壊され、衝撃に地面が揺れる。
新たなブロックを駆けあがり頂上へ立った天和が、俺の耳元で叫んだ。
「行くぞ!」
「うんっ……!」
組んだ手と手に力が溜まっていく感覚。最後の一撃。これは、天和と俺の合体技。
「行けえぇ──っ!」
光のスクリーンが目の前を覆ったかのように、ぼやけていてもその強烈な眩しさを感じ取ることができる。ごうごうと響く衝撃が俺と天和の体を包み込み、向こう側のブロックもグラフィックの地面も角ばった雲も全て、放たれた俺達の光と炎の衝撃波で勢いよく吹き飛んで行く。
シャックスのコアに直撃した最後の一発。ひび割れたコアが粉々に弾け飛んだ瞬間、悪魔の断末魔が青空に響き渡った。
「あ……」
俺達の足場になっていたブロックもいつの間にか吹き飛んでいたらしい。それでも落下の速度は緩く、天和が俺を抱きかかえたままふわふわと滑空し、数秒の後に地面へ着地した。
「炎樽」
「天和……」
間近に天和の顔が見える。赤縁の眼鏡をかけた、普段より少し知的に見える天和が俺を見ている。
屋上も元通り、まるで何事もなかったかのように辺りは静かだ。遠くに聞こえるのは校庭で騒いでいる生徒達の声か。青空に浮かぶ雲も綿あめのように丸い。
「戻った……。天和。全クリしたんだ! 全部見える!」
「はあ。すげえ疲れた……」
俺達は屋上の地面で大の字に寝転がり、お互いに深呼吸を繰り返した。
「そ、そうだ。マカ……大丈夫か、マカ!」
フェンスの近くで寝ていたマカロがのっそりと起き上がり、大きなあくびをして目を擦る。
「終わった? クリアできたの、ほたる」
「ああ、出来たよ! 天和が協力してくれた! マカもマジでありがとう!」
その小さな体を思い切り抱きしめると、マカロが苦しそうな声をあげた。
「取り敢えず終わったんだな。腹減っただろ炎樽。飯買ってきてやる」
「ありがとう、天和。……また助けてもらって……」
気にするな、の笑みを残して天和が屋上を出て行った。幾度も目にしてきたその後ろ姿はやはり男らしく大きくて、天和がいなかったらとっくに学園生活内でバッドエンドを迎えていただろうなと思う。
「ほたるの呪いが解けて良かった。おれも頑張った甲斐があったぞ!」
「でも、これから攻略サイト作ろうとか思ってたんだけど……ラスボスがあんな感じで出てくるんじゃまとめようがないよなぁ……」
そもそもあのラスボスバトルが現実だったのかどうかも分からない。あれだけの巨大な悪魔が暴れたのに、他の生徒達や近隣住民には全く気付かれていなかったみたいだし。
やっぱり現実がゲーム化したんじゃなくて、俺達がゲームの中に入っていたという方が正しいのだろう。
「おれ寝てたから分からないけど、画面からシャックス出てきたか?」
「ああ、凄いでっかいのが出てきた。毎回あんなのと戦うようにできてるってことなのか?」
ううん、とマカロが笑って首を振る。
「ラスボスに辿り着いたのって、多分おれ達が初めてなんだと思う。画面見せて」
消さずにそのまま置いておいたゲーム画面をマカロと一緒に覗き込むと、そこには真っ暗な中にウィンドウだけが表示されていた。中の文字はこうだ。
『シャックスはたおされた! 呪いはとかれ、全ての人間に 平和がもどった!』。
「これで大丈夫だと思う。誰か一人でも全クリすれば全プレイヤーの視力が戻るシステムなんだよ」
「ていうことは、一件落着ってこと?」
「ああ! ゲームそのものの呪いが解かれたから、もう被害に遭うひともいないと思う!」
良かった、と心の底から溜息が出た。ゲームでこんなに疲れたのは初めてだ。
それにしても俺達がクリアしなかったら、俺があのゲームと出会っていなかったらと考えると恐ろしくなる。こうしている今も別の悪魔から気付かれないうちに「何か」を奪われているのかもしれないと思うと……
「悪魔も人間の世界でビジネスしてるのかな。マカロも夢魔印の道具って金出して買ってるんだろ?」
「うん。今はタップ一つでラクラク注文できるから便利になったぞ」
「こっちの世界とほぼ同じ文明だな。そういえばサバラがくれたあの眼鏡も、何かスマホで買ってたなぁ……」
力無く笑って、はたと気付く。
「天和に眼鏡かけさせたままだ……」
呟いた瞬間、屋上のドアが音を立てて開け放たれた。驚いて顔を向けた先、入り口ではパンの入ったビニール袋を手に下げた天和が、肩で息をしながら俺達を睨んでいる。
「た、天和……おかえり」
「………」
「あ、あの。ちょっと聞くけど」
「……炎樽……」
荒い呼吸。半笑いの口元。そして──赤縁眼鏡の奥でぎらつく目。
俺は咄嗟に両手で自分の体を隠し、訊いた。
「もしかして、テンプルのとこのボタン、押した……?」
「炎樽ウウゥアァアァ──ッ!」
「や、やっぱり……!」
ある意味では悪魔よりも恐ろしいこの鬼とのバトルは、一体いつまで続くのか。
捕まったら最後。俺は全力で屋上内を駆け回りながら、この鬼から逃げる力を与えてくれと見えない悪魔に祈り続けた。
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
孤狼のSubは王に愛され跪く
ゆなな
BL
旧題:あなたのものにはなりたくない
Dom/Subユニバース設定のお話です。
氷の美貌を持つ暗殺者であり情報屋でもあるシンだが実は他人に支配されることに悦びを覚える性を持つSubであった。その性衝動を抑えるために特殊な強い抑制剤を服用していたため周囲にはSubであるということをうまく隠せていたが、地下組織『アビス』のボス、レオンはDomの中でもとびきり強い力を持つ男であったためシンはSubであることがばれないよう特に慎重に行動していた。自分を拾い、育ててくれた如月の病気の治療のため金が必要なシンは、いつも高額の仕事を依頼してくるレオンとは縁を切れずにいた。ある日任務に手こずり抑制剤の効き目が切れた状態でレオンに会わなくてはならなくなったシン。以前から美しく気高いシンを狙っていたレオンにSubであるということがバレてしまった。レオンがそれを見逃す筈はなく、シンはベッドに引きずり込まれ圧倒的に支配されながら抱かれる快楽を教え込まれてしまう───
完結・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら、激甘ボイスのイケメン王に味見されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる