上 下
47 / 115
第7話 にゃんタス記念日

しおりを挟む
 六月二十一日。
 今日は炎珠さんと刹と俺の、色々な「初めて」が詰め込まれた大事な記念日。

「んっ──あ、あぁっ……!」
「那由太、凄く可愛いよ。俺達がついてるから安心して。傷付けたりしないからね」
「あ、……んう、ぅ……」
 ベッドに仰向けになった俺は、右側から俺の頭を撫でる炎珠さんにしがみついて泣いていた。

 大きく開いた股の間では、ローションの力を借りて入り込んだ刹の指が二本……中を広げるように、丹念に慣らすように蠢いている。
「一旦声出すの我慢して、呼吸することに集中しろ」
「ん、んっ……はぁ、……あ、……」
 炎珠さんの胸に顔を埋め、涙に潤んだ目だけを刹に向ける。「慣らすのは刹の方が上手いから」と言っていただけあって痛くはないのだけれど、生まれて初めて尻の中を探られる感覚に対する不安と恐怖に負けてしまいそうだ。

「大丈夫だよ。那由太、大好きだよ」
「炎珠、さん……あっ」
 声をかけて俺を励ましながら、炎珠さんが萎えた俺のペニスを握ってくれた。恐らくは刹の指から意識を逸らすためだ。
「んぅっ……」
「そろそろいいかもしれねえ」
 中から指が引き抜かれ、刹がフゥと息をついた。

「炎珠、交代」
「俺が先でいいの? 那由太の初めて、貰っちゃうよ?」
「その方が順序的に良いだろ。俺が先ヤッたら、お前の×××じゃ物足りなくなるだろうし」
「失礼だなぁ。……でも嬉しい。那由太、優しくするからね」
「お、お願いします……」
 ああ、いよいよ俺は初めて男を知る。
 華深が言っていたような快楽はまだ得られないかもしれないけれど、きっと今日を境に何かが変わる──。

「ん、……っと」
「うっ、ぁ……」
 指よりも硬くて太いものが俺の中を押し広げ、少しずつ侵入してくる。
「は、入って……ああ、炎珠さんっ……」
「那由太、膝閉じたいのは分かるけど……それ、俺の腰にしがみついてるだけだよ」
「んあぁっ──!」
 一瞬体の奥に強烈な刺激がきて、俺は全身を痙攣させる勢いで背中を仰け反らせた。
「入ったか?」
「うん、入った……那由太、もう処女じゃなくなったね」
 炎珠さんが愛おしげな眼差しで上から俺を見ている。

「大丈夫か、那由太」
「は、あ……刹。……俺、変な、感じで……」
「腰から下の力抜いて、炎珠に全部任せろ。もうそんなに怖くねえだろ」
 刹の手が俺の前髪をかき分け、じっとりと額に浮かんだ汗を拭ってくれた。
「あ、あっ……」
「ゆっくり動くよ。可愛い声いっぱい聞かせてね」
 大きく開いた脚の間に押し付けていた腰を引きながら、炎珠さんが舌なめずりをする。未知の恐怖はあるけれど、たぶん大丈夫。

 この二人なら大丈夫。
 俺の人生を丸ごと買って迎えてくれた、この二人なら……俺の全てを委ねられる。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

【完結】【R18BL】清らかになるために司祭様に犯されています

ちゃっぷす
BL
司祭の侍者――アコライトである主人公ナスト。かつては捨て子で数々の盗みを働いていた彼は、その罪を清めるために、司祭に犯され続けている。 そんな中、教会に、ある大公令息が訪れた。大公令息はナストが司祭にされていることを知り――!? ※ご注意ください※ ※基本的に全キャラ倫理観が欠如してます※ ※頭おかしいキャラが複数います※ ※主人公貞操観念皆無※ 【以下特殊性癖】 ※射精管理※尿排泄管理※ペニスリング※媚薬※貞操帯※放尿※おもらし※S字結腸※

【R18】奴隷に堕ちた騎士

蒼い月
BL
気持ちはR25くらい。妖精族の騎士の美青年が①野盗に捕らえられて調教され②闇オークションにかけられて輪姦され③落札したご主人様に毎日めちゃくちゃに犯され④奴隷品評会で他の奴隷たちの特殊プレイを尻目に乱交し⑤縁あって一緒に自由の身になった両性具有の奴隷少年とよしよし百合セックスをしながらそっと暮らす話。9割は愛のないスケベですが、1割は救済用ラブ。サブヒロインは主人公とくっ付くまで大分可哀想な感じなので、地雷の気配を感じた方は読み飛ばしてください。 ※主人公は9割突っ込まれてアンアン言わされる側ですが、終盤1割は突っ込む側なので、攻守逆転が苦手な方はご注意ください。 誤字報告は近況ボードにお願いします。無理やり何となくハピエンですが、不幸な方が抜けたり萌えたりする方は3章くらいまでをおススメします。 ※無事に完結しました!

召喚された美人サラリーマンは性欲悪魔兄弟達にイカされる

KUMA
BL
朱刃音碧(あかばねあおい)30歳。 ある有名な大人の玩具の開発部門で、働くサラリーマン。 ある日暇をモテ余す悪魔達に、逆召喚され混乱する余裕もなく悪魔達にセックスされる。 性欲悪魔(8人攻め)×人間 エロいリーマンに悪魔達は釘付け…『お前は俺達のもの。』

母の再婚で魔王が義父になりまして~淫魔なお兄ちゃんに執着溺愛されてます~

トモモト ヨシユキ
BL
母が魔王と再婚したルルシアは、義兄であるアーキライトが大の苦手。しかもどうやら義兄には、嫌われている。 しかし、ある事件をきっかけに義兄から溺愛されるようになり…エブリスタとフジョッシーにも掲載しています。

潜入した僕、専属メイドとしてラブラブセックスしまくる話

ずー子
BL
敵陣にスパイ潜入した美少年がそのままボスに気に入られて女装でラブラブセックスしまくる話です。冒頭とエピローグだけ載せました。 悪のイケオジ×スパイ美少年。魔王×勇者がお好きな方は多分好きだと思います。女装シーン書くのとっても楽しかったです。可愛い男の娘、最強。 本編気になる方はPixivのページをチェックしてみてくださいませ! https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21381209

【完結】【R18BL】男泣かせの名器くん、犬猿の仲に泣かされる

ちゃっぷす
BL
大企業本社に勤める月見里 斗真(やまなし とうま)は、二十八歳にして課長代理になった優秀なサラリーマン。 真面目で部下に優しいと評判の彼には、誰にも言えない秘密があった。 それは毎週金曜日の夜、ゲイ向けマッチングアプリで出会った男性と一回限りのワンナイトを楽しんでいることだ。 しかし、ある日マッチングした相手が、なんと同僚であり犬猿の仲である小鳥遊 弦(たかなし ゆずる)だった……! 最大の秘密を握った小鳥遊は、逃げようとする月見里をホテルに連れ込み――!? ※ご注意ください※ ※主人公貞操観念皆無※

俺を助けてくれたのは、怖くて優しい変わり者

くるむ
BL
枇々木尚哉は母子家庭で育ったが、母親は男がいないと生きていけない体質で、常に誰かを連れ込んでいた。 そんな母親が借金まみれの男に溺れたせいで、尚哉はウリ専として働かされることになってしまっていたのだが……。 尚哉の家族背景は酷く、辛い日々を送っていました。ですが、昼夜問わずサングラスを外そうとしない妙な男、画家の灰咲龍(はいざきりゅう)と出会ったおかげで彼の生活は一変しちゃいます。 人に心配してもらえる幸せ、自分を思って叱ってもらえる幸せ、そして何より自分が誰かを好きだと思える幸せ。 そんな幸せがあるという事を、龍と出会って初めて尚哉は知ることになります。 ほのぼの、そしてじれったい。 そんな二人のお話です♪ ※R15指定に変更しました。指定される部分はほんの一部です。それに相応するページにはタイトルに表記します。話はちゃんとつながるようになっていますので、苦手な方、また15歳未満の方は回避してください。

処理中です...